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京都大学 2011年 理系 第6問 解説

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京都大学 2011年 理系 第6問 解説

方針・初手

任意の三角形に「外接円」が存在するように、任意の四面体には「外接球」が存在することを示す証明問題です。証明のアプローチとしては大きく2つ考えられます。

1つは、図形的な性質(垂直二等分面)を用いる幾何学的な証明です。平面幾何における「3つの辺の垂直二等分線が1点で交わる」ことの3次元バージョンを構成します。

もう1つは、座標軸を適当に設定し、連立方程式がただ1つの解を持つことを示す代数的な証明です。こちらの方が「直線と平面が交わること」などの言葉による説明を省けるため、論理的な漏れを防ぎやすいというメリットがあります。

解法1(図形的な性質を用いた証明)

(証明)

三角形 $ABC$ において、3つの頂点 $A, B, C$ を通る外接円がただ1つ存在し、その中心(外心)を $H$ とする。点 $H$ を通り、平面 $ABC$ に垂直な直線を $l$ とする。

直線 $l$ 上の任意の点 $P$ をとると、線分 $PH$ は平面 $ABC$ と垂直であるから、$PH \perp HA$、$PH \perp HB$、$PH \perp HC$ である。$\triangle PHA,\ \triangle PHB,\ \triangle PHC$ は直角三角形であり、$PH$ は共通、$HA = HB = HC$(外接円の半径)であるから、これら3つの直角三角形は合同である。よって、$PA = PB = PC$ が成り立つ。

すなわち、直線 $l$ 上の点はすべて $A, B, C$ から等距離にある。

次に、辺 $AD$ の垂直二等分面を $\alpha$ とする。平面 $\alpha$ 上の任意の点 $Q$ は、$QA = QD$ を満たす。

直線 $l$ と平面 $\alpha$ の位置関係を考える。直線 $l$ が平面 $\alpha$ と平行である、あるいは $\alpha$ に含まれると仮定する。このとき、直線 $l$ は平面 $\alpha$ の法線ベクトル $\overrightarrow{AD}$ と垂直である。一方で、直線 $l$ は平面 $ABC$ に垂直であるため、$\overrightarrow{AD}$ が平面 $ABC$ に平行または含まれることを意味する。しかし、$A, B, C, D$ は四面体の4頂点であるから同一平面上にない。これは矛盾である。

したがって、直線 $l$ と平面 $\alpha$ はただ1点 $O$ で交わる。この交点 $O$ は、直線 $l$ 上にあるため $OA = OB = OC$ を満たし、かつ平面 $\alpha$ 上にあるため $OA = OD$ を満たす。

ゆえに $OA = OB = OC = OD$ が成り立ち、点 $O$ を中心とする半径 $OA$ の球面は4つの頂点 $A, B, C, D$ を同時に通る。(証明終)

解法2(座標空間への配置を用いた証明)

(証明)

四面体 $ABCD$ を座標空間内に配置する。点 $A$ を原点、点 $B$ を $x$ 軸上、点 $C$ を $xy$ 平面上にとるように座標軸を定めると、四面体の条件(4点が同一平面上にないこと)から各頂点の座標を次のように設定できる。

$$ A(0, 0, 0),\quad B(b_1, 0, 0)\ (b_1 \neq 0),\quad C(c_1, c_2, 0)\ (c_2 \neq 0),\quad D(d_1, d_2, d_3)\ (d_3 \neq 0) $$

4点を通る球面の中心を $P(x, y, z)$ とおく。$PA = PB = PC = PD$ を満たす実数 $x, y, z$ の存在を示す。

$PA^2 = PB^2$ より、

$$ x^2 = (x-b_1)^2 \implies 2b_1 x = b_1^2 $$

$b_1 \neq 0$ であるから $x = \dfrac{b_1}{2}$ と一意に定まる。

$PA^2 = PC^2$ より、

$$ 2c_1 x + 2c_2 y = c_1^2 + c_2^2 $$

$x = \dfrac{b_1}{2}$ を代入し、$c_2 \neq 0$ であるから $y$ も一意に定まる。

$PA^2 = PD^2$ より、

$$ 2d_1 x + 2d_2 y + 2d_3 z = d_1^2 + d_2^2 + d_3^2 $$

すでに $x, y$ は定まっており、$d_3 \neq 0$ であるから $z$ も一意に定まる。

したがって、$PA = PB = PC = PD$ を満たす点 $P(x, y, z)$ がただ1つ存在する。この点 $P$ を中心とし、半径を $PA$ とする球面は4点 $A, B, C, D$ を同時に通る。(証明終)

解説

「存在することを示せ」という問題に対しては、実際に「中心座標や半径を構成・特定してみせる」ことが最も説得力のある証明となります。

解法1の「垂直二等分面」を用いた証明は、2次元の三角形の外心を求めるプロセスを3次元に拡張したもので、空間図形のイメージがしっかり持てていれば自然に書ける美しい証明です。

解法2の「適当に座標軸を設定する」というテクニックは、図形的なひらめきがなくても必ず答えにたどり着ける強力な武器です。「四面体である(同一平面上にない)」という条件が $b_1 \neq 0,\ c_2 \neq 0,\ d_3 \neq 0$ という形で数式に翻訳され、それらが「1次方程式の係数が0にならない(=解が1つに決まる)」という証明の要として機能している点に注目してください。

答え

略(解法1の証明を参照)

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