数学2 指数関数 問題 6 解説

方針・初手
指数関数の和で表された関数の最大・最小や方程式の実数解の個数を考える典型問題である。まずは与えられた変数変換 $t = 2^x + 2^{-x}$ のとりうる値の範囲を、相加平均と相乗平均の大小関係を用いて求める。その後、$y$ を $t$ の2次関数として表し、定義域に注意しながら最小値を求める。実数解の個数については、$t$ と $x$ の対応関係(1つの $t$ に対して $x$ がいくつ存在するか)を正確に調べることが鍵となる。
解法1
(1)
$2^x > 0$、$2^{-x} > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より
$$t = 2^x + 2^{-x} \geqq 2\sqrt{2^x \cdot 2^{-x}} = 2\sqrt{2^0} = 2$$
等号が成立するのは $2^x = 2^{-x}$ のときであり、このとき $2^{2x} = 1$ より $x = 0$ となる。これは実数全体に含まれる。 したがって、$t$ の最小値は $2$ である。
(2)
$y$ の式を変形すると
$$y = (2^x)^2 + (2^{-x})^2 - 6(2^x + 2^{-x})$$
ここで、$t^2 = (2^x + 2^{-x})^2 = (2^x)^2 + 2 \cdot 2^x \cdot 2^{-x} + (2^{-x})^2 = 4^x + 2 + 4^{-x}$ であるから
$$4^x + 4^{-x} = t^2 - 2$$
これを $y$ の式に代入して
$$y = (t^2 - 2) - 6t = t^2 - 6t - 2$$
(3)
(2) より、$y$ を $t$ の関数とみて $f(t) = t^2 - 6t - 2$ とおく。平方完成すると
$$f(t) = (t - 3)^2 - 11$$
(1) より $t$ の定義域は $t \geqq 2$ である。 この範囲において、$f(t)$ は $t = 3$ のとき最小値をとる。 したがって、$y$ の最小値は $-11$ である。
(4)
方程式 $y = a$、すなわち $f(t) = a$ を満たす $t$ ($t \geqq 2$) の個数と、それに対応する $x$ の個数の関係を調べる。
$t = 2^x + 2^{-x}$ より、両辺に $2^x$ を掛けて整理すると
$$(2^x)^2 - t \cdot 2^x + 1 = 0$$
$X = 2^x$ ($X > 0$) とおくと、方程式は $X^2 - tX + 1 = 0$ となる。 この $X$ についての2次方程式の判別式を $D$ とすると
$$D = (-t)^2 - 4 \cdot 1 \cdot 1 = t^2 - 4$$
$t \geqq 2$ の範囲では $D \geqq 0$ となる。 また、2つの解の和は $t > 0$、積は $1 > 0$ であるため、実数解をもつならばそれらはすべて正である。 したがって、$X$ が正の実数解をもてば、$x = \log_2 X$ より実数 $x$ が1つ定まる。
($t$ と $x$ の個数の対応)
- $t = 2$ のとき、$D = 0$ となり $X$ は重解をもつ。よって $X$ は1つ存在し、対応する $x$ は1個である。(具体的には $x=0$)
- $t > 2$ のとき、$D > 0$ となり $X$ は異なる2つの正の実数解をもつ。よって、対応する $x$ は2個である。
次に、$t \geqq 2$ における $u = f(t)$ のグラフと直線 $u = a$ の共有点について考える。 $f(2) = 2^2 - 6 \cdot 2 - 2 = -10$ であり、頂点は $(3, -11)$ であるから、グラフは以下のようになる。 ・$t = 2$ のとき $u = -10$ ・$t = 3$ のとき最小値 $u = -11$ ・$t > 3$ において単調増加
直線 $u = a$ との共有点の $t$ 座標の条件から、対応する $x$ の個数を求める。
(i) $a < -11$ のとき 共有点はない。よって、$t$ は存在せず、$x$ の個数は $0$ 個。
(ii) $a = -11$ のとき $t = 3$ ($t > 2$) の共有点を1つもつ。よって、$x$ の個数は $2$ 個。
(iii) $-11 < a < -10$ のとき $2 < t < 3$ と $t > 3$ の範囲にそれぞれ1つずつ、合計2つの共有点をもつ。どちらの $t$ も $t > 2$ を満たすので、それぞれの $t$ に対して $x$ は2個ずつ存在する。よって、$x$ の個数は $2 + 2 = 4$ 個。
(iv) $a = -10$ のとき $t = 2$ と $t > 3$ の範囲にそれぞれ1つずつ共有点をもつ。$t = 2$ からは $x$ が1個、$t > 2$ の解からは $x$ が2個定まる。よって、$x$ の個数は $1 + 2 = 3$ 個。
(v) $a > -10$ のとき $t > 3$ ($t > 2$) の範囲に共有点を1つもつ。よって、$x$ の個数は $2$ 個。
以上をまとめることで、求める個数が得られる。
解説
指数関数の対称式を利用した典型的な問題である。$t = a^x + a^{-x}$ とおくおき換えでは、相加平均と相乗平均の大小関係を用いて $t$ の定義域を求めることが必須となる。 後半の(4)のような解の個数を問う問題では、「$y$ の値が定まったときに、$t$ がいくつ定まるか」だけでなく、「$t$ の値が1つ定まったときに、$x$ がいくつ定まるか」という対応関係に注意を払う必要がある。本問のように、$t$ の値の範囲によって対応する $x$ の個数が変化する($t=2$ なら1個、$t>2$ なら2個)点を見落とさないようにしたい。
答え
(1) 2
(2) $y = t^2 - 6t - 2$
(3) -11
(4) $a < -11$ のとき 0個
$a = -11, \ a > -10$ のとき 2個
$a = -10$ のとき 3個
$-11 < a < -10$ のとき 4個
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