数学2 相加相乗平均の関係 問題 18 解説

方針・初手
- (1) $k=\frac{x}{y}$ という条件から $x=ky$ とし、これを円の方程式に代入して $y$ についての2次方程式とみる。この方程式が実数解をもつ条件(判別式)から $k$ の範囲を求める。図形的に「直線と円が共有点をもつ条件」と考えてもよい。
- (2) $z$ の式の分母・分子が $x$ と $y$ の2次の同次式であることを利用し、分母・分子を $y^2$ で割って $k$ の式に直す。
- (3) (2)で得られた式を整理し、相加平均と相乗平均の大小関係を利用して最小値を求める。
- (4) $z$ が最小となるときの $k$ の値を $x=ky$ に代入し、$y$ の2次方程式を得る。解と係数の関係を利用して $y$ の和を求め、そこから $x$ の和を計算する。
解法1
(1)
$x^2 + y^2 - 4y + 2 = 0$ $\cdots \text{①}$
$y=0$ のとき、①は $x^2+2=0$ となりこれを満たす実数 $x$ は存在しない。よって $y \neq 0$ である。 $k = \frac{x}{y}$ より $x = ky$ とし、①に代入すると、
$$(ky)^2 + y^2 - 4y + 2 = 0$$
整理して、
$$(k^2+1)y^2 - 4y + 2 = 0 \quad \cdots \text{②}$$
実数 $x, y$ が存在するためには、この $y$ についての2次方程式②が実数解をもてばよい。 ②の判別式を $D$ とすると、$\frac{D}{4} \geqq 0$ であるから、
$$(-2)^2 - (k^2+1) \cdot 2 \geqq 0$$
$$4 - 2k^2 - 2 \geqq 0$$
$$k^2 \leqq 1$$
これを解いて、
$$-1 \leqq k \leqq 1$$
(2)
$y \neq 0$ であるから、$z$ の分母・分子を $y^2$ で割ると、
$$z = \frac{x^2 + 4xy + 9y^2}{xy + 2y^2} = \frac{\left(\frac{x}{y}\right)^2 + 4\left(\frac{x}{y}\right) + 9}{\frac{x}{y} + 2}$$
$k = \frac{x}{y}$ を代入して、
$$z = \frac{k^2 + 4k + 9}{k + 2}$$
(3)
(2)の結果の分子を $k+2$ の式で整理する。
$$z = \frac{(k+2)^2 + 5}{k+2} = k + 2 + \frac{5}{k+2}$$
(1)より $-1 \leqq k \leqq 1$ であるから、$1 \leqq k+2 \leqq 3$ となり、$k+2 > 0$ である。 相加平均と相乗平均の大小関係より、
$$z = (k+2) + \frac{5}{k+2} \geqq 2\sqrt{(k+2) \cdot \frac{5}{k+2}} = 2\sqrt{5}$$
等号が成立するのは、$k+2 = \frac{5}{k+2}$ すなわち $(k+2)^2 = 5$ のときである。 $k+2 > 0$ より $k+2 = \sqrt{5}$、すなわち $k = \sqrt{5}-2$ のとき等号が成立する。 このとき $\sqrt{5} \approx 2.236$ より $k \approx 0.236$ であり、$-1 \leqq k \leqq 1$ の範囲を満たしている。 よって、$z$ の最小値は $2\sqrt{5}$ であり、そのときの $k$ の値は $\sqrt{5}-2$ である。
(4)
(3)より、$z$ が最小となるのは $k = \sqrt{5}-2$ のときである。 このとき $x = ky = (\sqrt{5}-2)y$ であり、これを②に代入した $y$ の方程式から2つの実数解 $y_1, y_2$ が得られる。対応する $x$ の値が $\alpha, \beta$ なので、$\alpha = k y_1$, $\beta = k y_2$ である。 ②の方程式において $k = \sqrt{5}-2$ のとき、$y^2$ の係数は、
$$k^2+1 = (\sqrt{5}-2)^2 + 1 = (9 - 4\sqrt{5}) + 1 = 10 - 4\sqrt{5}$$
よって、②は次のように書ける。
$$(10 - 4\sqrt{5})y^2 - 4y + 2 = 0$$
両辺を2で割って、
$$(5 - 2\sqrt{5})y^2 - 2y + 1 = 0$$
解と係数の関係より、2つの解の和 $y_1 + y_2$ は、
$$y_1 + y_2 = \frac{2}{5 - 2\sqrt{5}} = \frac{2(5 + 2\sqrt{5})}{(5 - 2\sqrt{5})(5 + 2\sqrt{5})} = \frac{2(5 + 2\sqrt{5})}{25 - 20} = \frac{2(5 + 2\sqrt{5})}{5}$$
求める値 $\alpha + \beta$ は、
$$\alpha + \beta = ky_1 + ky_2 = k(y_1 + y_2) = (\sqrt{5}-2) \cdot \frac{2(5 + 2\sqrt{5})}{5}$$
$$= \frac{2}{5} (\sqrt{5}-2)(5 + 2\sqrt{5}) = \frac{2}{5} (5\sqrt{5} + 10 - 10 - 4\sqrt{5}) = \frac{2}{5} \cdot \sqrt{5} = \frac{2\sqrt{5}}{5}$$
解法2
(1)の別解
$x^2 + y^2 - 4y + 2 = 0$ は、平方完成して
$$x^2 + (y-2)^2 = 2$$
となる。これは中心 $(0, 2)$、半径 $\sqrt{2}$ の円である。 $k = \frac{x}{y}$ より $x - ky = 0$ となり、これは原点を通る直線を指定する方程式である。 実数 $x, y$ が存在するということは、この円と直線が共有点をもつことと同義である。 したがって、円の中心 $(0, 2)$ と直線 $x - ky = 0$ の距離 $d$ が円の半径 $\sqrt{2}$ 以下であればよい。 点と直線の距離の公式より、
$$d = \frac{|0 - k \cdot 2|}{\sqrt{1^2 + (-k)^2}} = \frac{2|k|}{\sqrt{1+k^2}} \leqq \sqrt{2}$$
両辺は正であるから、2乗して分母を払うと、
$$\frac{4k^2}{1+k^2} \leqq 2$$
$$4k^2 \leqq 2(1+k^2)$$
$$2k^2 \leqq 2$$
$$k^2 \leqq 1$$
よって、
$$-1 \leqq k \leqq 1$$
解説
- 2変数の条件付き最大・最小問題である。同次式の性質を利用して1文字に帰着させる手法や、図形的な意味を考える手法が定石となる。
- (1) は $k$ を図形的に「直線と円が交わる条件」と捉えて点と直線の距離の公式を用いると、計算量が少なくなるため実践的である。
- (2) のように、分母と分子がすべて同じ次数の項で構成されている式(同次式)は、一方の変数(今回は $y^2$)で割ることで、1変数の分数関数に帰着させることができる。
- (3) は、分数関数の最大・最小問題の典型である。分子の次数を下げたのち、相加平均と相乗平均の大小関係を利用する。等号が成立する $k$ の値が (1) の範囲内にあるかの確認を忘れないようにすること。
- (4) は、$y$ を直接求めようとすると解の公式による計算が非常に煩雑になり、計算ミスのリスクが高まる。解と係数の関係を利用して「解の和」の形をそのまま処理する工夫が重要である。
答え
(1) $-1 \leqq k \leqq 1$
(2) $z = \frac{k^2 + 4k + 9}{k + 2}$
(3) 最小値 $2\sqrt{5}$、そのときの $k = \sqrt{5}-2$
(4) $\alpha + \beta = \frac{2\sqrt{5}}{5}$
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