数学2 二項定理 問題 12 解説

方針・初手
二項定理を用いて、底を $20 \pm 1$ の形に変形し、展開して $400$ の倍数となる項をくくり出す。$400=20^2$ であることに着目し、展開式の各項が $20^2$ で割り切れるかどうかを調べる。合同式を用いると記述が簡潔になる。
解法1
(1)
二項定理より、
$$(1+a)^n = 1 + {}_n\mathrm{C}_1 a + {}_n\mathrm{C}_2 a^2 + \cdots + {}_n\mathrm{C}_n a^n = \sum_{k=0}^n {}_n\mathrm{C}_k a^k$$
(2)
$21^{10} = (1+20)^{10}$ として、(1) の結果において $a=20, n=10$ とすると、
$$21^{10} = 1 + {}_{10}\mathrm{C}_1 \cdot 20 + {}_{10}\mathrm{C}_2 \cdot 20^2 + {}_{10}\mathrm{C}_3 \cdot 20^3 + \cdots + {}_{10}\mathrm{C}_{10} \cdot 20^{10}$$
第3項以降の項はすべて $20^2 = 400$ の倍数である。
したがって、$21^{10}$ を $400$ で割った余りは、$1 + {}_{10}\mathrm{C}_1 \cdot 20$ を $400$ で割った余りに等しい。
$$1 + {}_{10}\mathrm{C}_1 \cdot 20 = 1 + 10 \cdot 20 = 201$$
$201$ は $400$ より小さいので、求める余りは $201$ である。
(3)
$21^n = (1+20)^n$、$19^n = (-1+20)^n$ と変形して二項定理を適用する。
法を $400$ とする合同式を用いる。$20^2 \equiv 0 \pmod{400}$ であるから、
$$\begin{aligned} 21^n &= (1+20)^n \\ &\equiv 1 + {}_n\mathrm{C}_1 \cdot 20 \pmod{400} \\ &\equiv 1 + 20n \pmod{400} \end{aligned}$$
$$\begin{aligned} 19^n &= (-1+20)^n \\ &\equiv (-1)^n + {}_n\mathrm{C}_1 (-1)^{n-1} \cdot 20 \pmod{400} \\ &\equiv (-1)^n + 20n(-1)^{n-1} \pmod{400} \end{aligned}$$
よって、
$$\begin{aligned} 19^n + 21^n &\equiv (-1)^n + 20n(-1)^{n-1} + 1 + 20n \\ &\equiv (-1)^n + 1 + 20n(1 + (-1)^{n-1}) \pmod{400} \end{aligned}$$
ここで、$n$ の偶奇で場合分けを行う。
(i) $n$ が偶数のとき
$n = 2k$ ($k$ は正の整数)とおく。
$(-1)^n = (-1)^{2k} = 1$、$(-1)^{n-1} = (-1)^{2k-1} = -1$ より、
$$\begin{aligned} 19^{2k} + 21^{2k} &\equiv 1 + 1 + 40k(1 - 1) \\ &\equiv 2 \pmod{400} \end{aligned}$$
よって、$400$ では割り切れない。
(ii) $n$ が奇数のとき
$n = 2k-1$ ($k$ は正の整数)とおく。
$(-1)^n = (-1)^{2k-1} = -1$、$(-1)^{n-1} = (-1)^{2k-2} = 1$ より、
$$\begin{aligned} 19^{2k-1} + 21^{2k-1} &\equiv -1 + 1 + 20(2k-1)(1 + 1) \\ &\equiv 40(2k-1) \pmod{400} \end{aligned}$$
$19^n + 21^n$ が $400$ で割り切れるためには、$40(2k-1)$ が $400$ の倍数、すなわち $2k-1$ が $10$ の倍数でなければならない。
しかし、$2k-1$ は奇数であり、偶数である $10$ の倍数になることはない。
よって、$400$ では割り切れない。
(i)、(ii) より、いずれの正の整数 $n$ についても $19^n + 21^n$ は $400$ で割り切れない。
したがって、条件を満たす正の整数 $n$ は存在しない。
解説
二項定理を利用して余りを求める典型問題である。割る数である $400$ が $20^2$ であることに着目し、割られる数を $20$ を用いて表すことがポイントである。
(3) では、(2) と同様に $19 = -1 + 20$ と変形することで、$n$ の1次の項までを考えれば十分であることがわかる。文字 $n$ が含まれているため、符号に注意しながら丁寧に展開し、偶奇による場合分けを行う必要がある。合同式を用いると、途中式を簡潔に記述できる。
答え
(1) $(1+a)^n = 1 + {}_n\mathrm{C}_1 a + {}_n\mathrm{C}_2 a^2 + \cdots + {}_n\mathrm{C}_n a^n$
(2) $201$
(3) 存在しない(証明は解法を参照)
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