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数学1 背理法 問題 11 解説

数学1 背理法 問題 11 解説

方針・初手

(1) 無理数であることの証明は、有理数であると仮定して矛盾を導く背理法を用いるのが定石である。平方根や立方根を有理数、すなわち互いに素な整数の比で表せると仮定し、素因数の性質から矛盾を導く。

(2) $p, q, \sqrt{2}p + \sqrt[3]{3}q$ がすべて有理数であることを利用する。有理数 $r$ を用いて $\sqrt{2}p + \sqrt[3]{3}q = r$ とおき、(1) の結果($\sqrt{2}$ や $\sqrt[3]{3}$ が無理数であること)を利用するために式を変形する。$\sqrt[3]{3}$ を含む項を分離して両辺を3乗することで、$\sqrt{2}$ を含む項と有理数の項に整理できる。

解法1

(1) $\sqrt{2}$ が有理数であると仮定する。 $\sqrt{2} > 0$ であるから、互いに素な自然数 $a, b$ を用いて次のように表せる。

$$ \sqrt{2} = \frac{a}{b} $$

両辺を2乗して分母を払うと、以下の式を得る。

$$ 2b^2 = a^2 $$

左辺は偶数であるから $a^2$ も偶数であり、したがって $a$ も偶数である。 自然数 $k$ を用いて $a = 2k$ とおき、上の式に代入する。

$$ 2b^2 = (2k)^2 = 4k^2 $$

両辺を2で割ると、以下のようになる。

$$ b^2 = 2k^2 $$

右辺は偶数であるから $b^2$ も偶数であり、したがって $b$ も偶数である。 このとき、$a$ と $b$ がともに偶数となり、2を公約数にもつため、「$a, b$ が互いに素である」という仮定に矛盾する。 したがって、$\sqrt{2}$ は無理数である。

同様に、$\sqrt[3]{3}$ が有理数であると仮定する。 $\sqrt[3]{3} > 0$ であるから、互いに素な自然数 $c, d$ を用いて次のように表せる。

$$ \sqrt[3]{3} = \frac{c}{d} $$

両辺を3乗して分母を払うと、以下の式を得る。

$$ 3d^3 = c^3 $$

左辺は3の倍数であるから $c^3$ も3の倍数である。素数3の性質により、$c$ も3の倍数である。 自然数 $l$ を用いて $c = 3l$ とおき、上の式に代入する。

$$ 3d^3 = (3l)^3 = 27l^3 $$

両辺を3で割ると、以下のようになる。

$$ d^3 = 9l^3 = 3(3l^3) $$

右辺は3の倍数であるから $d^3$ も3の倍数であり、したがって $d$ も3の倍数である。 このとき、$c$ と $d$ がともに3の倍数となり、3を公約数にもつため、「$c, d$ が互いに素である」という仮定に矛盾する。 したがって、$\sqrt[3]{3}$ は無理数である。

(2) $\sqrt{2}p + \sqrt[3]{3}q$ は有理数であるから、これを $r$ とおく。

$$ \sqrt{2}p + \sqrt[3]{3}q = r $$

式を変形すると、以下のようになる。

$$ \sqrt[3]{3}q = r - \sqrt{2}p $$

両辺を3乗する。

$$ 3q^3 = (r - \sqrt{2}p)^3 $$

右辺を展開する。

$$ \begin{aligned} 3q^3 &= r^3 - 3r^2(\sqrt{2}p) + 3r(\sqrt{2}p)^2 - (\sqrt{2}p)^3 \\ &= r^3 - 3\sqrt{2}pr^2 + 6p^2r - 2\sqrt{2}p^3 \end{aligned} $$

$\sqrt{2}$ について整理する。

$$ \sqrt{2}p(3r^2 + 2p^2) = r^3 + 6p^2r - 3q^3 $$

ここで、$p(3r^2 + 2p^2) \neq 0$ と仮定する。 このとき、両辺を $p(3r^2 + 2p^2)$ で割ることができる。

$$ \sqrt{2} = \frac{r^3 + 6p^2r - 3q^3}{p(3r^2 + 2p^2)} $$

仮定より $p, q$ は有理数であり、$r$ も有理数であるため、右辺は有理数となる。 しかし、(1) より $\sqrt{2}$ は無理数であるため、これは矛盾する。 したがって、$p(3r^2 + 2p^2) = 0$ でなければならない。

$p, r$ は実数であるから、もし $p \neq 0$ であれば $p^2 > 0, r^2 \ge 0$ より $3r^2 + 2p^2 > 0$ となり、$p(3r^2 + 2p^2) \neq 0$ となる。 ゆえに、$p(3r^2 + 2p^2) = 0$ が成り立つのは $p = 0$ のときに限られる。

$p = 0$ を $\sqrt{2}p + \sqrt[3]{3}q = r$ に代入する。

$$ \sqrt[3]{3}q = r $$

ここで、$q \neq 0$ と仮定すると、以下のように変形できる。

$$ \sqrt[3]{3} = \frac{r}{q} $$

$q, r$ は有理数であるため、右辺は有理数となる。 しかし、(1) より $\sqrt[3]{3}$ は無理数であるため、これも矛盾する。 したがって、$q = 0$ でなければならない。

以上より、$p = q = 0$ であることが示された。

解説

(1)の無理数の証明は、教科書レベルの基本事項である。背理法を用い、既約分数(互いに素な整数の比)で表されると仮定して矛盾を導く手順を確実に行えるようにしておくこと。 (2)は(1)の誘導に乗る問題である。有理数 $r$ を用いて式を立てるが、そのまま両辺を2乗したり3乗したりすると無理数が残って扱いづらくなる。$\sqrt{2}$ か $\sqrt[3]{3}$ のどちらかを孤立させるのがポイントである。本解法では $\sqrt[3]{3}q = r - \sqrt{2}p$ としてから3乗することで、$\sqrt[3]{3}$ を消去し、(1)で示した $\sqrt{2}$ が無理数であることを活用できる形に持ち込んでいる。さらに、$\sqrt{2} = (\text{有理数})$ の形を作るときに「分母が $0$ にならないか」を確認する($p \neq 0$ ならば分母が正となることを示す)論理展開も重要である。

答え

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