数学2 常用対数 問題 8 解説

方針・初手
1回のろ過で除去される不純物の割合ではなく、「ろ過後に残存する不純物の割合」に着目して立式する。残存量を基準にすれば、$n$ 回のろ過操作は等比数列の一般項として表すことができる。(2) では残存量がもとの $5\%$ 以下になる条件を不等式で表し、常用対数を用いて解く。
解法1
もとの不純物の量を $A \ (A>0)$ とする。 1回のろ過で不純物の $20\%$ が除去されるため、ろ過後に残る不純物の量はもとの $100 - 20 = 80\%$、すなわち $\frac{4}{5}$ 倍となる。
(1)
$n$ 回ろ過した後に残る不純物の量は、
$$A \times \left( \frac{4}{5} \right)^n$$
となる。これがもとの不純物 $A$ の何 $\%$ であるかを求めるため、$100$ を掛けて百分率で表すと、
$$\left( \frac{4}{5} \right)^n \times 100 \ (\%)$$
となる。
(2)
「不純物の $95\%$ 以上を除去する」ための条件は、残存する不純物がもとの $100 - 95 = 5\%$ 以下になることである。 したがって、満たすべき不等式は以下のようになる。
$$A \times \left( \frac{4}{5} \right)^n \leqq A \times 0.05$$
$A > 0$ であるから両辺を $A$ で割り、右辺を分数で表すと、
$$\left( \frac{4}{5} \right)^n \leqq \frac{1}{20}$$
両辺は正であるから、底を $10$ とする常用対数をとる。底 $10$ は $1$ より大きいので不等号の向きは変わらない。
$$\log_{10} \left( \frac{4}{5} \right)^n \leqq \log_{10} \frac{1}{20}$$
対数の性質を用いて変形すると、
$$n ( \log_{10} 4 - \log_{10} 5 ) \leqq \log_{10} 20^{-1}$$
ここで、$\log_{10} 4 = 2\log_{10} 2$、$\log_{10} 5 = \log_{10} \frac{10}{2} = 1 - \log_{10} 2$、$\log_{10} 20 = \log_{10} (2 \times 10) = \log_{10} 2 + 1$ であるから、これらを代入して整理する。
$$n \{ 2\log_{10} 2 - (1 - \log_{10} 2) \} \leqq -(\log_{10} 2 + 1)$$
$$n ( 3\log_{10} 2 - 1 ) \leqq -\log_{10} 2 - 1$$
問題文より $\log_{10} 2 = 0.3010$ を代入する。
$$n ( 3 \times 0.3010 - 1 ) \leqq -0.3010 - 1$$
$$n ( 0.9030 - 1 ) \leqq -1.3010$$
$$-0.0970 n \leqq -1.3010$$
両辺を負の数 $-0.0970$ で割るため、不等号の向きが逆転する。
$$n \geqq \frac{1.3010}{0.0970} = \frac{1301}{97}$$
ここで、$\frac{1301}{97}$ の値を計算する。
$$1301 \div 97 = 13.41\cdots$$
したがって、$n \geqq 13.41\cdots$ を満たす最小の自然数 $n$ を求めればよい。 よって、最低限必要なろ過操作の回数は $14$ 回である。
解説
「減少する量」と「残存する量」の言い換えが最大のポイントである。このように一定の割合で減少する変化を扱う場合は、変化後の値(残存量)に着目して公比を作るのが定石である。 また、常用対数の計算において、与えられた $\log_{10} 2$ の値から $\log_{10} 5 = 1 - \log_{10} 2$ を導き出す変形は非常に頻出であるため、使いこなせるようにしておく必要がある。
答え
(1) $100 \left( \frac{4}{5} \right)^n$ (または $100 \times 0.8^n$)
(2) $14$
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