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東京大学 1962年 理系 第5問 解説

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東京大学 1962年 理系 第5問 解説

方針・初手

与えられた条件「直方体の3辺の和が6」「全表面積が18」を $x, y, z$ の関係式として立式する。$x, y, z$ は直方体の辺の長さであるため、すべて正の実数であることに注意する。

(i) は、$y+z$ と $yz$ をそれぞれ $x$ の式で表し、$y, z$ が正の実数として存在するための条件を、2次方程式の解の配置問題(実数解条件および正解条件)に帰着させる。

(ii) は、体積 $V=xyz$ を $x$ の1変数関数として表し、(i) で求めた定義域において微分法を用いて最大値を調べる。

解法1

(i)

直方体の3辺の長さが $x, y, z$ であるから、これらは正の実数である。

$$ x > 0, \ y > 0, \ z > 0 $$

与えられた条件より、辺の長さの和について

$$ x + y + z = 6 $$

全表面積について

$$ 2(xy + yz + zx) = 18 $$

すなわち

$$ xy + yz + zx = 9 $$

が成り立つ。

上の2式を変形し、$y+z$ と $yz$ を $x$ の式で表す。

$$ y + z = 6 - x $$

$$ yz = 9 - x(y+z) = 9 - x(6-x) = x^2 - 6x + 9 = (x-3)^2 $$

ここで、$y$ と $z$ は、$t$ についての2次方程式

$$ t^2 - (y+z)t + yz = 0 $$

すなわち

$$ t^2 - (6-x)t + (x-3)^2 = 0 $$

の2つの解である。

$y, z$ が正の実数として存在するためには、この2次方程式が正の実数解(重解を含む)をもたなければならない。 関数 $g(t) = t^2 - (6-x)t + (x-3)^2$ とおくと、条件は以下の3つを同時に満たすことである。

  1. 判別式 $D \geqq 0$
  2. 軸の位置 $t = \frac{6-x}{2} > 0$
  3. $g(0) > 0$

判別式 $D$ について

$$ \begin{aligned} D &= (6-x)^2 - 4(x-3)^2 \\ &= x^2 - 12x + 36 - 4(x^2 - 6x + 9) \\ &= -3x^2 + 12x \end{aligned} $$

$D \geqq 0$ より

$$ -3x^2 + 12x \geqq 0 $$

$$ -3x(x - 4) \geqq 0 $$

$$ 0 \leqq x \leqq 4 $$

軸の条件について

$$ \frac{6-x}{2} > 0 \iff x < 6 $$

$g(0) > 0$ の条件について

$$ g(0) = (x-3)^2 > 0 \iff x \neq 3 $$

($x=3$ のとき、$yz=0$ となり直方体の辺の長さの1つが $0$ になってしまうため不適となる)

これらと、大前提である $x > 0$ の共通範囲をとって

$$ 0 < x < 3, \quad 3 < x \leqq 4 $$

(ii)

直方体の体積を $V$ とすると、$V = xyz$ である。 (i) の結果を用いて、$V$ を $x$ の関数として表すと

$$ \begin{aligned} V &= x(x-3)^2 \\ &= x^3 - 6x^2 + 9x \end{aligned} $$

これを $f(x)$ とおき、(i) で求めた範囲 $0 < x < 3, \ 3 < x \leqq 4$ における最大値を求める。

$$ \begin{aligned} f'(x) &= 3x^2 - 12x + 9 \\ &= 3(x^2 - 4x + 3) \\ &= 3(x-1)(x-3) \end{aligned} $$

$f'(x) = 0$ となるのは $x=1, 3$ のときである。 増減表は以下のようになる。

$x$ $(0)$ $\cdots$ $1$ $\cdots$ $(3)$ $\cdots$ $4$
$f'(x)$ $+$ $0$ $-$ $+$
$f(x)$ $(0)$ $\nearrow$ $4$ $\searrow$ $(0)$ $\nearrow$ $4$

増減表より、$f(x)$ は $x=1$ および $x=4$ のとき最大値 $4$ をとる。

念のため、これらの $x$ の値に対する $y, z$ の存在を確認する。 $x=1$ のとき、$y+z=5, yz=4$ より $(y, z) = (1, 4), (4, 1)$ となり、3辺の長さは $1, 1, 4$ である。 $x=4$ のとき、$y+z=2, yz=1$ より $(y, z) = (1, 1)$ となり、3辺の長さは $4, 1, 1$ である。 いずれの場合も条件を満たす直方体が存在する。

したがって、体積の最大値は $4$ である。

解説

対称式を用いて変数を減らす典型的な問題である。

(i) では「実数の存在条件」を2次方程式の判別式に帰着させる手法を用いる。この際、「直方体の辺の長さである」という条件から、単なる「実数」ではなく「正の実数」でなければならないことに注意が必要である。特に、$y=0$ や $z=0$ となる $x=3$ を除外する論証が、解答の正確性を分けるポイントとなる。

(ii) では、(i) で求めた定義域に注意して3次関数の増減を調べる。定義域に穴($x \neq 3$)があるため、最大値を考える上での端点や極値の扱いに留意して増減表を作成する。

答え

(i)

$$ 0 < x < 3, \quad 3 < x \leqq 4 $$

(ii)

$$ 4 $$

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