数学2 二項定理 問題 13 解説

方針・初手
$x^{12}$ の係数については、二項定理を用いて一般項を立式し、次数が $12$ となる条件を求める。 最小値については、括弧内の式が互いに逆数に近い形($x^2$ と $\frac{1}{x^2}$)を含んでいることに着目し、相加平均と相乗平均の大小関係の利用を考える。
解法1
二項定理より、$f(x) = \left( \frac{x^2}{2} + \frac{1}{x^2} \right)^{10}$ の展開式における一般項は
$${}_{10}\mathrm{C}_r \left( \frac{x^2}{2} \right)^{10-r} \left( \frac{1}{x^2} \right)^r \quad (0 \leqq r \leqq 10 \text{ を満たす整数})$$
と表される。これを整理すると
$${}_{10}\mathrm{C}_r \left( \frac{1}{2} \right)^{10-r} x^{2(10-r)} x^{-2r} = {}_{10}\mathrm{C}_r \left( \frac{1}{2} \right)^{10-r} x^{20-4r}$$
となる。 $x^{12}$ の項となるのは、$20-4r = 12$ のときであるから
$$4r = 8$$
$$r = 2$$
これは $0 \leqq r \leqq 10$ を満たす。 このときの係数は
$${}_{10}\mathrm{C}_2 \left( \frac{1}{2} \right)^{10-2} = \frac{10 \cdot 9}{2 \cdot 1} \left( \frac{1}{2} \right)^8 = 45 \cdot \frac{1}{256} = \frac{45}{256}$$
したがって、$x^{12}$ の係数は $\frac{45}{256}$ である。
次に、$f(x)$ の最小値を求める。 $x \neq 0$ であるから、$x^2 > 0$ である。 したがって $\frac{x^2}{2} > 0$ かつ $\frac{1}{x^2} > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より
$$\frac{x^2}{2} + \frac{1}{x^2} \geqq 2\sqrt{ \frac{x^2}{2} \cdot \frac{1}{x^2} } = 2\sqrt{ \frac{1}{2} } = \sqrt{2}$$
が成り立つ。 等号が成立するのは、$\frac{x^2}{2} = \frac{1}{x^2}$ のときである。 これを解くと $x^4 = 2$ より $x = \pm \sqrt[4]{2}$ となり、これを満たす実数 $x$ は存在する。
したがって、$\frac{x^2}{2} + \frac{1}{x^2}$ の最小値は $\sqrt{2}$ である。 $y = X^{10}$ は $X > 0$ において単調増加であるから、$f(x)$ もこのとき最小となる。 よって、$f(x)$ の最小値は
$$(\sqrt{2})^{10} = 2^5 = 32$$
である。
解法2
最小値の求値について、微分を用いた別解を示す。
$X = \frac{x^2}{2} + \frac{1}{x^2}$ とおく。$x^2 = t$ とすると、$x \neq 0$ より $t > 0$ であり
$$X = \frac{t}{2} + \frac{1}{t}$$
である。これを $t$ で微分すると
$$\frac{dX}{dt} = \frac{1}{2} - \frac{1}{t^2} = \frac{t^2 - 2}{2t^2}$$
となる。 $t > 0$ において $\frac{dX}{dt} = 0$ となるのは $t = \sqrt{2}$ のときである。 $0 < t < \sqrt{2}$ において $\frac{dX}{dt} < 0$、$t > \sqrt{2}$ において $\frac{dX}{dt} > 0$ であるから、$X$ は $t = \sqrt{2}$ のとき極小かつ最小となる。
このとき、最小値は
$$X = \frac{\sqrt{2}}{2} + \frac{1}{\sqrt{2}} = \frac{\sqrt{2}}{2} + \frac{\sqrt{2}}{2} = \sqrt{2}$$
である。 したがって、$f(x) = X^{10}$ の最小値は
$$(\sqrt{2})^{10} = 2^5 = 32$$
である。
解説
前半は二項定理の一般項の扱い、後半は相加平均と相乗平均の大小関係を用いた式の値の最小値という、いずれも標準的で重要なテーマである。 最小値を求める際、相加平均と相乗平均の大小関係を利用した場合は、必ず等号成立条件(それを満たす実数 $x$ が存在すること)を確認しなければならない。 微分を用いた解法2は確実であるが、計算量や手間を考慮すると、解法1のように相加平均と相乗平均の大小関係を利用するアプローチが圧倒的に簡潔である。
答え
ウ: $\frac{45}{256}$
エ: $32$
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