数学2 恒等式 問題 1 解説

方針・初手
与えられた等式は $x$ についての恒等式である。まずは $x$ に具体的な値を代入し、$f(0)$、$f(1)$、$f(2)$ の値をそれぞれ求める。次に、等式の両辺の最高次の項を比較することで $f(x)$ の次数を決定し、前半で得られた因数定理の条件と組み合わせて $f(x)$ の具体的な形を求める。
解法1
与えられた等式を以下とする。
$$f(x^2) = x^3 f(x+1) - 2x^4 + 2x^2$$
この等式は $x$ がどんな値をとっても成り立つ恒等式である。
$x=0$ を代入すると、
$$f(0) = 0 \cdot f(1) - 0 + 0 = 0$$
となり、$f(0)=0$ を得る。
次に、$x=1$ を代入すると、
$$f(1) = 1 \cdot f(2) - 2 + 2 = f(2)$$
となり、$f(1)=f(2)$ を得る。
さらに、$x=-1$ を代入すると、
$$f(1) = -1 \cdot f(0) - 2 + 2$$
$f(0)=0$ であるから、これを代入して整理すると、
$$f(1) = 0$$
となる。先ほど得た $f(1)=f(2)$ より、$f(2)=0$ も得られる。
以上より、$f(0)=f(1)=f(2)=0$ であることが示された。
次に $f(x)$ を求める。 $f(x)$ が恒等的に $0$ であるとすると、与式は $0 = -2x^4 + 2x^2$ となり矛盾する。したがって、$f(x)$ は定数 $0$ ではない。 $f(x)$ の最高次の項を $ax^n$ ($n$ は $0$ 以上の整数、$a \neq 0$) とおく。
与式の両辺の最高次の項を比較する。 左辺 $f(x^2)$ の最高次の項は $a(x^2)^n = ax^{2n}$ である。 右辺の $x^3 f(x+1)$ の最高次の項は $x^3 \cdot a x^n = ax^{n+3}$ である。
(i) $n \geqq 2$ のとき 右辺の最高次の項は $ax^{n+3}$ となる。両辺の最高次の次数が一致する必要があるため、
$$2n = n+3$$
これを解いて $n=3$ となる。これは $n \geqq 2$ を満たす。
(ii) $n = 1$ のとき 左辺の最高次は $x^2$ の項となるが、右辺には $-2x^4$ が存在するため次数が一致せず不適である。
(iii) $n = 0$ のとき 左辺の最高次は定数項となるが、右辺には $-2x^4$ が存在するため次数が一致せず不適である。
したがって、$f(x)$ の次数は $3$ であることがわかる。
前半で示した $f(0)=f(1)=f(2)=0$ より、因数定理を用いると、3次式 $f(x)$ は定数 $c$ ($c \neq 0$) を用いて次のように表せる。
$$f(x) = cx(x-1)(x-2)$$
これを元の等式に代入する。
$$cx^2(x^2-1)(x^2-2) = x^3 \cdot c(x+1)x(x-1) - 2x^4 + 2x^2$$
両辺を整理する。左辺は、
$$cx^2(x-1)(x+1)(x^2-2)$$
右辺は、
$$cx^4(x+1)(x-1) - 2x^2(x^2-1) = cx^4(x^2-1) - 2x^2(x^2-1) = x^2(x^2-1)(cx^2 - 2)$$
これが恒等式であるから、両辺の形を比較して、
$$c(x^2-2) = cx^2 - 2$$
$$cx^2 - 2c = cx^2 - 2$$
よって、$c = 1$ となる。
ゆえに、求める $f(x)$ は、
$$f(x) = x(x-1)(x-2) = x^3 - 3x^2 + 2x$$
である。
解説
整式の決定問題における典型的な解法を問う問題である。恒等式において「具体的な数値を代入して条件を絞る」ことと、「最高次の項に着目して次数を決定する」ことの2つの重要なアプローチを組み合わせている。
前半の証明が後半の誘導となっており、$f(0)=f(1)=f(2)=0$ を示すことで、因数定理を用いて $f(x)$ を $cx(x-1)(x-2)$ という非常に扱いやすい形で設定できる。次数の決定において、右辺に $-2x^4$ という項があるため、場合分けを行って次数を慎重に特定する論理の構成力が求められる。
答え
前半は証明のため省略(解法参照)
$f(x) = x^3 - 3x^2 + 2x$
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