東北大学 1992年 文系 第4問 解説

方針・初手
与えられているのは
$$ P(n)\Rightarrow Q(n+1),\qquad Q(n)\Rightarrow P(n+1) $$
である。
したがって,これを2回続けて用いれば
$$ P(n)\Rightarrow P(n+2),\qquad Q(n)\Rightarrow Q(n+2) $$
も成り立つ。 つまり,$P$ も $Q$ も,いったん正しいものが見つかると,添字を2ずつ増やしながら正しさが伝わっていく。
解法1
(1) $P(1)$ が正しいとする。
すると
$$ P(1)\Rightarrow Q(2)\Rightarrow P(3)\Rightarrow Q(4)\Rightarrow P(5)\Rightarrow \cdots $$
と順に分かる。よって
$$ Q(2),Q(4),Q(6),Q(8),Q(10) $$
はすべて正しく,また
$$ P(1),P(3),P(5),P(7),P(9) $$
も正しい。
したがって,$Q(10)$ は正しいといえる。
一方,$P(10)$ については,上の連鎖からは導けない。導けるのは奇数番号の $P$ だけであり,偶数番号の $P$ はこの仮定だけでは分からない。
実際,次のように定めれば条件をすべて満たす。
$$ P(n)\text{ が正しい } \Longleftrightarrow n\text{ は奇数}, $$
$$ Q(n)\text{ が正しい } \Longleftrightarrow n\text{ は偶数}. $$
このとき,$P(n)$ が正しければ $n$ は奇数なので $n+1$ は偶数であり,$Q(n+1)$ は正しい。 また,$Q(n)$ が正しければ $n$ は偶数なので $n+1$ は奇数であり,$P(n+1)$ は正しい。
しかも $P(1)$ は正しいが,$P(10)$ は正しくない。 よって,$P(10)$ は正しいとはいえない。
(2) さらに $Q(9)$ も正しいとする。
すると
$$ Q(9)\Rightarrow P(10)\Rightarrow Q(11)\Rightarrow P(12)\Rightarrow \cdots $$
となるので,
$$ P(10),P(12),P(14),\ldots $$
が正しい。
一方,$P(1)$ からはすでに
$$ P(1),P(3),P(5),P(7),P(9),P(11),P(13),\ldots $$
が正しい。
以上を合わせると,$P(n)$ が正しいといえるのは
$$ n=1,3,5,7 \quad \text{または} \quad n\geqq 9 $$
である。
すなわち,$P(n)$ は $2,4,6,8$ を除くすべての自然数 $n$ に対して正しいといえる。
なお,$2,4,6,8$ については正しいと断定できない。実際,
$$ P(n)\text{ が正しい } \Longleftrightarrow \bigl(n\text{ は奇数}\bigr)\ \text{または}\ n\geqq 10, $$
$$ Q(n)\text{ が正しい } \Longleftrightarrow \bigl(n\text{ は偶数}\bigr)\ \text{または}\ n\geqq 9 $$
と定めると,条件と $P(1),Q(9)$ はすべて満たされるが,$P(2),P(4),P(6),P(8)$ は正しくない。 したがって,これらは一般にはいえない。
解説
この問題の要点は,$P$ と $Q$ が1回ずつ交互につながっているため,結局は「添字の偶奇ごとに正しさが伝播する」と見ることである。
$P(1)$ だけからは奇数番号の $P$ と偶数番号の $Q$ しか確定しない。 そこへ $Q(9)$ を追加すると,今度は $P(10)$ が出て,そこから先の偶数番号の $P$ もすべて確定する。したがって,$P$ は $9$ 以降すべて正しいことになる。
「いえない」ことを示すには,条件を満たす具体例を作るのが確実である。
答え
$$ Q(10)\text{ は正しい。} $$
$$ P(10)\text{ は正しいとはいえない。} $$
また,$P(1)$ と $Q(9)$ の両方が正しいとき,$P(n)$ が正しいといえるのは
$$ n=1,3,5,7 \quad \text{または} \quad n\geqq 9 $$
である。 すなわち,$2,4,6,8$ を除くすべての自然数 $n$ に対して $P(n)$ は正しい。
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