数学2 常用対数 問題 4 解説

方針・初手
複利計算と等比数列の和を用いて、借入金の元利合計と削減できる人件費(アルバイト従業員の給与累計額)をそれぞれ式に表す。その後、問題文の誘導に従い、対数を用いて不等式を解き、条件を満たす最小の整数を求める。単位(円と万円)の違いや、四捨五入の指示に注意して計算を進める。
解法1
(1) 300 万円を年利 10 %(0.1)の 1 年ごとの複利で借り入れ、5 年後に一括返済する。 その総返済額(元利合計)を $X$ 万円とすると、
$$X = 300 \times (1 + 0.1)^5 = 300 \times 1.1^5$$
ここで、$1.1^5$ を計算する。
$$1.1^2 = 1.21$$
$$1.1^3 = 1.331$$
$$1.1^4 = 1.4641$$
$$1.1^5 = 1.61051$$
したがって、総返済額 $X$ は、
$$X = 300 \times 1.61051 = 483.153$$
単位は「万円」であるため、「円」単位に直すと $483.153 \times 10000 = 4831530$ 円となる。
(2) 工作機導入年にアルバイト従業員に支払う予定であった年間給与は 150 万円である。毎年 5 %(0.05)の割合で昇給するため、導入から $k$ 年目($k=1, 2, \dots, n$)の年間給与は $150 \times 1.05^{k-1}$ 万円と表せる。 これは初項 150、公比 1.05 の等比数列である。 工作機導入により削減できる人件費 $f(n)$ 万円は、この給与の $n$ 年間の累計額であるから、等比数列の和の公式を用いて、
$$f(n) = \frac{150(1.05^n - 1)}{1.05 - 1} = \frac{150}{0.05}(1.05^n - 1) = 3000(1.05^n - 1)$$
となる。これを与式 $f(n) = \text{タ}(\text{チ}^\text{ツ} - 1)$ と比較して空欄を埋める。
(3) 削減できる人件費 $f(n)$ が銀行への総返済額 $X$ を上回る年数 $n$ を求める。 $f(n) > X$ に (1) と (2) の結果を代入すると、
$$3000(1.05^n - 1) > 483.153$$
両辺を 3000 で割ると、
$$1.05^n - 1 > \frac{483.153}{3000} = 0.161051$$
$$1.05^n > 1.161051$$
問題文の指示により、空欄のテは小数第3位を四捨五入して小数第2位まで求める。$1.161051$ の小数第3位の $1$ を四捨五入すると $1.16$ となるので、
$$1.05^n > 1.16$$
となる。次に、この不等式の両辺の常用対数をとる。底の 10 は 1 より大きいため不等号の向きは変わらない。
$$\log_{10} 1.05^n > \log_{10} 1.16$$
$$n \log_{10} 1.05 > \log_{10} 1.16$$
与えられた常用対数表から、$\log_{10} 1.05$ と $\log_{10} 1.16$ の値を読み取る。
$$\log_{10} 1.05 = 0.0212$$
$$\log_{10} 1.16 = 0.0645$$
これらを不等式に代入すると、
$$0.0212n > 0.0645$$
$$n > \frac{0.0645}{0.0212} = \frac{645}{212}$$
右辺の分数を小数で表すと、
$$\frac{645}{212} = 3.04245\dots$$
問題文の指示により、空欄のトは小数第3位を四捨五入して小数第2位まで求める。$3.04245\dots$ の小数第3位の $2$ を四捨五入すると $3.04$ となるので、
$$n > 3.04$$
となる。この条件を満たす最小の整数 $n$ は $4$ である。
解説
複利計算と等比数列の和に関する実用的な題材を用いた問題である。(1) では解答の単位が「円」であることに注意が必要である。計算自体は基本的だが、小数点の位置を間違えないように慎重に行う必要がある。(3) においては、四捨五入の指示をどの段階で適用するかがポイントとなる。誘導式「$1.05^n > \text{テ}$」の形に合わせて、一旦数値を丸めてから常用対数をとるという流れを正確に読み取ることが求められる。
答え
ソ: 4831530
タ: 3000
チ: 1.05
ツ: $n$
テ: 1.16
ト: 3.04
ナ: 4
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