数学2 桁数の問題 問題 10 解説

方針・初手
(1) は「無理数であることの証明」であるため、有理数であると仮定して矛盾を導く背理法を用いる。自然数 $p, q$ を用いて分数で表し、両辺の素因数に注目して偶数と奇数の矛盾を引き出す。
(2) は対数の値の評価である。大小関係を示すために、各辺を底を $10$ とする指数で表し、整数の大小比較に帰着させる。
(3) は大きな数の桁数を求める問題である。常用対数 $\log_{10} 3^{26} = 26 \log_{10} 3$ の値を評価する。ここでは、(2) で示した不等式が誘導として機能する。
解法1
(1)
$\log_{10} 3$ が有理数であると仮定する。$\log_{10} 3 > 0$ であるから、互いに素な自然数 $p, q$ を用いて、
$$\log_{10} 3 = \frac{p}{q}$$
と表すことができる。対数の定義より、
$$10^{\frac{p}{q}} = 3$$
両辺を $q$ 乗すると、
$$10^p = 3^q$$
となる。左辺は $10^p = (2 \cdot 5)^p = 2^p \cdot 5^p$ であり、$p$ は自然数であるから偶数である。 一方、右辺の $3^q$ は $q$ が自然数であるから奇数である。 偶数と奇数が等しくなることはなく、これは矛盾である。 したがって仮定は誤りであり、$\log_{10} 3$ は無理数である。
(2)
不等式 $\frac{6}{13} < \log_{10} 3 < \frac{1}{2}$ を示すために、$\frac{6}{13} < \log_{10} 3$ と $\log_{10} 3 < \frac{1}{2}$ がともに成り立つことを示す。
まず、$\log_{10} 3 < \frac{1}{2}$ について。 底 $10$ は $1$ より大きいから、$3 < 10^{\frac{1}{2}}$ を示せばよい。両辺は正であるから、両辺を2乗して $3^2 < 10$ を示せば十分である。
$$3^2 = 9 < 10$$
より、これは成り立つ。したがって、$\log_{10} 3 < \frac{1}{2}$ が示された。
次に、$\frac{6}{13} < \log_{10} 3$ について。 同様に底 $10$ は $1$ より大きいから、$10^{\frac{6}{13}} < 3$、すなわち $10^6 < 3^{13}$ を示せばよい。
$$10^6 = 1000000$$
$$3^{13} = 3 \cdot 3^{12} = 3 \cdot (3^6)^2 = 3 \cdot 729^2$$
ここで、$729 > 700$ であることを利用して下から評価すると、
$$3 \cdot 729^2 > 3 \cdot 700^2 = 3 \cdot 490000 = 1470000$$
よって、$1000000 < 1470000 < 3^{13}$ となり、$10^6 < 3^{13}$ が成り立つ。したがって、$\frac{6}{13} < \log_{10} 3$ が示された。
以上より、$\frac{6}{13} < \log_{10} 3 < \frac{1}{2}$ が成り立つ。
(3)
$3^{26}$ の桁数が $n$ 桁であるための条件は、$10^{n-1} \le 3^{26} < 10^n$ を満たす自然数 $n$ が存在することである。 各辺の底 $10$ とする常用対数をとると、
$$n-1 \le 26 \log_{10} 3 < n$$
すなわち、$26 \log_{10} 3$ の整数部分を求めればよい。 (2) で示した不等式 $\frac{6}{13} < \log_{10} 3 < \frac{1}{2}$ の各辺に $26$ を掛けると、
$$26 \cdot \frac{6}{13} < 26 \log_{10} 3 < 26 \cdot \frac{1}{2}$$
$$12 < \log_{10} 3^{26} < 13$$
これより、対数の定義から以下の不等式が得られる。
$$10^{12} < 3^{26} < 10^{13}$$
したがって、$3^{26}$ は13桁の整数である。
解説
対数の無理数性の証明と、対数の値の評価を行う典型的な問題である。 無理数であることの証明は、有理数と仮定して分数で置き、指数法則を用いて整数の性質(偶奇や素因数分解の一意性)の矛盾を突くのが定石である。 対数を含んだ不等式の証明では、そのまま計算することはできないため、底を揃えて真数同士の比較(指数の計算)に持ち込むアプローチが有効である。その際、計算量が膨大になる場合は、適切な値で下からあるいは上から評価することで計算の手間を省く工夫が求められる。
答え
(1) 解法1の通り(背理法により示された)
(2) 解法1の通り(底を10とする指数関数に変換して示された)
(3) 13桁
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