大阪大学 1964年 理系 第1問 解説

方針・初手
四角形の辺上の点(中点や内分点)に関する問題であり、図形の性質を代数的に処理できる「ベクトル」を用いるのが定石である。 任意の点を基準として各頂点の位置ベクトルを設定し、与えられた条件に従って点 $E, F, G, H, M, P, Q, N$ の位置ベクトルを立式する。 4点 $M, P, Q, N$ が同一直線上にあることを示すためには、点 $M$ を始点としたベクトルについて、$\vec{MP} = k \vec{MN}$, $\vec{MQ} = l \vec{MN}$ となる実数 $k, l$ が存在することを示せばよい。
解法1
任意の原点 $O$ を基準とし、点 $X$ の位置ベクトルを $\vec{x}$ と表す。 四角形 $ABCD$ の各頂点 $A, B, C, D$ の位置ベクトルをそれぞれ $\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}, \vec{d}$ とする。
点 $E, F$ は辺 $AD$ を3等分する点であるから、 $$ \vec{e} = \frac{2\vec{a} + \vec{d}}{3} $$
$$ \vec{f} = \frac{\vec{a} + 2\vec{d}}{3} $$
点 $G, H$ は辺 $BC$ を3等分する点であるから、 $$ \vec{g} = \frac{2\vec{b} + \vec{c}}{3} $$
$$ \vec{h} = \frac{\vec{b} + 2\vec{c}}{3} $$
点 $M, N$ はそれぞれ線分 $AB, DC$ の中点であるから、 $$ \vec{m} = \frac{\vec{a} + \vec{b}}{2} $$
$$ \vec{n} = \frac{\vec{c} + \vec{d}}{2} $$
また、点 $P, Q$ はそれぞれ線分 $EG, FH$ の中点であるから、 $$ \vec{p} = \frac{\vec{e} + \vec{g}}{2} = \frac{1}{2} \left( \frac{2\vec{a} + \vec{d}}{3} + \frac{2\vec{b} + \vec{c}}{3} \right) = \frac{2\vec{a} + 2\vec{b} + \vec{c} + \vec{d}}{6} $$
$$ \vec{q} = \frac{\vec{f} + \vec{h}}{2} = \frac{1}{2} \left( \frac{\vec{a} + 2\vec{d}}{3} + \frac{\vec{b} + 2\vec{c}}{3} \right) = \frac{\vec{a} + \vec{b} + 2\vec{c} + 2\vec{d}}{6} $$
ここで、点 $M$ を始点とする3つのベクトル $\vec{MN}, \vec{MP}, \vec{MQ}$ を計算する。
$$ \vec{MN} = \vec{n} - \vec{m} = \frac{\vec{c} + \vec{d}}{2} - \frac{\vec{a} + \vec{b}}{2} = \frac{-\vec{a} - \vec{b} + \vec{c} + \vec{d}}{2} $$
$$ \vec{MP} = \vec{p} - \vec{m} = \frac{2\vec{a} + 2\vec{b} + \vec{c} + \vec{d}}{6} - \frac{3\vec{a} + 3\vec{b}}{6} = \frac{-\vec{a} - \vec{b} + \vec{c} + \vec{d}}{6} $$
$$ \vec{MQ} = \vec{q} - \vec{m} = \frac{\vec{a} + \vec{b} + 2\vec{c} + 2\vec{d}}{6} - \frac{3\vec{a} + 3\vec{b}}{6} = \frac{-2\vec{a} - 2\vec{b} + 2\vec{c} + 2\vec{d}}{6} = \frac{-\vec{a} - \vec{b} + \vec{c} + \vec{d}}{3} $$
これらより、 $$ \vec{MP} = \frac{1}{3} \vec{MN} $$
$$ \vec{MQ} = \frac{2}{3} \vec{MN} $$ が成り立つ。
したがって、点 $P$ は線分 $MN$ を $1:2$ に内分する点であり、点 $Q$ は線分 $MN$ を $2:1$ に内分する点である。 ゆえに、4点 $M, P, Q, N$ は同一直線上にある。
解説
平面図形において「複数の点が同一直線上にある(共線条件)」を示す典型問題である。 各点の位置関係が中点や定比に内分する点として与えられているため、初等幾何的に補助線を引いて考えるよりも、ベクトルの演算に帰着させる手法が最も確実かつ見通しが良い。
始点をどこに取るかは自由であるが、解答例のように任意の原点を基準にするか、あるいは点 $A$ などを始点として $\vec{AB}, \vec{AC}, \vec{AD}$ を基底として計算しても全く同じように証明できる。 計算結果から $\vec{MP} = \frac{1}{3}\vec{MN}$ および $\vec{MQ} = \frac{2}{3}\vec{MN}$ が得られるため、4点が単に一直線上にあるだけでなく、点 $P, Q$ が線分 $MN$ を3等分しているという詳細な位置関係まで判明する。
答え
各点の位置ベクトルを設定して計算することにより、$\vec{MP} = \frac{1}{3} \vec{MN}$ および $\vec{MQ} = \frac{2}{3} \vec{MN}$ が成り立つことを示し、4点 $M, P, Q, N$ が同一直線上にあることを証明した。
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