東北大学 2003年 理系 第4問 解説

方針・初手
$x=u$ を固定すると,問題は $yz$ 平面内の線分を考えることに帰着する。
点 $A=(u,0,0)$ から線分 $PQ$ への距離は,線分上の点を媒介変数で表して最小値をとればよい。
また,曲面 $S$ を $x$ 軸のまわりに回転した立体は,各 $x=u$ における断面が円環になる。その内半径は (1) の距離であり,外半径は線分の端点のうち $x$ 軸から遠い方の距離である。したがって断面積を $u$ で積分すれば体積が求まる。
解法1
点 $A=(u,0,0)$ とする。
線分 $PQ$ 上の点 $R$ は,$0\le t\le 1$ を用いて
$$ R=P+t(Q-P) =(u,\ u(1-t),\ t\sqrt{1-u^2}) $$
と表せる。
(1) 点 $(u,0,0)$ から線分 $PQ$ までの距離
$A$ から $R$ までの距離の二乗は
$$ AR^2 ={u(1-t)}^2+{t\sqrt{1-u^2}}^2 $$
であるから,
$$ \begin{aligned} AR^2 &=u^2(1-t)^2+(1-u^2)t^2 \ &=u^2-2u^2t+t^2 \ &=(t-u^2)^2+u^2(1-u^2) \end{aligned} $$
となる。
ここで $0\le u\le 1$ より $0\le u^2\le 1$ なので,$t=u^2$ は確かに線分上の点を与える。したがって最小値は
$$ AR^2_{\min}=u^2(1-u^2) $$
であり,求める距離は
$$ u\sqrt{1-u^2} $$
である。
(2) 回転して得られる立体の体積
$x=u$ における線分上の点 $R$ を $x$ 軸のまわりに回転すると,半径
$$ \rho(t)=\sqrt{y^2+z^2} $$
の円を描く。したがって,断面は $\rho(t)$ のとる値全体からなる円環である。
先ほどと同様に
$$ \rho(t)^2=u^2(1-t)^2+(1-u^2)t^2 =(t-u^2)^2+u^2(1-u^2) $$
であるから,内半径 $r(u)$ は
$$ r(u)=u\sqrt{1-u^2} $$
である。
一方,端点 $P,Q$ の $x$ 軸からの距離はそれぞれ
$$ |OP_{yz}|=u,\qquad |OQ_{yz}|=\sqrt{1-u^2} $$
なので,外半径 $R(u)$ は
$$ R(u)=\max\left{u,\sqrt{1-u^2}\right} $$
である。
よって断面積 $A(u)$ は
$$ A(u)=\pi{R(u)^2-r(u)^2} $$
となる。
ここで $u=\dfrac{1}{\sqrt2}$ を境にして大小が入れ替わるので,場合分けすると
(i) $0\le u\le \dfrac{1}{\sqrt2}$ のとき
$$ R(u)^2=1-u^2 $$
であるから,
$$ \begin{aligned} A(u) &=\pi{(1-u^2)-u^2(1-u^2)} \ &=\pi(1-u^2)^2 \end{aligned} $$
(ii) $\dfrac{1}{\sqrt2}\le u\le 1$ のとき
$$ R(u)^2=u^2 $$
であるから,
$$ \begin{aligned} A(u) &=\pi{u^2-u^2(1-u^2)} \ &=\pi u^4 \end{aligned} $$
したがって体積 $V$ は
$$ V =\int_0^1 A(u),du =\pi\int_0^{1/\sqrt2}(1-u^2)^2,du+\pi\int_{1/\sqrt2}^1u^4,du $$
となる。
それぞれ計算すると,
$$ \int_0^{1/\sqrt2}(1-u^2)^2,du =\int_0^{1/\sqrt2}(1-2u^2+u^4),du $$
より
$$ \begin{aligned} \int_0^{1/\sqrt2}(1-u^2)^2,du &=\left[u-\frac23u^3+\frac15u^5\right]_0^{1/\sqrt2} \ &=\frac{43}{60\sqrt2} \end{aligned} $$
また,
$$ \int_{1/\sqrt2}^1u^4,du =\left[\frac15u^5\right]_{1/\sqrt2}^1 =\frac15-\frac{1}{20\sqrt2} $$
である。
よって
$$ \begin{aligned} V &=\pi\left(\frac{43}{60\sqrt2}+\frac15-\frac{1}{20\sqrt2}\right) \ &=\pi\left(\frac15+\frac{2}{3\sqrt2}\right) \ &=\pi\left(\frac15+\frac{\sqrt2}{3}\right) \end{aligned} $$
となる。
解説
この問題の要点は,$x=u$ を固定して $yz$ 平面で考えることである。
(1) では,線分上の点を媒介変数で表し,距離の二乗を平方完成すれば最小値がすぐに分かる。
(2) では,回転後の断面を「円盤」と見てしまうと誤る。線分は一般に $x$ 軸を通らないので,回転すると断面は円環になる。その内半径が (1) の距離であり,外半径は端点のうち遠い方で決まる。この見方ができれば,あとは断面積の積分である。
答え
$$ \text{(1)}\quad u\sqrt{1-u^2} $$
$$ \text{(2)}\quad \pi\left(\frac15+\frac{\sqrt2}{3}\right) $$
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