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大阪大学 1964年 理系 第2問 解説

数学1/方程式不等式テーマ/速度・距離
大阪大学 1964年 理系 第2問 解説

方針・初手

円周上を同じ向きに動く2点が重なる(速い点が遅い点をはじめて追い抜く)条件は、両者の進んだ距離の差がちょうど円周1周分になることである。この性質を利用して、動点間の相対速度(あるいは1秒あたりの進む距離の差)に関する等式を立てる。

解法1

円周の長さを $L$ とし、動点 $A, B, C$ の速さをそれぞれ $v_A, v_B, v_C$ とする。

同じ点を出発し同じ向きに動くとき、$A$ がはじめて $B$ を追い抜くのは、$A$ の進んだ距離と $B$ の進んだ距離の差が、ちょうど1周分の長さ $L$ になったときである。 出発してから $a$ 秒後に $A$ がはじめて $B$ を追い抜くので、

$$ v_A a - v_B a = L $$

が成り立つ。これを変形すると、

$$ v_A - v_B = \frac{L}{a} \cdots \text{(1)} $$

となる。

同様に、出発してから $b$ 秒後に $B$ がはじめて $C$ を追い抜くので、

$$ v_B b - v_C b = L $$

$$ v_B - v_C = \frac{L}{b} \cdots \text{(2)} $$

が成り立つ。

さて、出発してから $A$ がはじめて $C$ を追い抜くまでの時間を $t$ 秒とすると、同様に

$$ v_A t - v_C t = L $$

$$ v_A - v_C = \frac{L}{t} \cdots \text{(3)} $$

が成り立つ。

(1) と (2) の辺々を加えると、

$$ (v_A - v_B) + (v_B - v_C) = \frac{L}{a} + \frac{L}{b} $$

$$ v_A - v_C = \left( \frac{1}{a} + \frac{1}{b} \right) L $$

$$ v_A - v_C = \frac{a+b}{ab} L $$

これを (3) に代入して、

$$ \frac{a+b}{ab} L = \frac{L}{t} $$

$L > 0$ であるから、両辺を $L$ で割ると、

$$ \frac{a+b}{ab} = \frac{1}{t} $$

よって、

$$ t = \frac{ab}{a+b} $$

となり、求める時間は $\frac{ab}{a+b}$ 秒後である。

解説

「追い抜く」という現象を、「進んだ距離の差がちょうど1周分になること」と数式化できるかがポイントである。

この問題は、物理における「相対速度」の概念を用いると直感的に理解しやすい。 ある点から見た別の点の相対的な速さは、それぞれの速さの差で表される。 $B$ に対する $A$ の相対的な速さは $v_A - v_B = \frac{L}{a}$ であり、$C$ に対する $B$ の相対的な速さは $v_B - v_C = \frac{L}{b}$ である。 $C$ に対する $A$ の相対的な速さは、これら2つの相対速度の和として表されるため、

$$ v_A - v_C = \frac{L}{a} + \frac{L}{b} = \frac{a+b}{ab} L $$

となる。 $A$ が $C$ に対して1周分(距離 $L$)多く進むのにかかる時間は、(距離)$\div$(相対的な速さ)で求められるため、

$$ L \div \left( \frac{a+b}{ab} L \right) = \frac{ab}{a+b} $$

と計算できる。この考え方を用いると、未知数 $v_A, v_B, v_C$ や $L$ を方程式でおかなくても、スムーズに解答を導くことができる。

答え

$\frac{ab}{a+b}$ 秒後

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