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京都大学 2024年 文系 第4問 解説

数学2/指数対数数学A/整数問題テーマ/最大・最小テーマ/場合分け
京都大学 2024年 文系 第4問 解説

方針・初手

求める自然数 $N$ が各進法において $n$ 桁であるとして、不等式を立てます。

「$N$ が $k$ 進法で $n$ 桁」という条件は、$k^{n-1} \leqq N < k^n$ と表せます。これが 8進法、9進法、10進法のすべてで同時に成り立つような自然数 $N$ が存在するための、桁数 $n$ の最大値を常用対数を用いて絞り込みます。

その後、最大となる桁数 $n$ のもとで、不等式を満たす最大の整数 $N$ を特定します。

解法1

求める自然数を $N$ とし、これを 8進法、9進法、10進法で表したときの桁数を $n$ とする。

各進法で $n$ 桁となる条件は、

$$ 8^{n-1} \leqq N < 8^n $$

$$ 9^{n-1} \leqq N < 9^n $$

$$ 10^{n-1} \leqq N < 10^n $$

これらが同時に成り立つ必要がある。$8 < 9 < 10$ より $8^{n-1} < 9^{n-1} < 10^{n-1}$ および $8^n < 9^n < 10^n$ が成り立つため、上の3つの不等式をすべて満たす $N$ の範囲は

$$ 10^{n-1} \leqq N < 8^n $$

となる。このような自然数 $N$ が存在するための条件は

$$ 10^{n-1} < 8^n $$

である。両辺の常用対数をとると、

$$ n - 1 < 3n \log_{10} 2 $$

$$ n (1 - 3 \log_{10} 2) < 1 $$

与えられた条件 $0.3010 < \log_{10} 2 < 0.3011$ より、

$$ 0.0967 < 1 - 3 \log_{10} 2 < 0.0970 $$

したがって $1 - 3 \log_{10} 2 > 0$ であり、

$$ n < \frac{1}{1 - 3 \log_{10} 2} $$

辺々の逆数をとった評価を行うと、

$$ \frac{1}{0.0970} < \frac{1}{1 - 3 \log_{10} 2} < \frac{1}{0.0967} $$

$$ 10.30\cdots < \frac{1}{1 - 3 \log_{10} 2} < 10.34\cdots $$

$n$ は自然数であるから、これを満たす最大の $n$ は $n = 10$ である。

$n = 10$ のとき、$N$ の満たすべき条件は

$$ 10^9 \leqq N < 8^{10} $$

となる。これを満たす最大の自然数 $N$ は $8^{10}$ より 1 小さい整数であるから、

$$ N = 8^{10} - 1 $$

$8^{10} = (2^3)^{10} = 2^{30}$ であり、$2^{10} = 1024$ を用いると

$$ 2^{30} = (2^{10})^3 = 1024^3 = 1024 \times 1048576 = 1073741824 $$

よって、

$$ N = 1073741824 - 1 = 1073741823 $$

(この値は $10^9 = 1000000000$ 以上であるため、条件 $10^9 \leqq N$ も満たしている。)

解説

「$n$ 進法における桁数」を不等式に翻訳する典型的な整数と対数の融合問題です。8進、9進、10進の3つの条件が与えられていますが、不等式を並べると「下限の最大値($10^{n-1}$)」と「上限の最小値($8^n$)」によって実質的な $N$ の存在範囲が決定されることに気づくことがポイントです。($\log_{10} 3$ の近似値は、今回は使用せずに解けるダミーデータとみなせます。)

最大桁数が $n=10$ と分かったのち、上限未満の最大の整数を求めるため $8^{10}-1$ を導きます。$2^{10} \approx 10^3$ の感覚を持っていれば、$2^{30}$ が $10^9$ を少し超える値になることは予想がつき、安心感を持って具体的な計算に進むことができます。

答え

$1073741823$(または $2^{30} - 1$)

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