トップ 基礎問題 数学2 指数対数 常用対数 問題 3

数学2 常用対数 問題 3 解説

数学2 常用対数 問題 3 解説

方針・初手

確率の基本に従い、$p$ と $q$ の値をそれぞれ定義式から立式する。 $p$ は 16 枚のカードの並べ方に関する確率であるから、$16!$ が登場する。これを常用対数で評価するためには、$16!$ を素因数分解して、与えられた $\log_{10} 2$, $\log_{10} 3$ などの値を利用する形に持ち込む必要がある。 (2) は (1) で求めた $\log_{10} p$ の値を利用し、不等式の両辺の常用対数をとることで $n$ の一次不等式に帰着させる。

解法1

(1)

16 枚のカードを横一列に並べる並べ方は、全部で $16!$ 通りある。 このうち、左端から数の小さい順(1から16まで昇順)に並ぶのは 1 通りのみである。したがって、確率 $p$ は次のように表される。

$$p = \frac{1}{16!}$$

この両辺の常用対数をとると、以下のようになる。

$$\log_{10} p = \log_{10} \frac{1}{16!} = -\log_{10} (16!)$$

ここで、$16!$ に含まれる素因数の個数を調べる。16 以下の素数は $2, 3, 5, 7, 11, 13$ である。ルジャンドルの定理を用いると、各素因数の指数は次のように求まる。

素因数 2 の個数: $\left[\frac{16}{2}\right] + \left[\frac{16}{2^2}\right] + \left[\frac{16}{2^3}\right] + \left[\frac{16}{2^4}\right] = 8 + 4 + 2 + 1 = 15$ 素因数 3 の個数: $\left[\frac{16}{3}\right] + \left[\frac{16}{3^2}\right] = 5 + 1 = 6$ 素因数 5 の個数: $\left[\frac{16}{5}\right] = 3$ 素因数 7 の個数: $\left[\frac{16}{7}\right] = 2$ 素因数 11 の個数: $\left[\frac{16}{11}\right] = 1$ 素因数 13 の個数: $\left[\frac{16}{13}\right] = 1$

したがって、$16!$ は次のように素因数分解される。

$$16! = 2^{15} \cdot 3^6 \cdot 5^3 \cdot 7^2 \cdot 11^1 \cdot 13^1$$

ゆえに、$\log_{10} (16!)$ は次のように展開できる。

$$\log_{10} (16!) = 15 \log_{10} 2 + 6 \log_{10} 3 + 3 \log_{10} 5 + 2 \log_{10} 7 + \log_{10} 11 + \log_{10} 13$$

ここで、$\log_{10} 5 = \log_{10} \frac{10}{2} = 1 - \log_{10} 2$ であることを用いる。

$$\log_{10} 5 = 1 - 0.301 = 0.699$$

与えられた値を代入して計算する。

$$\begin{aligned} \log_{10} (16!) &= 15 \times 0.301 + 6 \times 0.477 + 3 \times 0.699 + 2 \times 0.845 + 1.041 + 1.114 \\ &= 4.515 + 2.862 + 2.097 + 1.690 + 1.041 + 1.114 \\ &= 13.319 \end{aligned}$$

よって、求める $\log_{10} p$ の値は次のようになる。

$$\log_{10} p = -13.319$$

(2)

$n$ 個のさいころを同時に投げるとき、出る目すべてが 1 になる確率 $q$ は次のように表される。

$$q = \left(\frac{1}{6}\right)^n = 6^{-n}$$

条件 $q < p$ より、次の不等式が成り立つ。

$$6^{-n} < p$$

底 10 は 1 より大きいので、両辺の常用対数をとると大小関係は保存される。

$$\log_{10} 6^{-n} < \log_{10} p$$

左辺を変形し、(1) で求めた $\log_{10} p$ の値を代入する。

$$-n \log_{10} 6 < -13.319$$

ここで、$\log_{10} 6 = \log_{10} 2 + \log_{10} 3 = 0.301 + 0.477 = 0.778$ であるから、不等式は次のようになる。

$$-0.778n < -13.319$$

両辺を $-0.778$ で割ると、不等号の向きが反転する。

$$n > \frac{13.319}{0.778}$$

右辺の計算を行う。

$$\frac{13.319}{0.778} = 17.119\dots$$

したがって、$n > 17.119\dots$ を満たす最小の自然数 $n$ は 18 である。

解説

階乗 $n!$ に含まれる素因数 $k$ の個数を求める際に、ガウス記号(あるいは商の整数部分)を用いて順次割っていく方法は、確率や整数の問題において定石の処理である。 また、常用対数の計算において、$\log_{10} 5 = 1 - \log_{10} 2$ とする変形は頻出であるため、与えられていなくとも自ら導けるようにしておく必要がある。 後半の不等式計算では、小数の割り算を正確に行い、条件を満たす「最小の自然数」を正しく判定する慎重さが求められる。

答え

(1) $-13.319$

(2) $18$

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