数学2 最大最小・解の個数 問題 24 解説

方針・初手
方程式に含まれる三角関数を統一するため、$\cos^2 x = 1 - \sin^2 x$ を用いて $\sin x$ のみの方程式に変形する。
さらに、$\sin x = t$ とおき、$t$ についての代数方程式に帰着させる。このとき、$0 \leqq x < 2\pi$ という条件から $t$ のとり得る値の範囲は $-1 \leqq t \leqq 1$ に制限されることに注意する。
また、求めるのは $t$ の個数ではなく $x$ の個数である。$\sin x = t$ において、$t$ の値1つに対して対応する $x$ の個数は以下のようになる。
- $t = \pm 1$ のとき、対応する $x$ は1個
- $-1 < t < 1$ のとき、対応する $x$ は2個
- $t < -1$ または $1 < t$ のとき、対応する $x$ は0個
これを踏まえて、定数分離法または2次方程式の解の配置を利用して調べる。
解法1
$\cos^2 x = 1 - \sin^2 x$ より、与えられた方程式は次のように変形できる。
$$(1 - \sin^2 x) + 2a \sin x - a - 1 = 0$$
$$\sin^2 x - 2a \sin x + a = 0$$
ここで、$\sin x = t$ とおくと、$0 \leqq x < 2\pi$ より $-1 \leqq t \leqq 1$ である。与式は $t$ の方程式として次のように表される。
$$t^2 - 2at + a = 0$$
これを $a$ について整理して定数分離を行う。
$$t^2 = a(2t - 1)$$
$t = \frac{1}{2}$ とすると $\frac{1}{4} = 0$ となり成り立たないため、$t \neq \frac{1}{2}$ である。両辺を $2t - 1$ で割ると以下のようになる。
$$a = \frac{t^2}{2t - 1}$$
ここで、関数 $f(t) = \frac{t^2}{2t - 1}$ $\left(-1 \leqq t \leqq 1, \ t \neq \frac{1}{2}\right)$ とおき、$y = f(t)$ のグラフと直線 $y = a$ の共有点を調べる。$f(t)$ を微分すると以下のようになる。
$$f'(t) = \frac{2t(2t - 1) - t^2 \cdot 2}{(2t - 1)^2} = \frac{2t^2 - 2t}{(2t - 1)^2} = \frac{2t(t - 1)}{(2t - 1)^2}$$
$f'(t) = 0$ となるのは $t = 0, 1$ のときである。定義域における $f(t)$ の増減は以下のようになる。
- $-1 \leqq t \leqq 0$ において $f'(t) \geqq 0$ であり、$f(t)$ は増加する。端点および極大値は $f(-1) = -\frac{1}{3}, \ f(0) = 0$ である。
- $0 \leqq t < \frac{1}{2}$ において $f'(t) \leqq 0$ であり、$f(t)$ は減少する。$t \to \frac{1}{2} - 0$ のとき $f(t) \to -\infty$ である。
- $\frac{1}{2} < t \leqq 1$ において $f'(t) \leqq 0$ であり、$f(t)$ は減少する。$t \to \frac{1}{2} + 0$ のとき $f(t) \to \infty$ であり、端点は $f(1) = 1$ である。
これらより、直線 $y = a$ と $y = f(t)$ の共有点をもつ $t$ の範囲および個数を調べ、対応する $x$ の個数を求める。
(i) $a > 1$ のとき $\frac{1}{2} < t < 1$ の範囲に共有点を1つもつ。対応する $x$ は2個である。
(ii) $a = 1$ のとき $t = 1$ で共有点を1つもつ。対応する $x$ は1個である。
(iii) $0 < a < 1$ のとき 共有点をもたない。対応する $x$ は0個である。
(iv) $a = 0$ のとき $t = 0$ で共有点を1つもつ。対応する $x$ は2個である。
(v) $-\frac{1}{3} < a < 0$ のとき $-1 < t < 0$ の範囲と $0 < t < \frac{1}{2}$ の範囲にそれぞれ1つずつ、計2つの共有点をもつ。対応する $x$ は $2 + 2 = 4$個である。
(vi) $a = -\frac{1}{3}$ のとき $t = -1$ と $0 < t < \frac{1}{2}$ の範囲にそれぞれ1つずつ、計2つの共有点をもつ。対応する $x$ は $1 + 2 = 3$個である。
(vii) $a < -\frac{1}{3}$ のとき $0 < t < \frac{1}{2}$ の範囲に共有点を1つもつ。対応する $x$ は2個である。
解法2
$\sin x = t$ とおいた方程式を $g(t) = t^2 - 2at + a = 0$ とする。$0 \leqq x < 2\pi$ より $-1 \leqq t \leqq 1$ である。 $g(t) = 0$ がこの範囲にもつ解の条件を、2次関数の解の配置によって調べる。
$g(t) = (t - a)^2 - a^2 + a$ であり、$y = g(t)$ のグラフは下に凸で、軸は直線 $t = a$ である。 また、端点の値は $g(1) = 1 - a, \ g(-1) = 3a + 1$ である。 判別式を $D$ とすると、$\frac{D}{4} = a^2 - a = a(a - 1)$ である。
方程式を満たす $x$ の個数ごとに場合分けを行う。
(i) $x$ が4個となる条件 $g(t) = 0$ が $-1 < t < 1$ の範囲に異なる2つの実数解をもつ場合である。
$$\begin{cases} D > 0 \\ -1 < a < 1 \\ g(-1) > 0 \\ g(1) > 0 \end{cases}$$
これを解くと、$a(a - 1) > 0$ より $a < 0, 1 < a$。軸の条件と合わせて $-1 < a < 0$。 さらに $3a + 1 > 0$ より $a > -\frac{1}{3}$、$1 - a > 0$ より $a < 1$。 共通範囲を求めて、$-\frac{1}{3} < a < 0$ である。
(ii) $x$ が3個となる条件 $g(t) = 0$ の1つの解が $t = -1$ または $t = 1$ であり、もう1つの解が $-1 < t < 1$ にある場合である。 $t = 1$ を解にもつとき、$g(1) = 1 - a = 0$ より $a = 1$。このとき $g(t) = (t - 1)^2 = 0$ となり $t=1$ の重解になるため不適。 $t = -1$ を解にもつとき、$g(-1) = 3a + 1 = 0$ より $a = -\frac{1}{3}$。このとき $g(t) = t^2 + \frac{2}{3}t - \frac{1}{3} = 0$ より $t = -1, \frac{1}{3}$。もう一つの解 $t = \frac{1}{3}$ は $-1 < t < 1$ を満たすため適する。よって $a = -\frac{1}{3}$。
(iii) $x$ が2個となる条件 $g(t) = 0$ が $-1 < t < 1$ にただ1つの解をもち、もう1つの解が区間外にあるか、または $-1 < t < 1$ に重解をもつ場合である。 区間内にただ1つの解をもつ条件は $g(-1)g(1) < 0$ である。
$$(3a + 1)(1 - a) < 0$$
これを解いて、$a < -\frac{1}{3}, \ 1 < a$。 また、重解をもつ条件は $D = 0$ より $a = 0, 1$。 $a = 0$ のとき重解 $t = 0$ となり適する。$a = 1$ のとき重解 $t = 1$ となり区間内の解をもたないため不適。 これらを合わせて、$a < -\frac{1}{3}, \ a = 0, \ a > 1$。
(iv) $x$ が1個となる条件 $t = 1$ を重解にもつ場合であり、(ii) の考察から $a = 1$ のときである。
(v) $x$ が0個となる条件 上記以外の範囲であり、$0 < a < 1$ のときである。
解説
三角方程式の解の個数を問う典型問題である。文字定数 $a$ が1次式で含まれているため、解法1のように定数分離を行うと、視覚的にも非常に分かりやすく、場合分けの漏れを防ぐことができる。分数関数のグラフを描く手間はあるが、論理的な見通しは良い。
解法2のように2次方程式の解の配置問題として捉えることも可能だが、「$t$ の個数」と「$x$ の個数」の対応関係に注意しながら、すべての場合を尽くす必要があるため、慎重な議論が求められる。特に端点 $t = \pm 1$ のときの扱いでミスが生じやすいので注意したい。
答え
$0 < a < 1$ のとき 0個
$a = 1$ のとき 1個
$a < -\frac{1}{3}, \ a = 0, \ a > 1$ のとき 2個
$a = -\frac{1}{3}$ のとき 3個
$-\frac{1}{3} < a < 0$ のとき 4個
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