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東北大学 2022年 理系 第6問 解説

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東北大学 2022年 理系 第6問 解説

方針・初手

直円柱の軸を $z$ 軸にとり,球の中心を原点 $O(0,0,0)$ とおく。

すると,直円柱の内部は

$$ x^2+y^2\le 1,\qquad 0\le z\le \sqrt3 $$

で表され,球の内部は

$$ x^2+y^2+z^2\le r^2 $$

で表される。

高さ $z$ を固定して断面を考えると,共通部分の断面は半径

$$ \min{1,\sqrt{r^2-z^2}} $$

の円になる。したがって,断面積を積分すればよい。どこで球の断面半径が $1$ を超えるかによって場合分けする。

解法1

高さ $z$ における共通部分の断面積を $S(z)$ とする。

球の断面は半径 $\sqrt{r^2-z^2}$ の円であるから,

$$ S(z)=\pi \min{1,\ r^2-z^2} $$

となる。ただし,球が存在するのは $0\le z\le r$ の範囲である。

よって,体積 $V(r)$ は $r$ の値によって場合分けして求まる。

(i) $0\le r\le 1$ のとき

このとき,任意の $z$ に対して $\sqrt{r^2-z^2}\le r\le 1$ であるから,断面は常に球の断面そのものになる。

したがって,

$$ V(r)=\pi\int_0^r (r^2-z^2),dz $$

である。計算すると,

$$ V(r)=\pi\left[r^2z-\frac{z^3}{3}\right]_0^r =\pi\left(r^3-\frac{r^3}{3}\right) =\frac{2\pi}{3}r^3 $$

となる。

(ii) $1\le r\le \sqrt3$ のとき

球の断面半径がちょうど $1$ になる高さは

$$ \sqrt{r^2-z^2}=1 $$

より

$$ z=\sqrt{r^2-1} $$

である。

したがって,

となる。

よって,

$$ V(r)=\pi\int_0^{\sqrt{r^2-1}}1,dz+\pi\int_{\sqrt{r^2-1}}^r (r^2-z^2),dz $$

である。ここで $a=\sqrt{r^2-1}$ とおくと,

$$ \begin{aligned} V(r) &=\pi\left[a+\left(r^2z-\frac{z^3}{3}\right)_a^r\right] \\ &=\pi\left[a+\frac{2}{3}r^3-r^2a+\frac{a^3}{3}\right]. \end{aligned} $$

さらに $a^2=r^2-1$ より $a^3=a(r^2-1)$ であるから,

$$ a-r^2a+\frac{a^3}{3} =a-r^2a+\frac{a(r^2-1)}{3} =-\frac{2}{3}a^3 $$

となる。したがって,

$$ V(r)=\frac{2\pi}{3}\left(r^3-(r^2-1)^{3/2}\right) $$

を得る。

(iii) $\sqrt3\le r\le 2$ のとき

このとき球は直円柱の上面 $z=\sqrt3$ に達しているが,まだ直円柱全体は含まない。

先ほどと同様に,$z=\sqrt{r^2-1}$ を境にして断面が変わる。今度は積分の上端が $r$ ではなく $\sqrt3$ になるので,

$$ V(r)=\pi\int_0^{\sqrt{r^2-1}}1,dz+\pi\int_{\sqrt{r^2-1}}^{\sqrt3}(r^2-z^2),dz $$

となる。

$a=\sqrt{r^2-1}$ とおくと,

$$ \begin{aligned} V(r) &=\pi\left[a+\left(r^2z-\frac{z^3}{3}\right)_a^{\sqrt3}\right] \\ &=\pi\left[a+\left(\sqrt3,r^2-\sqrt3\right)-r^2a+\frac{a^3}{3}\right] \\ &=\pi\left[\sqrt3(r^2-1)+a-r^2a+\frac{a^3}{3}\right]. \end{aligned} $$

先ほどと同様に

$$ a-r^2a+\frac{a^3}{3} =-\frac{2}{3}a^3 $$

であるから,

$$ V(r)=\pi\left(\sqrt3(r^2-1)-\frac{2}{3}(r^2-1)^{3/2}\right) $$

となる。

(iv) $r\ge 2$ のとき

直円柱内で球の中心から最も遠い点は,上面の円周上の点であり,その距離は

$$ \sqrt{1^2+(\sqrt3)^2}=2 $$

である。

したがって $r\ge 2$ なら直円柱全体が球の内部に含まれるので,

$$ V(r)=\pi\cdot 1^2\cdot \sqrt3=\pi\sqrt3 $$

である。

解説

断面積で積分するのが最も自然である。高さ $z$ を固定すると,共通部分は「半径 $1$ の円」と「半径 $\sqrt{r^2-z^2}$ の円」の共通部分になり,半径の小さい方を採ればよい。

場合分けの境目は,次の幾何的意味をもつ。

この3点を正しく見抜けるかが重要である。

答え

$$ V(r)= \begin{cases} \dfrac{2\pi}{3}r^3 & (0\le r\le 1),\\[1.2ex] \dfrac{2\pi}{3}\left(r^3-(r^2-1)^{3/2}\right) & (1\le r\le \sqrt3),\\[1.2ex] \pi\left(\sqrt3(r^2-1)-\dfrac{2}{3}(r^2-1)^{3/2}\right) & (\sqrt3\le r\le 2),\\[1.2ex] \pi\sqrt3 & (r\ge 2). \end{cases} $$

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