大阪大学 1977年 理系 第3問 解説

方針・初手
集合の要素の数え上げにおいて、ある対象を2つの異なる視点から数え上げて等号で結ぶ「二通りに数える(Double Counting)」という手法を用いる。 具体的には、18個の正四面体に含まれる「2つの数字の組」の総数に着目する。これを「正四面体の個数から数える方法」と「数字の選び方から数える方法」の2通りで表し、条件の「一定の個数」を求める。 後半の証明も同様に、特定の数字 $k$ を含む正四面体における「$k$ と他の数字のペア」を2通りに数えることで、$k$ を含む正四面体の個数が $k$ によらず一定であることを示す。
解法1
(1)
1つの正四面体には4つの異なる数字が書かれているので、1つの正四面体に含まれる2つの数字の組は
$$ {}_{4}\mathrm{C}_{2} = 6 \text{ (組)} $$
ある。
箱の中には18個の正四面体があるから、これら18個の正四面体に含まれる2つの数字の組の総数を足し合わせると
$$ 18 \times 6 = 108 \text{ (組)} $$
となる。
一方で、1から9までの9個の数字から2つを選ぶ組の総数は
$$ {}_{9}\mathrm{C}_{2} = 36 \text{ (組)} $$
ある。
問題の条件より、1から9までのどの2つの数字の組に対しても、その両方を同時に含む正四面体の個数は一定である。この一定の個数を $c$ とおくと、組の総数について
$$ 36 \times c = 108 $$
が成り立つ。
これを解いて $c = 3$ を得る。 したがって、数字1と2を同時に含む4面体の個数は3個である。
(2)
ある特定の数字 $k$ ($1 \leqq k \leqq 9$) について考える。 箱の中にある18個の正四面体のうち、数字 $k$ を含むものの個数を $n_k$ とおく。
数字 $k$ を含む $n_k$ 個の各正四面体には、$k$ 以外の数字が3つずつ書かれている。 したがって、これら $n_k$ 個の正四面体に含まれる、「$k$ と $k$ 以外の数字の組」の総数は
$$ 3 n_k \text{ (組)} $$
である。
一方、(1) で求めたように、どの2つの数字の組も、それを同時に含む正四面体はちょうど3個存在する。 $k$ とペアになる「$k$ 以外の数字」は $9 - 1 = 8$ 個ある。
したがって、$k$ を含む2つの数字の組は全部で8種類あり、それぞれが正四面体の中に3回ずつ現れることになるから、「$k$ と $k$ 以外の数字の組」の総数は
$$ 8 \times 3 = 24 \text{ (組)} $$
と表せる。
よって、上の2通りの数え上げは等しいので、
$$ 3 n_k = 24 $$
すなわち
$$ n_k = 8 $$
が成り立つ。 この結果は $k$ の選び方によらず一定である。
箱の中から1個の4面体を取り出すとき、それが数字 $k$ を含む確率 $P_k$ は、全体の18個の正四面体のうち $n_k = 8$ 個が $k$ を含むことから
$$ P_k = \frac{n_k}{18} = \frac{8}{18} = \frac{4}{9} $$
となる。 したがって、すべての $P_k$ ($k=1, 2, \dots, 9$) が等しいことが証明された。
解説
組合せ論における「ブロックデザイン(BIBD: Balanced Incomplete Block Design)」の考え方を背景とする問題である。 全体の組の数を数えるという「二通りに数える(Double Counting)」手法が強力に機能する。
(1) では、18個の正四面体に存在する「2つの数字の組」の総数を2通りの方法で数え上げることで、一定の個数を求めた。 (2) では、さらに特定の数字 $k$ を含む「$k$ と他の数字の組」の総数を2通りの方法で数え上げることで、$k$ を含む正四面体の個数が $k$ によらず一定であることを導いている。 離散数学的な要素が強いが、場合の数の基本的な考え方を応用することで完答できる良問である。
答え
(1)
3個
(2)
すべての $k$ について $P_k = \frac{4}{9}$ となり、互いに等しい。(証明終)
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