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京都大学 2011年 理系 第5問 解説

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京都大学 2011年 理系 第5問 解説

方針・初手

前半の「共有点を持つことの証明」は、平面 $\alpha$ の方程式を求め、原点(球の中心)と平面 $\alpha$ との距離が球の半径以下であることを示します。後半の「積 $xyz$ の取り得る値の範囲」は、$x+y+z,\ x^2+y^2+z^2,\ xyz$ という「対称式」の形になっていることに着目します。基本対称式を求めて $x, y, z$ を解に持つ3次方程式を作成し、「その3次方程式が(重解を含めて)3つの実数解を持つような定数 $xyz$ の条件」を微分を用いて求めるのが定石です。

解法1

3点 $(4, 0, 0),\ (0, 4, 0),\ (0, 0, 4)$ を通る平面 $\alpha$ の方程式は、切片方程式より

$$ \frac{x}{4} + \frac{y}{4} + \frac{z}{4} = 1 \implies x + y + z = 4 $$

また、原点 $O$ を中心とする半径 $\sqrt{6}$ の球面 $S$ の方程式は $x^2 + y^2 + z^2 = 6$ である。

原点 $O(0,0,0)$ と平面 $\alpha: x+y+z-4=0$ の距離 $d$ を求めると、

$$ d = \frac{|0 + 0 + 0 - 4|}{\sqrt{1^2 + 1^2 + 1^2}} = \frac{4}{\sqrt{3}} $$

ここで、$d^2 = \dfrac{16}{3}$ であり、球の半径の2乗は $(\sqrt{6})^2 = 6$ である。

$\dfrac{16}{3} < 6$ より $d^2 < 6$ すなわち $d < \sqrt{6}$ となり、中心から平面までの距離が半径より小さいため、球面 $S$ と平面 $\alpha$ は交わり、共有点(円)を持つ。(証明終)

次に、点 $(x, y, z)$ がこの共有点の集合を動くとき、以下の2式が成り立つ。

$$ \begin{cases} x + y + z = 4 \quad \cdots① \\ x^2 + y^2 + z^2 = 6 \quad \cdots② \end{cases} $$

基本対称式 $xy + yz + zx$ の値を求める。$(x+y+z)^2 = x^2 + y^2 + z^2 + 2(xy + yz + zx)$ より、

$$ 16 = 6 + 2(xy + yz + zx) \implies xy + yz + zx = 5 \quad \cdots③ $$

ここで、積 $xyz = k$ とおく。$x, y, z$ を3つの解とする $t$ の3次方程式は、解と係数の関係より

$$ t^3 - (x+y+z)t^2 + (xy+yz+zx)t - xyz = 0 $$

①、③および $xyz = k$ を代入して、

$$ t^3 - 4t^2 + 5t - k = 0 \implies k = t^3 - 4t^2 + 5t $$

$x, y, z$ は実数であるから、この $t$ の3次方程式は実数解を3つ(重解を含む)持たなければならない。

$f(t) = t^3 - 4t^2 + 5t$ とおき、関数 $y = f(t)$ のグラフと直線 $y = k$ が共有点を3つ持つような $k$ の範囲を調べる。

$$ f'(t) = 3t^2 - 8t + 5 = (3t-5)(t-1) $$

$f'(t) = 0$ となるのは $t = 1,\ \dfrac{5}{3}$ のときである。

$t$ $\cdots$ $1$ $\cdots$ $\dfrac{5}{3}$ $\cdots$
$f'(t)$ $+$ $0$ $-$ $0$ $+$
$f(t)$ $\nearrow$ $2$ $\searrow$ $\dfrac{50}{27}$ $\nearrow$

極値の計算:

$$ f(1) = 1 - 4 + 5 = 2 $$

$$ f\!\left(\frac{5}{3}\right) = \frac{125}{27} - \frac{100}{9} + \frac{25}{3} = \frac{125 - 300 + 225}{27} = \frac{50}{27} $$

関数 $y = f(t)$ のグラフと直線 $y = k$ が3つの共有点を持つ条件は、直線が極小値以上かつ極大値以下を通ることである。したがって、$k$ のとり得る値の範囲は

$$ \frac{50}{27} \leqq k \leqq 2 $$

すなわち、

$$ \frac{50}{27} \leqq xyz \leqq 2 $$

解説

前半は空間座標における「点と平面の距離の公式」を知っていれば一瞬で片付く。後半は、難関大で非常によく出題される「対称式と3次方程式の実数解の存在範囲」の融合問題である。

式が2つしかないため $x, y, z$ の値を特定することはできないが、$x, y, z$ が実数として存在するための条件を、新しく作った3次方程式が3つの実数解を持つ(=グラフが3回交わる)条件にすり替えるという見事な論理展開が求められる。

答え

$$ \frac{50}{27} \leqq xyz \leqq 2 $$

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