数学2 不等式の証明 問題 1 解説

方針・初手
示すべき不等式の(右辺)$-$(左辺)$> 0$ を証明する。
式全体を特定の1文字について整理し、因数分解を行うのが基本方針である。または、与えられた条件 $x<1, y<1, z<1$ から直ちに言える正の数の積を考え、それを展開して目標の式を導く方法も有効である。
解法1
不等式の(右辺)$-$(左辺)を計算し、式を整理する。
$$\begin{aligned} & (xy+yz+zx+1) - (xyz+x+y+z) \\ &= 1 - x - y - z + xy + yz + zx - xyz \end{aligned}$$
この式を $x$ について整理し、因数分解を行う。
$$\begin{aligned} & 1 - x - y - z + xy + yz + zx - xyz \\ &= -x + xy + zx - xyz + 1 - y - z + yz \\ &= -x(1 - y - z + yz) + (1 - y - z + yz) \\ &= (1-x)(1 - y - z + yz) \\ &= (1-x)(1-y)(1-z) \end{aligned}$$
ここで、問題の条件より $x<1, y<1, z<1$ であるから、
$$1-x > 0, \quad 1-y > 0, \quad 1-z > 0$$
が成り立つ。
したがって、正の数どうしの積は正となるため、
$$(1-x)(1-y)(1-z) > 0$$
である。
ゆえに、(右辺)$-$(左辺)$> 0$ が示されたので、
$$xyz+x+y+z < xy+yz+zx+1$$
が成り立つ。
解法2
問題の条件 $x<1, y<1, z<1$ より、
$$1-x > 0, \quad 1-y > 0, \quad 1-z > 0$$
である。
これらの辺々を掛け合わせると、
$$(1-x)(1-y)(1-z) > 0$$
が成り立つ。
この不等式の左辺を展開する。
$$\begin{aligned} (1-x)(1-y)(1-z) &= (1 - x - y + xy)(1-z) \\ &= 1 - z - x + zx - y + yz + xy - xyz \\ &= 1 - x - y - z + xy + yz + zx - xyz \end{aligned}$$
したがって、不等式は次のように書ける。
$$1 - x - y - z + xy + yz + zx - xyz > 0$$
負の項を右辺へ移項して整理すると、
$$1 + xy + yz + zx > xyz + x + y + z$$
すなわち、
$$xyz+x+y+z < xy+yz+zx+1$$
が成り立つ。
解説
複数の文字が含まれる不等式の証明において、片方の辺からもう片方の辺を引き、因数分解をして符号を判定するという極めて典型的な問題である。
解法1のように1つの文字(ここでは $x$ )について降べきの順に整理すると、因数分解の見通しが立ちやすい。また、本問の式は $x, y, z$ についての対称式に近い形をしており、定数項が $1$ であることや符号の並びから、$(1-x)(1-y)(1-z)$ の展開式そのものであることに気づければ、解法2のように最初から展開して示すこともできる。
答え
与えられた不等式が成り立つことが示された。
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