東北大学 2009年 理系 第1問 解説

方針・初手
(1) は条件 $a+b=c$ をそのまま用いて $(a+b)^3$ を展開すればよい。
(2) は
$$ a^3+b^3+3abc-c^3 $$
を因数分解し,仮定 $a+b-c\geqq 0$ と,残る因子が常に $0$ 以上であることを示せばよい。
解法1
(1)
$a+b=c$ であるから,
$$ c^3=(a+b)^3 $$
である。これを展開すると,
$$ c^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3 $$
となる。ここで
$$ 3a^2b+3ab^2=3ab(a+b)=3abc $$
であるから,
$$ c^3=a^3+b^3+3abc $$
となる。したがって,
$$ a^3+b^3+3abc=c^3 $$
が成り立つ。
(2)
まず左辺から右辺を引くと,
$$ a^3+b^3+3abc-c^3 $$
となる。これを因数分解すると,
$$ a^3+b^3+3abc-c^3 =(a+b-c)(a^2+b^2+c^2-ab+ac+bc) $$
である。
さらに第2因子は,
$$ a^2+b^2+c^2-ab+ac+bc =\frac12{(a-b)^2+(a+c)^2+(b+c)^2} $$
と変形できる。よって,
$$ a^2+b^2+c^2-ab+ac+bc\geqq 0 $$
である。
また仮定より,
$$ a+b-c\geqq 0 $$
である。したがって 2 つの因子はいずれも $0$ 以上なので,
$$ a^3+b^3+3abc-c^3\geqq 0 $$
となる。よって,
$$ a^3+b^3+3abc\geqq c^3 $$
が成り立つ。
解説
この問題の要点は,(1) では $(a+b)^3$ の展開を素直に使うことである。無理に一般公式を持ち出す必要はない。
一方 (2) では,差
$$ a^3+b^3+3abc-c^3 $$
をそのまま眺めても符号は判定しにくい。そこで因数分解して,
$$ (a+b-c)\times \text{常に }0\text{ 以上の式} $$
の形に直すのが本質である。特に
$$ a^2+b^2+c^2-ab+ac+bc =\frac12{(a-b)^2+(a+c)^2+(b+c)^2} $$
と平方の和にする処理が典型である。
答え
(1) $a+b=c$ のとき,
$$ a^3+b^3+3abc=c^3 $$
が成り立つ。
(2) $a+b\geqq c$ のとき,
$$ a^3+b^3+3abc\geqq c^3 $$
が成り立つ。
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