東北大学 2024年 理系 第2問 解説

方針・初手
(1) は、条件 (b) の
$$ x \ge 2\log_t x $$
を指数形に直して
$$ t^x \ge x^2 $$
とみるのが自然である。これに (a) から得られる
$$ tx^2>(x+1)^2 $$
を組み合わせればよい。
(2) は
$$ n \le 2\log_2 n $$
を指数形に直して
$$ 2^n \le n^2 $$
とし、整数について調べる。
解法1
(1)
条件 (b) より
$$ x \ge 2\log_t x $$
である。ここで $t>1$ なので、両辺を底 $t$ の指数でみると
$$ t^x \ge t^{2\log_t x}=x^2 $$
を得る。
次に、条件 (a) より
$$ x>\frac{1}{\sqrt{t}-1} $$
であるから、
$$ (\sqrt{t}-1)x>1 $$
すなわち
$$ \sqrt{t},x>x+1 $$
となる。両辺は正であるから、両辺を2乗して
$$ tx^2>(x+1)^2 $$
を得る。
したがって
$$ t^{x+1}=t\cdot t^x \ge t x^2 > (x+1)^2 $$
である。再び $t>1$ を用いて底 $t$ の対数をとると
$$ x+1>\log_t (x+1)^2 = 2\log_t (x+1) $$
となる。よって示すべき不等式
$$ x+1>2\log_t(x+1) $$
が成り立つ。
(2)
不等式
$$ n \le 2\log_2 n $$
は、$2>1$ であるから指数形に直して
$$ 2^n \le n^2 $$
と同値である。
まず小さい整数を調べると、
$$ n=1:\ 2^1\le 1^2 \text{ は偽} $$
$$ n=2:\ 2^2=2^2 \text{ で真} $$
$$ n=3:\ 2^3=8\le 9=3^2 \text{ で真} $$
$$ n=4:\ 2^4=16=4^2 \text{ で真} $$
である。
次に、$n\ge 5$ では成り立たないことを示す。
まず
$$ 2^5=32>25=5^2 $$
である。
さらに、ある $k\ge 5$ について
$$ 2^k>k^2 $$
と仮定すると、
$$ 2^{k+1}=2\cdot 2^k>2k^2 $$
である。一方、$k\ge 3$ なら
$$ 2k^2-(k+1)^2 = k^2-2k-1 = (k-1)^2-2>0 $$
だから
$$ 2k^2>(k+1)^2 $$
である。よって
$$ 2^{k+1}>(k+1)^2 $$
が従う。
したがって数学的帰納法により、すべての $n\ge 5$ に対して
$$ 2^n>n^2 $$
である。ゆえに $n\ge 5$ では
$$ 2^n \le n^2 $$
は成り立たない。
以上より、求める正の整数は
$$ n=2,3,4 $$
である。
解説
(1) の要点は、対数不等式をそのまま扱わず、まず指数形に直すことである。条件 (b) は $t^x\ge x^2$、条件 (a) は $\sqrt{t},x>x+1$ を与える。これらを掛け合わせる形で
$$ t^{x+1}>(x+1)^2 $$
まで持ち込めば、再び対数をとって結論が出る。
(2) では、対数不等式を $2^n\le n^2$ に直すことで、「指数関数と2次関数の比較」に帰着する。小さい値を確認したあと、$n\ge 5$ では指数関数の方が大きくなることを帰納法で示せばよい。
答え
$$ \text{(1)}\ x+1>2\log_t(x+1) $$
$$ \text{(2)}\ n=2,3,4 $$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











