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名古屋大学 2001年 文系 第3問 解説

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名古屋大学 2001年 文系 第3問 解説

方針・初手

点 $P$ の座標を $(x,y)$ と置き、$\overrightarrow{OP}$ を $s, t, \overrightarrow{OA}, \overrightarrow{OB}$ を用いて表す。成分比較によって得られる $x, y$ と $s, t$ の連立方程式から $s, t$ を $x, y$ で表し、与えられた条件式 $t=(s-k)^2$ に代入することで軌跡の方程式を求める。接する条件は、曲線と直線の方程式を連立して得られる2次方程式の判別式 $D=0$ を利用する。

解法1

(1)

直線 $OA, OB$ 上にない点 $P$ を通り、直線 $OB$ に平行な直線と直線 $OA$ の交点が $Q$、直線 $OA$ に平行な直線と直線 $OB$ の交点が $R$ であるから、四角形 $OQPR$ は平行四辺形である。 したがって、ベクトルの和の定義より $$\overrightarrow{OP} = \overrightarrow{OQ} + \overrightarrow{OR} = s\overrightarrow{OA} + t\overrightarrow{OB}$$ と表せる。

点 $P$ の座標を $(x, y)$ とすると、$\overrightarrow{OA} = (2a, a), \overrightarrow{OB} = (0, 2b)$ より $$(x, y) = s(2a, a) + t(0, 2b) = (2as, as + 2bt)$$ 各成分を比較して、 $$x = 2as$$ $$y = as + 2bt$$ $a > 0$ であるから、第1式より $$s = \frac{x}{2a}$$ これを第2式に代入して $t$ について解くと、 $$y = a \cdot \frac{x}{2a} + 2bt$$ $$2bt = y - \frac{x}{2}$$ $b > 0$ であるから、 $$t = \frac{2y - x}{4b}$$ これらを条件式 $t = (s-k)^2$ に代入する。 $$\frac{2y - x}{4b} = \left(\frac{x}{2a} - k\right)^2$$ 両辺に $4b$ を掛けて $y$ について整理する。 $$2y - x = 4b\left(\frac{x^2}{4a^2} - \frac{k}{a}x + k^2\right)$$ $$2y = \frac{b}{a^2}x^2 - \frac{4bk}{a}x + x + 4bk^2$$ $$2y = \frac{b}{a^2}x^2 + \left(1 - \frac{4bk}{a}\right)x + 4bk^2$$ $$y = \frac{b}{2a^2}x^2 + \left(\frac{1}{2} - \frac{2bk}{a}\right)x + 2bk^2$$ これが求める曲線 $F$ の方程式である。

(2)

点 $C$ は線分 $OB$ の中点であるから、$\overrightarrow{OC} = \frac{1}{2}\overrightarrow{OB} = (0, b)$ となり、点 $C$ の座標は $(0, b)$ である。 点 $A$ の座標は $(2a, a)$ であるから、直線 $AC$ の方程式は、 $$y - b = \frac{a - b}{2a - 0}(x - 0)$$ $$y = \frac{a - b}{2a}x + b$$ 曲線 $F$ と直線 $AC$ が接するとき、これらの方程式から $y$ を消去して得られる $x$ についての2次方程式は重解をもつ。 $$\frac{b}{2a^2}x^2 + \left(\frac{1}{2} - \frac{2bk}{a}\right)x + 2bk^2 = \frac{a - b}{2a}x + b$$ 両辺に $2a^2$ を掛けて整理する。 $$bx^2 + (a^2 - 4abk)x + 4a^2bk^2 = a(a - b)x + 2a^2b$$ $$bx^2 + (a^2 - 4abk - a^2 + ab)x + 4a^2bk^2 - 2a^2b = 0$$ $$bx^2 + ab(1 - 4k)x + 2a^2b(2k^2 - 1) = 0$$ $b > 0$ であるから、両辺を $b$ で割る。 $$x^2 + a(1 - 4k)x + 2a^2(2k^2 - 1) = 0$$ この $x$ についての2次方程式の判別式を $D$ とすると、接する条件は $D = 0$ である。 $$D = \{a(1 - 4k)\}^2 - 4 \cdot 1 \cdot 2a^2(2k^2 - 1) = 0$$ $$a^2(1 - 8k + 16k^2) - 8a^2(2k^2 - 1) = 0$$ $$a^2(1 - 8k + 16k^2 - 16k^2 + 8) = 0$$ $$a^2(9 - 8k) = 0$$ $a > 0$ より $a^2 \neq 0$ であるから、 $$9 - 8k = 0$$ $$k = \frac{9}{8}$$ これは $k$ が正定数であるという条件を満たす。

解説

斜交座標の考え方を直交座標に変換する典型問題である。$\overrightarrow{OP} = s\overrightarrow{OA} + t\overrightarrow{OB}$ という関係式は、直線 $OA$ と $OB$ を軸とする斜交座標系における点 $P$ の座標が $(s, t)$ であることを意味する。これを直交座標 $(x, y)$ と対応させ、与えられた $s, t$ の関係式に代入することで軌跡の方程式が自然に導かれる。 (2)の接する条件は、2次曲線と直線の連立方程式から判別式 $D=0$ を用いる基本通りの処理である。文字定数 $a, b$ が多く含まれるため、計算過程で式を適切に整理・因数分解してミスを防ぐことが重要となる。

答え

(1) $$y = \frac{b}{2a^2}x^2 + \left(\frac{1}{2} - \frac{2bk}{a}\right)x + 2bk^2$$

(2) $$k = \frac{9}{8}$$

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