名古屋大学 2001年 文系 第4問 解説

方針・初手
座標軸上の点であるから、$OA=a,\ OB=b,\ OC=c$ であり、また辺の長さは三平方の定理で表せる。
まず条件
$$ AB^2+BC^2+AC^2=66 $$
を $a,b,c$ の式に直し、$a+b+c=9$ と組み合わせる。そこから $b+c$ と $bc$ を $a$ で表し、$b,c$ が正の実数として存在する条件を調べる。
解法1
点の座標より、
$$ AB^2=a^2+b^2,\quad BC^2=b^2+c^2,\quad AC^2=a^2+c^2 $$
である。したがって、
$$ AB^2+BC^2+AC^2=2(a^2+b^2+c^2) $$
であるから、条件より
$$ 2(a^2+b^2+c^2)=66 $$
すなわち
$$ a^2+b^2+c^2=33 $$
を得る。
(1)
$a+b+c=9$ より、
$$ b+c=9-a $$
である。
また、
$$ b^2+c^2=33-a^2 $$
であり、
$$ (b+c)^2=b^2+c^2+2bc $$
を用いると、
$$ (9-a)^2=33-a^2+2bc $$
となる。よって、
$$ \begin{aligned} 2bc &=(9-a)^2-(33-a^2)\ &=81-18a+a^2-33+a^2\ &=2a^2-18a+48 \end{aligned} $$
より、
$$ bc=a^2-9a+24 $$
である。
(2)
$b,c$ は、和が $9-a$、積が $a^2-9a+24$ である正の実数である。したがって $b,c$ は方程式
$$ t^2-(9-a)t+(a^2-9a+24)=0 $$
の2つの正の実数解である。
この方程式が実数解をもつ条件は、判別式を $D$ として
$$ D\geqq 0 $$
である。計算すると、
$$ \begin{aligned} D &=(9-a)^2-4(a^2-9a+24)\ &=81-18a+a^2-4a^2+36a-96\ &=-3a^2+18a-15\ &=-3(a-1)(a-5) \end{aligned} $$
である。よって
$$ D\geqq 0 $$
より、
$$ 1\leqq a\leqq 5 $$
を得る。
さらに、この範囲では $9-a>0$ である。また、
$$ a^2-9a+24=\left(a-\frac{9}{2}\right)^2+\frac{15}{4}>0 $$
であるから、和と積がともに正であり、実数解 $b,c$ は正である。
したがって、四面体 $OABC$ が存在するための $a$ の範囲は
$$ 1\leqq a\leqq 5 $$
である。
(3)
四面体 $OABC$ は、3本の互いに垂直な辺 $OA,OB,OC$ をもつので、その体積 $V$ は
$$ V=\frac{1}{6}abc $$
である。
(1) より
$$ bc=a^2-9a+24 $$
だから、
$$ V=\frac{1}{6}a(a^2-9a+24) $$
である。すなわち、
$$ V=\frac{a^3-9a^2+24a}{6} $$
である。ただし、(2) より $1\leqq a\leqq 5$ である。
(4)
(3) より、
$$ V=\frac{1}{6}a(a^2-9a+24) $$
である。定数 $\frac{1}{6}$ は最大値を調べるうえで影響しないので、
$$ f(a)=a(a^2-9a+24) $$
とおく。すなわち、
$$ f(a)=a^3-9a^2+24a $$
である。
$1\leqq a\leqq 5$ において最大値を調べる。微分すると、
$$ f'(a)=3a^2-18a+24=3(a-2)(a-4) $$
である。したがって、候補は端点 $a=1,5$ と、臨界点 $a=2,4$ である。
それぞれ計算すると、
$$ \begin{aligned} f(1)&=16,\ f(2)&=20,\ f(4)&=16,\ f(5)&=20 \end{aligned} $$
である。よって $f(a)$ の最大値は $20$ であり、
$$ V_{\max}=\frac{20}{6}=\frac{10}{3} $$
である。
最大となるときの $a,b,c$ を求める。
(i) $a=2$ のとき
$$ b+c=9-2=7,\quad bc=2^2-9\cdot 2+24=10 $$
である。よって $b,c$ は
$$ t^2-7t+10=0 $$
の解であるから、
$$ t=2,\ 5 $$
である。したがって、
$$ (b,c)=(2,5),(5,2) $$
である。
(ii) $a=5$ のとき
$$ b+c=9-5=4,\quad bc=5^2-9\cdot 5+24=4 $$
である。よって $b,c$ は
$$ t^2-4t+4=0 $$
の解であるから、
$$ b=c=2 $$
である。
したがって、体積が最大となるのは
$$ (a,b,c)=(2,2,5),(2,5,2),(5,2,2) $$
のときである。
解説
この問題の中心は、座標空間の図形条件を $a,b,c$ の対称式に直すことである。
$AB^2,BC^2,AC^2$ はそれぞれ2変数の平方和になるため、条件から $a^2+b^2+c^2=33$ が得られる。さらに $a+b+c=9$ と組み合わせれば、$b+c$ と $bc$ が $a$ だけで表せる。
存在範囲では、$b,c$ を「和と積が決まった2数」と見て、2次方程式の実数解条件に帰着するのが自然である。ここで判別式だけでなく、$b,c$ が正であることも確認する必要がある。
体積は座標軸に沿った三直交辺をもつ四面体なので、直方体の体積 $abc$ の $\frac{1}{6}$ である。最後は $a$ の1変数関数として最大値を調べればよい。
答え
(1)
$$ b+c=9-a,\quad bc=a^2-9a+24 $$
(2)
$$ 1\leqq a\leqq 5 $$
(3)
$$ V=\frac{a(a^2-9a+24)}{6} $$
(4)
$$ V_{\max}=\frac{10}{3} $$
そのとき、
$$ (a,b,c)=(2,2,5),(2,5,2),(5,2,2) $$
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