数学2 数2解の個数・三角関数 問題 1 解説

方針・初手
与えられた方程式に含まれる $\cos 3\theta$ と $\cos 2\theta$ を、2倍角・3倍角の公式を用いて $\cos\theta$ だけの式に変形する。その後、$t = \cos\theta$ と置き換えることで、$\theta$ の方程式を $t$ の3次方程式に帰着させる。この際、$0 \leqq \theta < 2\pi$ における $\theta$ と $t$ の個数の対応関係に注意しながら、$y = f(t)$ のグラフと直線 $y = a$ の共有点を考える。
解法1
方程式の左辺について、3倍角の公式 $\cos 3\theta = 4\cos^3 \theta - 3\cos \theta$ と、2倍角の公式 $\cos 2\theta = 2\cos^2 \theta - 1$ を用いて変形する。
$$(4\cos^3 \theta - 3\cos \theta) - (2\cos^2 \theta - 1) + 3\cos \theta - 1 = a$$
これを整理すると、次のようになる。
$$4\cos^3 \theta - 2\cos^2 \theta = a$$
ここで、$t = \cos \theta$ とおく。$0 \leqq \theta < 2\pi$ であるから、$t$ のとりうる値の範囲は $-1 \leqq t \leqq 1$ である。この範囲において、ある $t$ の値に対して対応する $\theta$ の個数は以下のようになる。
- $-1 < t < 1$ のとき、2個
- $t = -1, 1$ のとき、1個
- $t < -1, t > 1$ のとき、0個
与えられた方程式は、$-1 \leqq t \leqq 1$ において
$$4t^3 - 2t^2 = a$$
となる。$f(t) = 4t^3 - 2t^2$ とおき、$y = f(t)$ のグラフと直線 $y = a$ の共有点の個数と、そのときの $t$ の座標について調べる。
関数 $f(t)$ を微分すると
$$f'(t) = 12t^2 - 4t = 4t(3t - 1)$$
$f'(t) = 0$ となるのは、$t = 0, \frac{1}{3}$ のときである。$-1 \leqq t \leqq 1$ における $f(t)$ の増減表は次のようになる。
| $t$ | $-1$ | $\cdots$ | $0$ | $\cdots$ | $\frac{1}{3}$ | $\cdots$ | $1$ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| $f'(t)$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ | ||
| $f(t)$ | $-6$ | $\nearrow$ | $0$ | $\searrow$ | $-\frac{2}{27}$ | $\nearrow$ | $2$ |
増減表から、$y = f(t)$ のグラフは $(-1, -6)$ と $(1, 2)$ を両端とし、$(0, 0)$ で極大、$\left( \frac{1}{3}, -\frac{2}{27} \right)$ で極小となる。
このグラフと直線 $y = a$ との共有点の $t$ 座標に注意して、定数 $a$ の値によって方程式を満たす $\theta$ の個数を分類する。
(i) $a < -6, a > 2$ のとき 共有点は存在しないため、$\theta$ は 0 個。
(ii) $a = -6$ のとき 共有点は $t = -1$ のみである。$t = -1$ に対応する $\theta$ は 1 個であるから、$\theta$ は 1 個。
(iii) $a = 2$ のとき 共有点は $t = 1$ のみである。$t = 1$ に対応する $\theta$ は 1 個であるから、$\theta$ は 1 個。
(iv) $-6 < a < -\frac{2}{27}, 0 < a < 2$ のとき 共有点は $-1 < t < 1$ の範囲に 1 つだけ存在する。この $t$ に対して $\theta$ は 2 個存在するため、$\theta$ は 2 個。
(v) $a = -\frac{2}{27}$ のとき 共有点は $t = \frac{1}{3}$ と、$-1 < t < 0$ の範囲にもう 1 つ存在する。これら 2 つの $t$ はともに $-1 < t < 1$ を満たすため、それぞれに対して $\theta$ が 2 個ずつ存在する。よって、$\theta$ は $2 + 2 = 4$ 個。
(vi) $a = 0$ のとき 共有点は $t = 0$ と、$\frac{1}{3} < t < 1$ の範囲(実際には $f(t) = 0$ より $t = \frac{1}{2}$)にもう 1 つ存在する。これら 2 つの $t$ はともに $-1 < t < 1$ を満たすため、それぞれに対して $\theta$ が 2 個ずつ存在する。よって、$\theta$ は $2 + 2 = 4$ 個。
(vii) $-\frac{2}{27} < a < 0$ のとき 共有点は $-1 < t < 1$ の範囲に 3 つ存在する。これら 3 つの $t$ に対して、それぞれ $\theta$ が 2 個ずつ存在するため、$\theta$ は $2 \times 3 = 6$ 個。
解説
三角関数を含む方程式の解の個数を問う典型的な問題である。角度が異なる三角関数を含む式は、加法定理などを利用して角度を統一し、関数の種類を揃えるのが定石である。今回は3倍角・2倍角の公式を用いて $\cos\theta$ の式に統一している。
また、$t = \cos\theta$ のように置き換えた際、置き換えた文字の定義域を確認するだけでなく、「$t$ の値 1 つに対して、もとの文字 $\theta$ がいくつ対応するか」を正確に把握することが極めて重要である。端点である $t = \pm 1$ のときだけ $\theta$ の個数が変わることに注意して、場合分けを慎重に行う必要がある。
答え
$a < -6, a > 2$ のとき、0個
$a = -6, 2$ のとき、1個
$-6 < a < -\frac{2}{27}, 0 < a < 2$ のとき、2個
$a = -\frac{2}{27}, 0$ のとき、4個
$-\frac{2}{27} < a < 0$ のとき、6個
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