数学2 指数関数 問題 7 解説

方針・初手
動点 $\text{R}$ の軌跡である曲線 $y = f_n(x)$ と、三角形 $T_k$ の位置関係を調べる。
$f_n(x)$ は単調減少であり、$T_k$ は区間 $\left(\frac{k-1}{500}, \frac{k}{500}\right)$ において $0 < y < 1$ の範囲に存在する。 曲線が $T_k$ の内部を通過するための条件を、区間の右端 $x = \frac{k}{500}$ における曲線の高さと、三角形の最大の高さ $1$ との大小比較から導くことが第一歩となる。
解法1
三角形 $T_k$ の内部の領域を表す不等式を求める。
3頂点は $\text{P}_{k-1} \left(\frac{k-1}{500}, 0\right)$, $\text{P}_k \left(\frac{k}{500}, 0\right)$, $\text{Q}_k \left(\frac{k}{500}, 1\right)$ である。 $x$ 座標の範囲は $\frac{k-1}{500} < x < \frac{k}{500}$ である。 斜辺 $\text{P}_{k-1}\text{Q}_k$ の方程式は、傾きが $\frac{1 - 0}{\frac{k}{500} - \frac{k-1}{500}} = 500$ であるから、
$$y = 500\left(x - \frac{k-1}{500}\right) = 500x - (k-1)$$
よって、$T_k$ の内部の領域は以下の連立不等式で表される。
$$\frac{k-1}{500} < x < \frac{k}{500} \quad \text{かつ} \quad 0 < y < 500x - (k-1)$$
一方、曲線 $y = f_n(x) = 2 \cdot 10^{-nx}$ は単調減少関数であり、常に $y > 0$ を満たす。 したがって、曲線が $T_k$ の内部を通過するためには、区間 $\left(\frac{k-1}{500}, \frac{k}{500}\right)$ において、$f_n(x) < 500x - (k-1)$ となる実数 $x$ が存在することが必要十分である。
(i) $f_n\left(\frac{k}{500}\right) \ge 1$ のとき
関数 $f_n(x)$ は単調減少であるため、$x < \frac{k}{500}$ の範囲では $f_n(x) > 1$ となる。 一方、区間 $\frac{k-1}{500} < x < \frac{k}{500}$ において、斜辺の $y$ 座標は $500x - (k-1) < 1$ である。 よって、この区間で常に $f_n(x) > 500x - (k-1)$ となり、曲線は $T_k$ の内部を通過しない。
(ii) $f_n\left(\frac{k}{500}\right) < 1$ のとき
関数 $g(x) = 500x - (k-1) - f_n(x)$ を考えると、$g(x)$ は連続関数である。 $x = \frac{k}{500}$ において、
$$g\left(\frac{k}{500}\right) = 1 - f_n\left(\frac{k}{500}\right) > 0$$
連続性より、$\frac{k}{500}$ より少し小さい $x$ において $g(x) > 0$、すなわち $f_n(x) < 500x - (k-1)$ が成立する。 このとき $f_n(x) > 0$ は常に成り立つため、曲線は $T_k$ の内部を通過する。
以上より、曲線が $T_k$ の内部を通過するための必要十分条件は、$f_n\left(\frac{k}{500}\right) < 1$ である。
また、$f_n(x)$ は単調減少であるから、$f_n\left(\frac{k}{500}\right) < 1$ ならば、それより大きい任意の自然数 $l > k$ についても $f_n\left(\frac{l}{500}\right) < 1$ となり、$T_l$ の内部を通過する。 逆に、$f_n\left(\frac{k}{500}\right) \ge 1$ ならば、$m \le k$ なる任意の自然数 $m$ について $f_n\left(\frac{m}{500}\right) \ge 1$ となり、$T_m$ の内部を通過しない。
動点 $\text{R}$ が最初に内部を通過する三角形が $T_8$ となるのは、$T_1, \dots, T_7$ の内部を通過せず、かつ $T_8$ の内部を通過するときであるから、
$$f_n\left(\frac{7}{500}\right) \ge 1 \quad \text{かつ} \quad f_n\left(\frac{8}{500}\right) < 1$$
が成り立つことと同値である。
$f_n(x) = 2 \cdot 10^{-nx}$ より、1つ目の不等式は、
$$2 \cdot 10^{-\frac{7n}{500}} \ge 1 \iff 10^{-\frac{7n}{500}} \ge \frac{1}{2} \iff -\frac{7n}{500} \ge -\log_{10} 2$$
ゆえに、
$$n \le \frac{500 \log_{10} 2}{7}$$
同様に、2つ目の不等式は、
$$2 \cdot 10^{-\frac{8n}{500}} < 1 \iff 10^{-\frac{8n}{500}} < \frac{1}{2} \iff -\frac{8n}{500} < -\log_{10} 2$$
ゆえに、
$$n > \frac{500 \log_{10} 2}{8}$$
ここで、$\log_{10} 2 = 0.3010$ を代入して計算する。
$$\frac{500 \times 0.3010}{7} = \frac{150.5}{7} = 21.5$$
$$\frac{500 \times 0.3010}{8} = \frac{150.5}{8} = 18.8125$$
したがって、求める自然数 $n$ の範囲は以下のようになる。
$$18.8125 < n \le 21.5$$
これを満たす自然数 $n$ は $19, 20, 21$ である。
解説
図形と曲線の交差条件を、数式によって適切に処理する力が問われている問題である。
各 $T_k$ は区間の幅が $\frac{1}{500}$ で、右端における最大の高さが共通して $1$ である。この性質と、関数 $f_n(x)$ が単調減少であることを組み合わせると、$T_k$ の内部を通過する条件が「区間の右端 $x = \frac{k}{500}$ における $f_n(x)$ の値が $1$ より小さいこと」という非常にシンプルなものに帰着される。これに気づければ、あとは対数を用いた基本的な不等式計算となる。
答え
$$n = 19, 20, 21$$
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