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大阪大学 2018年 理系 第2問 解説

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大阪大学 2018年 理系 第2問 解説

方針・初手

相反方程式(係数が左右対称に現れる方程式)の性質を利用する問題である。 (1) は、相反方程式 $f(x)=0$ が $x=c$ を解にもつとき、$x=\frac{1}{c}$ も解にもつことを示す基本的な性質の確認である。 (2) は、解と係数の関係と、(1) で示した「解がすべて正である」という性質から、相加平均と相乗平均の大小関係を用いるのが最短である。 (3) は、(1) で示唆されている変数変換 $X = x + \frac{1}{x}$ を行い、$X$ についての2次方程式が満たすべき条件(解の配置)に帰着させる。

解法1

(1) $f(x) = x^4 - ax^3 + bx^2 - ax + 1$ について、$f(x)$ が $x-c$ で割り切れるので、因数定理より $f(c) = 0$ が成り立つ。

$$ c^4 - ac^3 + bc^2 - ac + 1 = 0 $$

ここで、$c \leqq 0$ と仮定する。 $c = 0$ のとき、左辺は $1$ となり $0$ にならないため不適。 $c < 0$ のとき、$a > 0, b > 0$ より $c^4 > 0, -ac^3 > 0, bc^2 > 0, -ac > 0$ となり、左辺は明らかに正となるため $0$ にならない。 したがって、$c > 0$ である。

次に、$x \neq 0$ のとき、$f(x)$ は次のように変形できる。

$$ \begin{aligned} f(x) &= x^2\left(x^2 - ax + b - \frac{a}{x} + \frac{1}{x^2}\right) \\ &= x^2\left\{\left(x+\frac{1}{x}\right)^2 - a\left(x+\frac{1}{x}\right) + b - 2\right\} \end{aligned} $$

$f(c) = 0$ および $c > 0$ より、上式に $x=c$ を代入して $c^2$ で割ると、以下の関係が得られる。

$$ \left(c+\frac{1}{c}\right)^2 - a\left(c+\frac{1}{c}\right) + b - 2 = 0 $$

ここで、$g(X) = X^2 - aX + b - 2$ とおくと、上の等式は $g\left(c+\frac{1}{c}\right) = 0$ を意味する。 因数定理より、2次式 $g(X)$ は $X - \left(c+\frac{1}{c}\right)$ を因数にもつ。 もう一つの解(実数とは限らない)を $d$ とすると、$g(X)$ は以下のように因数分解できる。

$$ g(X) = \left\{X - \left(c+\frac{1}{c}\right)\right\}(X - d) $$

これを $f(x)$ の式に戻すと、

$$ \begin{aligned} f(x) &= x^2 g\left(x+\frac{1}{x}\right) \\ &= x^2 \left\{x+\frac{1}{x} - \left(c+\frac{1}{c}\right)\right\}\left(x+\frac{1}{x} - d\right) \\ &= \left\{x^2 - \left(c+\frac{1}{c}\right)x + 1\right\}(x^2 - dx + 1) \end{aligned} $$

ここで、前半の括弧を展開すると、

$$ x^2 - \left(c+\frac{1}{c}\right)x + 1 = (x-c)\left(x-\frac{1}{c}\right) $$

となるため、

$$ f(x) = (x-c)\left(x-\frac{1}{c}\right)(x^2 - dx + 1) $$

と表せる。 これは、$f(x)$ が $(x-c)\left(x-\frac{1}{c}\right)$ で割り切れることを示している($c=1$ の場合も $(x-1)^2$ で割り切れることが示されている)。

(2) $f(x) = (x-s)(x-t)(x-u)(x-v)$ と因数分解できるとき、$f(x) = 0$ の解は $x = s, t, u, v$ である。 (1) より、実数解はすべて正であるから、$s, t, u, v$ はすべて正の実数である。 方程式 $f(x) = 0$ における解と係数の関係より、

$$ \begin{aligned} s + t + u + v &= a \\ stuv &= 1 \end{aligned} $$

が成り立つ。 $s, t, u, v$ はすべて正であるから、4変数の相加平均と相乗平均の大小関係により、

$$ \frac{s + t + u + v}{4} \geqq \sqrt[4]{stuv} $$

が成り立つ。これに解と係数の関係を代入すると、

$$ \frac{a}{4} \geqq \sqrt[4]{1} = 1 $$

したがって、$a \geqq 4$ が成り立つ。

(3) $a = 5$ のとき、$f(x) = 0$ が実数解を4つ(重解を含む)もつような自然数 $b$ の条件を求める。 (1) の変形と同様に、$x \neq 0$ として $X = x + \frac{1}{x}$ とおく。 $x > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より $X \geqq 2$ である。 このとき、$f(x) = 0$ は次のように書き換えられる。

$$ X^2 - 5X + b - 2 = 0 $$

この $X$ についての2次方程式を $g(X) = 0$ とおく。 $X$ が $X \geqq 2$ の範囲に実数値をとれば、対応する実数 $x$($x > 0$)が $x^2 - Xx + 1 = 0$ の解として存在する(判別式 $X^2 - 4 \geqq 0$ より)。 したがって、$f(x) = 0$ が実数解を4つもつための条件は、$g(X) = 0$ が $X \geqq 2$ の範囲に実数解を2つ(重解を含む)もつことである。

$g(X)$ は平方完成すると、

$$ g(X) = \left(X - \frac{5}{2}\right)^2 + b - \frac{33}{4} $$

となる。これが $X \geqq 2$ で実数解を2つもつための条件は、以下の3つをすべて満たすことである。

(i) 判別式を $D$ とすると、$D \geqq 0$ (ii) 放物線の軸が $X \geqq 2$ の範囲にある (iii)

$g(2) \geqq 0$

(i) について

$$ D = (-5)^2 - 4(1)(b-2) \geqq 0 $$

$$ 25 - 4b + 8 \geqq 0 $$

$$ b \leqq \frac{33}{4} = 8.25 $$

(ii) について 軸は $X = \frac{5}{2}$ であり、$\frac{5}{2} \geqq 2$ は常に成り立つ。

(iii) について

$$ g(2) = 2^2 - 5 \cdot 2 + b - 2 \geqq 0 $$

$$ 4 - 10 + b - 2 \geqq 0 $$

$$ b \geqq 8 $$

(i) から (iii) より、求める条件は

$$ 8 \leqq b \leqq \frac{33}{4} $$

$b$ は自然数であるから、これを満たす $b$ の値は $8$ のみである。

解説

相反方程式は $X = x + \frac{1}{x}$ とおくことで次数を半分に落とすことができる典型的な問題である。 (1) では $f(c)=0$ ならば $f\left(\frac{1}{c}\right)=0$ であること(解の逆数もまた解になること)を証明させる。$c=1$ の場合に「重解をもつこと」まで厳密に示すため、単に因数定理を2回使うのではなく、2次式の積の形に持ち込むか、直接割り算を行う必要がある。 (2) は解と係数の関係と相加・相乗平均の大小関係を組み合わせることで非常に鮮やかに証明できる。 (3) は $X$ に置き換えた後の2次方程式の「解の配置問題」へと帰着させる標準的な解法で処理できる。

答え

(1)

略(解説内の証明を参照)

(2)

略(解説内の証明を参照)

(3)

$b = 8$

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