数学2 数2解の個数・三角関数 問題 2 解説

方針・初手
方程式に $\cos x$ と $\sin x$ が混在しているため、まずは三角関数の相互関係を用いて種類を統一します。$\cos^2 x = 1 - \sin^2 x$ を利用して $\sin x$ のみの方程式に書き換えます。
続いて $\sin x = t$ と置き換えることで、$t$ についての2次方程式に帰着させます。このとき、$x$ の定義域 $0 \leqq x < 2\pi$ から $t$ のとり得る値の範囲が定まります。また、$t$ の値1つに対して、$x$ がいくつ対応するか(解の個数の対応関係)に注意を払う必要があります。
処理の方法としては、定数 $a$ を分離してグラフの交点を調べる方法(解法1)と、2次方程式の解の配置問題として処理する方法(解法2)が考えられます。
解法1
与えられた方程式 $\cos^2 x + 2a \sin x - a - 1 = 0$ に $\cos^2 x = 1 - \sin^2 x$ を代入して整理する。
$$(1 - \sin^2 x) + 2a \sin x - a - 1 = 0$$
$$\sin^2 x - 2a \sin x + a = 0$$
ここで、$\sin x = t$ とおく。$0 \leqq x < 2\pi$ であるから、$t$ のとり得る値の範囲は以下の通りである。
$$-1 \leqq t \leqq 1$$
このとき、$t$ の値に対する $x$ の個数は次のようになる。
- $t = \pm 1$ のとき、$x$ は1個
- $-1 < t < 1$ のとき、$x$ は2個
方程式は $t$ を用いて次のように表される。
$$t^2 - 2at + a = 0$$
これを $a$ について整理する。
$$a(2t - 1) = t^2$$
$t = \frac{1}{2}$ のとき、左辺は $0$、右辺は $\frac{1}{4}$ となり等式は成り立たない。よって $t \neq \frac{1}{2}$ としてよく、両辺を $2t - 1$ で割ると以下の式を得る。
$$a = \frac{t^2}{2t - 1}$$
ここで、関数 $f(t) = \frac{t^2}{2t - 1}$ $(-1 \leqq t \leqq 1, t \neq \frac{1}{2})$ を考え、その増減を調べる。
$$\begin{aligned} f'(t) &= \frac{2t(2t - 1) - t^2 \cdot 2}{(2t - 1)^2} \\ &= \frac{2t^2 - 2t}{(2t - 1)^2} \\ &= \frac{2t(t - 1)}{(2t - 1)^2} \end{aligned}$$
$f'(t) = 0$ となるのは $t = 0, 1$ のときである。$f(t)$ の増減表は以下のようになる。
| $t$ | $-1$ | $\cdots$ | $0$ | $\cdots$ | $\frac{1}{2}$ | $\cdots$ | $1$ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| $f'(t)$ | $+$ | $0$ | $-$ | $\times$ | $-$ | $0$ | |
| $f(t)$ | $-\frac{1}{3}$ | $\nearrow$ | $0$ | $\searrow$ | $\times$ | $\searrow$ | $1$ |
また、極限は以下の通りである。
$$\lim_{t \to \frac{1}{2}-0} f(t) = -\infty, \quad \lim_{t \to \frac{1}{2}+0} f(t) = \infty$$
方程式の実数解の個数は、$t \cdot y$ 平面における曲線 $y = f(t)$ と直線 $y = a$ の共有点を調べ、その $t$ 座標から $x$ の個数を足し合わせることで求められる。
(i) $a > 1$ のとき
$y = f(t)$ と $y = a$ は $\frac{1}{2} < t < 1$ の範囲で1つの共有点をもつ。この $t$ に対応する $x$ は2個である。よって、$x$ の個数は2個。
(ii) $a = 1$ のとき
$t = 1$ のみで共有点をもつ。$t = 1$ に対応する $x$ は1個である。よって、$x$ の個数は1個。
(iii) $0 < a < 1$ のとき
$y = f(t)$ と $y = a$ は共有点をもたない。よって、$x$ の個数は0個。
(iv) $a = 0$ のとき
$t = 0$ のみで共有点をもつ。$t = 0$ に対応する $x$ は2個である。よって、$x$ の個数は2個。
(v) $-\frac{1}{3} < a < 0$ のとき
$-1 < t < 0$ と $0 < t < \frac{1}{2}$ の範囲でそれぞれ1つずつ、合計2つの共有点をもつ。それぞれの $t$ に対して $x$ は2個存在するため、$2 + 2 = 4$ 個である。よって、$x$ の個数は4個。
(vi) $a = -\frac{1}{3}$ のとき
$t = -1$ と、$0 < t < \frac{1}{2}$ の範囲の $t$ で1つずつ共有点をもつ。$t = -1$ に対応する $x$ は1個、もう一つの $t$ に対応する $x$ は2個である。よって、$x$ の個数は3個。
(vii) $a < -\frac{1}{3}$ のとき
$0 < t < \frac{1}{2}$ の範囲で1つの共有点をもつ。この $t$ に対応する $x$ は2個である。よって、$x$ の個数は2個。
解法2
与えられた方程式を変形して $\sin^2 x - 2a \sin x + a = 0$ を得る。
$\sin x = t$ とおくと、$-1 \leqq t \leqq 1$ であり、方程式は以下のようになる。
$$t^2 - 2at + a = 0$$
$g(t) = t^2 - 2at + a$ とおく。$-1 \leqq t \leqq 1$ における $t$ の値と $x$ の個数の対応は、$t = \pm 1$ のとき1個、$-1 < t < 1$ のとき2個である。
$g(t) = 0$ が $-1 \leqq t \leqq 1$ の範囲にもつ実数解の条件を $a$ で場合分けして調べる。 放物線 $y = g(t)$ の軸は $t = a$ であり、$g(t) = 0$ の判別式を $D$ とすると $\frac{D}{4} = a^2 - a = a(a - 1)$ である。 また、$g(1) = 1 - a$、$g(-1) = 1 + 3a$ である。
(i) $g(t) = 0$ が $-1 < t < 1$ に異なる2つの実数解をもつ場合
条件は、$\frac{D}{4} > 0$ かつ $-1 < a < 1$ かつ $g(1) > 0$ かつ $g(-1) > 0$ である。 $\frac{D}{4} > 0$ より $a < 0, a > 1$。これと $-1 < a < 1$ の共通範囲から $-1 < a < 0$。 $g(1) > 0$ より $a < 1$、$g(-1) > 0$ より $a > -\frac{1}{3}$。 これらをすべて満たす範囲は $-\frac{1}{3} < a < 0$。 このとき、それぞれの $t$ に対して $x$ は2個存在するので、実数解は $2 + 2 = 4$ 個。
(ii) $g(t) = 0$ が $-1 \leqq t \leqq 1$ に重解をもつ場合
$D = 0$ より $a = 0, 1$ である。 $a = 0$ のとき、重解は $t = 0$ であり、対応する $x$ は2個。 $a = 1$ のとき、重解は $t = 1$ であり、対応する $x$ は1個。
(iii) $t = \pm 1$ を解にもつ場合
$t = 1$ が解のとき、$g(1) = 0$ より $a = 1$。これは (ii) で調べた通り $x$ は1個。 $t = -1$ が解のとき、$g(-1) = 0$ より $a = -\frac{1}{3}$。 このとき方程式は $t^2 + \frac{2}{3}t - \frac{1}{3} = 0$ となり、解くと $t = -1, \frac{1}{3}$ を得る。 $t = -1$ より $x$ は1個、$t = \frac{1}{3}$ より $x$ は2個であるから、合計3個。
(iv) $g(t) = 0$ が $-1 < t < 1$ に1つの解をもち、もう1つの解が $t < -1$ または $t > 1$ にある場合
条件は $g(1)g(-1) < 0$ である。 $(1 - a)(1 + 3a) < 0$ を解いて $a < -\frac{1}{3}$ または $a > 1$。 このとき、$-1 < t < 1$ にある1つの解に対応して $x$ は2個存在する。
(v) 上記以外の場合
$0 < a < 1$ のときは $D < 0$ となり実数解をもたない。よって $x$ は0個。
解説
三角関数の方程式において、解の個数を問われる典型的な問題です。文字を置き換えた際の「値の範囲」と「解の個数の対応」を正確に把握することが最大のポイントとなります。$\sin x = t$ とおいたとき、$t=1, -1$ では $x$ は1個ですが、それ以外の $-1 < t < 1$ では $x$ が2個あるという性質を忘れないようにしましょう。
解法としては、解法1の「定数分離」が視覚的にわかりやすく、場合分けの漏れも防ぎやすいのでおすすめです。解法2の「解の配置」も標準的な手法ですが、端点での解の個数や重解の扱いで数え落としが発生しやすいため、慎重な検討が求められます。
答え
$-\frac{1}{3} < a < 0$ のとき、4個
$a = -\frac{1}{3}$ のとき、3個
$a > 1, a = 0, a < -\frac{1}{3}$ のとき、2個
$a = 1$ のとき、1個
$0 < a < 1$ のとき、0個
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