トップ 東京工業大学 2016年 理系 第3問

東京工業大学 2016年 理系 第3問 解説

数学1/立体図形数学C/式と曲線数学2/図形と式テーマ/軌跡・領域テーマ/空間図形
東京工業大学 2016年 理系 第3問 解説

方針・初手

(1) は空間図形における接球問題の基本である。2つの球の中心から平面に下ろした垂線を考え、中心間の距離、半径の差、および接点間の距離によって直角三角形を作るのが定石である。 (2) は (1) の結果を応用する。求める接点を $P$、未知の球の半径を $r$ とおいて、(1) と同様の関係式を $S$ と $S_1$、$S$ と $S_2$ のそれぞれについて立式し、媒介変数である $r$ を消去して接点 $P$ の平面 $\alpha$ 上における軌跡を調べる。

解法1

(1)

球 $S_1, S_2$ の中心をそれぞれ $O_1, O_2$ とする。 球 $S_1, S_2$ は水平な平面 $\alpha$ に接しており、その接点が $P_1, P_2$ であるから、線分 $O_1 P_1$ および $O_2 P_2$ は平面 $\alpha$ に垂直であり、その長さはそれぞれの球の半径に等しい。すなわち、

$$ O_1 P_1 = r_1, \quad O_2 P_2 = r_2 $$

である。また、$S_1$ と $S_2$ は外接しているから、中心間の距離は半径の和に等しい。よって、

$$ O_1 O_2 = r_1 + r_2 $$

である。

$O_1$ から直線 $O_2 P_2$ に下ろした垂線の足を $H$ とする。$O_1 P_1 \parallel O_2 P_2$ かつこれらは $\alpha$ に垂直であるため、四角形 $P_1 P_2 H O_1$ は長方形となる。したがって、

$$ P_1 P_2 = O_1 H $$

$$ O_2 H = |O_2 P_2 - P_2 H| = |O_2 P_2 - O_1 P_1| = |r_2 - r_1| $$

が成り立つ。直角三角形 $O_1 H O_2$ において三平方の定理より、

$$ O_1 H^2 + O_2 H^2 = O_1 O_2^2 $$

すなわち、

$$ P_1 P_2^2 + (r_1 - r_2)^2 = (r_1 + r_2)^2 $$

が成り立つ。これを展開して整理すると、

$$ P_1 P_2^2 = (r_1^2 + 2r_1 r_2 + r_2^2) - (r_1^2 - 2r_1 r_2 + r_2^2) = 4r_1 r_2 $$

となる。$r_1 > 0, r_2 > 0$ であり $P_1 P_2 > 0$ であるから、

$$ P_1 P_2 = 2\sqrt{r_1 r_2} $$

である。

(2)

平面 $\alpha$ の上に乗っており、$S_1$ と $S_2$ の両方に外接している球を $S$ とし、その半径を $r$、$\alpha$ との接点を $P$ とする。

$S$ と $S_1$ はともに $\alpha$ に接し、かつ互いに外接しているので、(1) と全く同様の議論が成り立ち、接点間の距離は、

$$ P_1 P = 2\sqrt{r_1 r} $$

となる。同様に、$S$ と $S_2$ についても、

$$ P_2 P = 2\sqrt{r_2 r} $$

となる。この2式から $r$ を消去するため、両辺を2乗して辺々を割ると、

$$ \frac{P_1 P^2}{P_2 P^2} = \frac{4r_1 r}{4r_2 r} = \frac{r_1}{r_2} $$

$$ r_2 P_1 P^2 = r_1 P_2 P^2 $$

となる。したがって、平面 $\alpha$ 上における点 $P$ の満たす条件は、

$$ P_1 P : P_2 P = \sqrt{r_1} : \sqrt{r_2} $$

となる。ここで、$r_1, r_2$ の大小関係によって場合分けを行う。

(i)

$r_1 = r_2$ のとき

$P_1 P = P_2 P$ となる。これは、平面 $\alpha$ 上において点 $P$ が線分 $P_1 P_2$ の垂直二等分線上にあることを示している。この垂直二等分線は平面 $\alpha$ 上の1つの直線である。

(ii)

$r_1 \neq r_2$ のとき

$P_1 P : P_2 P = \sqrt{r_1} : \sqrt{r_2} \neq 1 : 1$ となる。これは、平面 $\alpha$ 上において点 $P$ が線分 $P_1 P_2$ を $\sqrt{r_1} : \sqrt{r_2}$ に内分する点と外分する点を直径の両端とする円(アポロニウスの円)の上にあることを示している。この図形は平面 $\alpha$ 上の1つの円である。

以上 (i), (ii) のいずれの場合においても、条件を満たす球の接点 $P$ は1つの直線の上または1つの円の上にあることが示された。

解説

空間図形における2球の接点間距離を求める (1) は、頻出の典型問題である。「中心間の距離」「半径の差」「接点間の距離」を用いて直角三角形を作る考え方は、平面図形において2円の共通外接線の長さを求める問題と本質的に同じである。

(2) は (1) の結果を一般化して関係式を導く問題である。新しい球の半径 $r$ が媒介変数として働き、それを消去することで平面 $\alpha$ 上での距離の比に関する軌跡の問題に帰着できる。軌跡が「円または直線」となるのは、定点からの距離の比が一定となる点の軌跡において、比が $1:1$ の場合のみ直線(垂直二等分線)に退化するためである。問題文の「1つの円の上または1つの直線の上にある」という表現は、この $r_1$ と $r_2$ の一致・不一致による場合分けを暗示している。

答え

(1) $2\sqrt{r_1 r_2}$

(2) 球 $S$ の半径を $r$、平面 $\alpha$ との接点を $P$ とおくと、(1) より $P_1 P = 2\sqrt{r_1 r}$ かつ $P_2 P = 2\sqrt{r_2 r}$ が成り立つ。 これらより $r$ を消去すると $P_1 P : P_2 P = \sqrt{r_1} : \sqrt{r_2}$ となる。 $r_1 = r_2$ のときは $P_1 P = P_2 P$ となるため点 $P$ は線分 $P_1 P_2$ の垂直二等分線(1つの直線)上にあり、$r_1 \neq r_2$ のときは線分 $P_1 P_2$ を $\sqrt{r_1} : \sqrt{r_2}$ に内分および外分する点を直径の両端とするアポロニウスの円(1つの円)上にあるため、題意は示された。

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。