数学2 桁数の問題 問題 12 解説

方針・初手
(1) は証明すべき不等式の各辺を $10$ の累乗の形に直して、真数の大小関係に帰着させる。問題文で与えられた $2^{10}, 2^{13}$ の値がヒントになる。
(2) は $2^{100}$ の桁数を求めるため、$\log_{10} 2^{100}$ の値の範囲を (1) の結果を利用して評価する。
(3) は「無理数であることの証明」であるから、背理法を用いて、$\log_{10} 2$ が有理数であると仮定して矛盾を導く。
解法1
(1)
示すべき不等式は以下の2つである。
$$ \frac{3}{10} < \log_{10} 2 \quad \cdots \text{①} $$
$$ \log_{10} 2 < \frac{4}{13} \quad \cdots \text{②} $$
底 $10$ は $1$ より大きいため、真数の大小と対数の大小は一致する。
まず、①について考える。
$$ 10^3 = 1000 $$
$$ 2^{10} = 1024 $$
これらより、$1000 < 1024$ であるから、
$$ 10^3 < 2^{10} $$
両辺の底 $10$ の常用対数をとると、
$$ \log_{10} 10^3 < \log_{10} 2^{10} $$
$$ 3 < 10 \log_{10} 2 $$
$$ \frac{3}{10} < \log_{10} 2 $$
となり、①は示された。
次に、②について考える。
$$ 10^4 = 10000 $$
$$ 2^{13} = 8192 $$
これらより、$8192 < 10000$ であるから、
$$ 2^{13} < 10^4 $$
両辺の底 $10$ の常用対数をとると、
$$ \log_{10} 2^{13} < \log_{10} 10^4 $$
$$ 13 \log_{10} 2 < 4 $$
$$ \log_{10} 2 < \frac{4}{13} $$
となり、②は示された。
以上より、$\frac{3}{10} < \log_{10} 2 < \frac{4}{13}$ が成り立つ。(証明終)
(2)
$2^{100}$ の桁数を調べるため、$\log_{10} 2^{100}$ を評価する。
$$ \log_{10} 2^{100} = 100 \log_{10} 2 $$
(1) の結果より、
$$ \frac{3}{10} < \log_{10} 2 < \frac{4}{13} $$
各辺を $100$ 倍して、
$$ 100 \times \frac{3}{10} < 100 \log_{10} 2 < 100 \times \frac{4}{13} $$
$$ 30 < \log_{10} 2^{100} < \frac{400}{13} $$
ここで、$\frac{400}{13} = 30.76\cdots$ であるから、
$$ 30 < \log_{10} 2^{100} < 31 $$
が成り立つ。これより、
$$ 10^{30} < 2^{100} < 10^{31} $$
となるので、$2^{100}$ は $31$ 桁の数である。
(3)
$\log_{10} 2$ が有理数であると仮定する。
$\log_{10} 2 > \log_{10} 1 = 0$ であるから、$\log_{10} 2$ は正の有理数である。 したがって、互いに素な自然数 $p, q$ を用いて
$$ \log_{10} 2 = \frac{p}{q} $$
と表すことができる。 対数の定義より、
$$ 10^{\frac{p}{q}} = 2 $$
両辺を $q$ 乗して、
$$ 10^p = 2^q $$
$$ (2 \cdot 5)^p = 2^q $$
$$ 2^p \cdot 5^p = 2^q $$
両辺を $2^p$ で割ると、
$$ 5^p = 2^{q-p} $$
$p$ は自然数($p \geqq 1$)であるから、左辺 $5^p$ は $5$ 以上の奇数である。
一方、右辺について考える。 $q-p > 0$ のとき、右辺 $2^{q-p}$ は偶数となり、左辺が奇数であることと矛盾する。 $q-p \leqq 0$ のとき、右辺 $2^{q-p}$ は $1$ 以下の有理数となり、左辺が $5$ 以上であることと矛盾する。
したがって、いずれの場合も矛盾が生じる。 ゆえに、仮定は誤りであり、$\log_{10} 2$ は無理数である。(証明終)
解説
常用対数の値の評価、および無理数の証明における背理法の典型問題である。
(1) では、対数不等式を累乗の形に戻すことで、具体的な数値の大小比較に帰着させることができる。問題文の $2^{10}=1024, 2^{13}=8192$ はそのための誘導である。
(2) は桁数の決定の基本通り、対象の数の常用対数をとり、連続する2つの整数の間に挟む。$N$ が $k$ 桁の整数であることと、$10^{k-1} \leqq N < 10^k$(すなわち $k-1 \leqq \log_{10} N < k$)は同値である。
(3) は「無理数であることの証明」の定石通り背理法を用いる。有理数と仮定して分数で表し、素因数分解の一意性(この場合は偶奇の違い)を利用して矛盾を導く手法は頻出である。
答え
(1) 略(解法を参照)
(2) $31$ 桁
(3) 略(解法を参照)
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