数学1 二次不等式 問題 16 解説

方針・初手
与えられた不等式がすべての実数で成り立つための条件を考える。問題文に「2次不等式」と明記されているため、$x^2$ の係数は $0$ ではない。
2次関数 $y = ax^2 + bx + c$ のグラフを用いて図形的に解釈する。2次不等式 $ax^2 + bx + c < 0$ がすべての実数 $x$ で成り立つためには、グラフが常に $x$ 軸より下側にある必要がある。これは、放物線が上に凸であり、かつ $x$ 軸と共有点をもたないことと同値である。したがって、$x^2$ の係数 $a < 0$ と、判別式 $D < 0$ を同時に満たす条件を求める。
解法1
与えられた不等式は「2次不等式」であるから、$x^2$ の係数について $m+1 \neq 0$、すなわち $m \neq -1$ である。
2次不等式 $(m+1)x^2 + (m+1)x + m + 2 < 0$ がすべての実数 $x$ で成り立つための条件は、$y = (m+1)x^2 + (m+1)x + m + 2$ のグラフが常に $x$ 軸より下側にあることである。
ゆえに、$x^2$ の係数と、2次方程式 $(m+1)x^2 + (m+1)x + m + 2 = 0$ の判別式 $D$ について、次の2つの条件が同時に成り立つことである。
(i) $m + 1 < 0$
(ii) $D < 0$
(i) について、これを解くと
$$ m < -1 $$
となる。
(ii) について、判別式 $D$ を計算すると
$$ \begin{aligned} D &= (m+1)^2 - 4(m+1)(m+2) \\ &= (m+1) \{ (m+1) - 4(m+2) \} \\ &= (m+1) (m + 1 - 4m - 8) \\ &= (m+1) (-3m - 7) \\ &= -(m+1)(3m+7) \end{aligned} $$
となる。$D < 0$ であるから
$$ -(m+1)(3m+7) < 0 $$
両辺に $-1$ を掛けて不等号の向きを反転させると
$$ (m+1)(3m+7) > 0 $$
これを解くと
$$ m < -\frac{7}{3}, \quad -1 < m $$
となる。
(i) と (ii) の共通範囲を求めると
$$ m < -\frac{7}{3} $$
となる。
解説
「すべての実数 $x$ について成り立つ不等式(絶対不等式)」の典型的な問題である。2次不等式 $ax^2 + bx + c < 0$ が常に成り立つ条件は、$a < 0$ かつ $D < 0$ である。
問題文の冒頭に「2次不等式」とあるため、$m+1 \neq 0$ が前提となる。もし単に「不等式」と書かれていた場合は、$m+1 = 0$ すなわち $m = -1$ の場合(1次以下の不等式になる場合)を別途調べる必要がある。本問では $m+1 < 0$ の条件が含まれるため結果的に影響は出ないが、式の次数が下がる可能性を常に意識しておくことが重要である。
また、判別式 $D$ の計算において、式を展開せずに共通因数である $(m+1)$ でくくることで、計算量を減らし計算ミスを防ぐことができる。
答え
$$ m < -\frac{7}{3} $$
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