数学2 微分の基本 問題 8 解説

方針・初手
関数 $f(x)$ の $x=a$ における微分係数 $f'(a)$ の定義式を用いる。「定義に従って」という指示があるため、導関数の公式 $(x^n)' = nx^{n-1}$ をいきなり用いることはできない。極限の計算過程を丁寧に記述する必要がある。
微分係数の定義式には以下の2通りがあり、どちらを用いてもよい。
- $f'(a) = \lim_{h \to 0} \frac{f(a+h) - f(a)}{h}$
- $f'(a) = \lim_{x \to a} \frac{f(x) - f(a)}{x - a}$
解法1
微分係数の定義式
$$f'(a) = \lim_{h \to 0} \frac{f(a+h) - f(a)}{h}$$
を用いる。
$f(x) = x^4$ であるから、
$$\begin{aligned} f'(a) &= \lim_{h \to 0} \frac{(a+h)^4 - a^4}{h} \\ &= \lim_{h \to 0} \frac{(a^4 + 4a^3h + 6a^2h^2 + 4ah^3 + h^4) - a^4}{h} \\ &= \lim_{h \to 0} \frac{4a^3h + 6a^2h^2 + 4ah^3 + h^4}{h} \end{aligned}$$
ここで、$h \neq 0$ であるから、分子分母を $h$ で約分して整理すると、
$$\begin{aligned} f'(a) &= \lim_{h \to 0} (4a^3 + 6a^2h + 4ah^2 + h^3) \end{aligned}$$
$h \to 0$ の極限をとると、
$$f'(a) = 4a^3 + 0 + 0 + 0 = 4a^3$$
となる。
解法2
微分係数の定義式
$$f'(a) = \lim_{x \to a} \frac{f(x) - f(a)}{x - a}$$
を用いる。
$f(x) = x^4$ であるから、
$$f'(a) = \lim_{x \to a} \frac{x^4 - a^4}{x - a}$$
分子を因数分解すると $x^4 - a^4 = (x-a)(x^3 + x^2a + xa^2 + a^3)$ となるため、式に代入する。
$$f'(a) = \lim_{x \to a} \frac{(x-a)(x^3 + x^2a + xa^2 + a^3)}{x - a}$$
ここで、$x \to a$ において $x \neq a$ であるから、$x-a \neq 0$ となり、分子分母を $x-a$ で約分できる。
$$f'(a) = \lim_{x \to a} (x^3 + x^2a + xa^2 + a^3)$$
$x \to a$ の極限をとると、
$$f'(a) = a^3 + a^2 \cdot a + a \cdot a^2 + a^3 = 4a^3$$
となる。
解説
微分係数の定義を正確に理解し、それに基づいて極限の計算ができるかを問う基本問題である。「定義に従って」と指定されている場合、計算過程として微分の公式を使うことは許されず、極限による導出プロセスを記述することが必須となる。
解法1では $(a+h)^4$ の展開が必要になるが、二項定理を用いれば容易である。解法2では $x^n - a^n$ の因数分解公式を理解していれば、計算量も少なく簡潔に記述できる。どちらの方針でも、最終的に不定形である $\frac{0}{0}$ の形を解消するために $h$ または $x-a$ で約分する操作がポイントとなる。
答え
$4a^3$
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