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京都大学 2011年 文系 第5問 解説

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京都大学 2011年 文系 第5問 解説

方針・初手

(1) は各桁の数字が1または2の $n$ 桁の整数の総和を求めます。10進法の位取り記数法に基づいて、それぞれの位($10^0$ の位、$10^1$ の位、…)に1と2が何回ずつ現れるかを数え上げて和を計算する「縦に足す」発想が定石です。

(2) は「$n$ 桁以下」とありますが、空いた上位桁に0を補うことで「0, 1, 2のいずれかからなる $n$ 桁の文字列」が表す数の総和と捉えることができます。(1) と同様に和 $S_n$ を求め、$S_n \geqq 15T_n$ を解きます。最後は対数を用いた近似計算で $n$ の最小値を特定します。

解法1

(1)

各桁の数が1または2である $n$ 桁の整数は全部で $2^n$ 個存在する。これらの整数のうち、$10^k$ の位($k = 0, 1, \dots, n-1$)の数字が1であるものは $2^{n-1}$ 個、2であるものも $2^{n-1}$ 個ある。

したがって、$10^k$ の位の数字の和は $1 \times 2^{n-1} + 2 \times 2^{n-1} = 3 \times 2^{n-1}$ である。

これをすべての位について足し合わせると、

$$ T_n = \sum_{k=0}^{n-1} (3 \times 2^{n-1}) \cdot 10^k = 3 \cdot 2^{n-1} \cdot \frac{10^n - 1}{9} = \frac{2^{n-1}(10^n - 1)}{3} $$

(2)

各桁の数が0, 1, 2のいずれかである $n$ 桁以下の整数は、上位の空いた桁に0を補って $n$ 桁の文字列とみなすと、全部で $3^n$ 個存在する。

$10^k$ の位の数字が 0, 1, 2 であるものはそれぞれ $3^{n-1}$ 個ずつ存在するから、$10^k$ の位の数字の和は

$$ 0 \times 3^{n-1} + 1 \times 3^{n-1} + 2 \times 3^{n-1} = 3^n $$

これをすべての位について足し合わせると、

$$ S_n = \sum_{k=0}^{n-1} 3^n \cdot 10^k = 3^n \cdot \frac{10^n - 1}{9} = 3^{n-2}(10^n - 1) $$

$S_n \geqq 15T_n$ となる条件を求める。

$$ 3^{n-2}(10^n - 1) \geqq 15 \cdot \frac{2^{n-1}(10^n - 1)}{3} $$

$10^n - 1 > 0$ であるから両辺をこれで割り、

$$ 3^{n-2} \geqq 5 \cdot 2^{n-1} $$

両辺の常用対数をとる。

$$ (n-2)\log_{10} 3 \geqq \log_{10} 5 + (n-1)\log_{10} 2 $$

$\log_{10} 5 = 1 - \log_{10} 2$ を代入して整理すると、

$$ n(\log_{10} 3 - \log_{10} 2) \geqq 1 + 2(\log_{10} 3 - \log_{10} 2) $$

$$ n \geqq \frac{1}{\log_{10} 3 - \log_{10} 2} + 2 $$

与えられた近似値より、

$$ 0.175 < \log_{10} 3 - \log_{10} 2 < 0.177 $$

逆数をとって(各辺正なので不等号反転)、

$$ \frac{1}{0.177} < \frac{1}{\log_{10} 3 - \log_{10} 2} < \frac{1}{0.175} $$

$1000 \div 177 = 5.64\dots$、$1000 \div 175 = 5.71\dots$ であるから、

$$ 7.64 < \frac{1}{\log_{10} 3 - \log_{10} 2} + 2 < 7.72 $$

$n$ はこれより大きい最小の整数であるから、$n = 8$。

したがって、$S_n$ が $T_n$ の15倍以上になるのは $n \geqq 8$ のときである。

解説

数の総和を求める典型的な問題である。「各桁ごとに縦に足し合わせる」という発想ができるかが鍵となる。

(2) の「$n$ 桁以下の整数」という表現と「0は0桁の数」という但し書きは、一見ややこしいが、「上位桁に0を埋めて必ず $n$ 桁の文字列として扱う」ことで、(1) と全く同じように数え上げができるというヒントになっている。

不等式の評価においては、$\log_{10} 3 - \log_{10} 2$ という「ひと塊」を作ってから評価した方が誤差が小さくなり、安全に整数値を決定できる。

答え

(1)

$T_n = \dfrac{2^{n-1}(10^n - 1)}{3}$

(2)

$8$ 以上

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