数学1 二次方程式の解の存在範囲 問題 5 解説

方針・初手
2次方程式の解の配置(解の存在範囲)に関する典型問題である。2次関数 $f(x) = x^2 - 2(a-4)x + 2a$ のグラフを用いて、「判別式の符号」「軸の位置」「端点での関数の符号」の3条件を立式して解く方針が定石である。あるいは、解と係数の関係を用いて式を立てることもできる。最後に「$a$ は自然数」という条件を使って値を1つに特定する。
解法1
$f(x) = x^2 - 2(a-4)x + 2a$ とおく。 2次方程式 $f(x) = 0$ が異なる2つの2より大きい実数解をもつための条件は、$y=f(x)$ のグラフが $x$ 軸の $x>2$ の部分と異なる2点で交わることである。
これを満たすための条件は、以下の3つが同時に成り立つことである。 (i) 判別式を $D$ としたとき、$D > 0$ (ii) 放物線の軸が $x > 2$ の範囲にある (iii) $f(2) > 0$
(i) について $$ \frac{D}{4} = \{-(a-4)\}^2 - 1 \cdot 2a = a^2 - 8a + 16 - 2a = a^2 - 10a + 16 > 0 $$
これを解くと、 $$ (a-2)(a-8) > 0 $$
$$ a < 2, \quad 8 < a \quad \cdots \text{①} $$
(ii) について $f(x)$ を平方完成すると、 $$ f(x) = \{x - (a-4)\}^2 - (a-4)^2 + 2a $$
放物線の軸は $x = a-4$ であるから、 $$ a-4 > 2 $$
$$ a > 6 \quad \cdots \text{②} $$
(iii) について $$ f(2) = 2^2 - 2(a-4)\cdot 2 + 2a = 4 - 4a + 16 + 2a = -2a + 20 > 0 $$
これを解くと、 $$ 2a < 20 $$
$$ a < 10 \quad \cdots \text{③} $$
①、②、③ の共通範囲を求める。 ② と ③ より $6 < a < 10$。 これと ① との共通範囲をとって、 $$ 8 < a < 10 $$
ここで、$a$ は自然数であるから、この範囲にある自然数 $a$ は $9$ のみである。 したがって、$a = 9$ となる。
解法2
与えられた2次方程式の異なる2つの実数解を $\alpha, \beta$ とおく。 条件を満たすのは、以下の3つが同時に成り立つときである。 (i) 判別式 $D > 0$ (ii) $(\alpha - 2) + (\beta - 2) > 0$ (iii) $(\alpha - 2)(\beta - 2) > 0$
(i) について 解法1と同様にして、 $$ a < 2, \quad 8 < a \quad \cdots \text{①} $$
(ii), (iii) について 解と係数の関係より、 $$ \begin{aligned} \alpha + \beta &= 2(a-4) \\ \alpha\beta &= 2a \end{aligned} $$
(ii) より $$ \alpha + \beta - 4 > 0 $$
$$ 2(a-4) - 4 > 0 $$
$$ 2a - 12 > 0 $$
$$ a > 6 \quad \cdots \text{②} $$
(iii) より $$ \alpha\beta - 2(\alpha + \beta) + 4 > 0 $$
$$ 2a - 2 \cdot 2(a-4) + 4 > 0 $$
$$ 2a - 4a + 16 + 4 > 0 $$
$$ -2a + 20 > 0 $$
$$ a < 10 \quad \cdots \text{③} $$
①、②、③ の共通範囲は、 $$ 8 < a < 10 $$
$a$ は自然数であるから、 $$ a = 9 $$
解説
解の配置問題の基本となる標準的な問題である。2次関数のグラフを利用して「判別式」「軸」「端点」の3条件を考える手法と、解と係数の関係を利用して解の大小を和と積の符号に帰着させる手法のどちらも重要である。
不等式を解いて得られる $8 < a < 10$ をそのまま答えにしてしまうミスに注意したい。問題文の冒頭にある「$a$ は自然数とする」という条件を最後まで忘れないことが求められる。
答え
- $a=9$
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