トップ 基礎問題 数学2 指数対数 対数関数 問題 11

数学2 対数関数 問題 11 解説

数学2 対数関数 問題 11 解説

方針・初手

対数不等式を解く際の基本として、まず真数条件を確認する。次に、両辺の対数の底が $a$ と $2a$ で異なるため、底の変換公式を用いて底を統一する。底を $a$ に揃えて変形するか、あるいは自然対数や常用対数など定数に揃えるかで計算の進め方が変わる。ここではその両方のアプローチを示す。

解法1

真数は正であるから、$x^2 - 2x > 0$ かつ $2(x^2 - 2x) > 0$ である。 これは $x(x - 2) > 0$ と同値である。 よって、真数条件は以下のようになる。

$$x < 0 \text{ または } 2 < x \quad \cdots \text{①}$$

式を簡略化するため、$X = x^2 - 2x$ とおく(①より $X > 0$)。 与えられた不等式 $\log_a X \leqq \log_{2a} 2X$ の右辺に対し、底の変換公式を用いて底を $a$ に揃える。

$$\begin{aligned} \log_a X &\leqq \frac{\log_a 2X}{\log_a 2a} \\ \log_a X &\leqq \frac{\log_a 2 + \log_a X}{\log_a 2 + 1} \end{aligned}$$

左辺に移項して通分する。

$$\frac{(\log_a 2 + 1)\log_a X - (\log_a 2 + \log_a X)}{\log_a 2 + 1} \leqq 0$$

$$\frac{\log_a 2 \cdot (\log_a X - 1)}{\log_a 2a} \leqq 0$$

底の変換公式より $\frac{\log_a 2}{\log_a 2a} = \log_{2a} 2$ であるから、次のように整理できる。

$$\log_{2a} 2 \cdot (\log_a X - 1) \leqq 0$$

これを満たす $X$ の範囲を求める。$a$ の値によって $\log_{2a} 2$ の符号が変わるため、場合分けを行う。問題の条件より $a > 0, a \neq 1, a \neq \frac{1}{2}$ である。

(i) $a > 1$ のとき 底 $2a > 1$ であり、真数 $2 > 1$ だから $\log_{2a} 2 > 0$ である。 したがって、$\log_a X - 1 \leqq 0$ すなわち $\log_a X \leqq \log_a a$ となる。 底 $a > 1$ より不等号の向きは変わらず、$X \leqq a$ を得る。 $x^2 - 2x - a \leqq 0$ を解くと、$1 - \sqrt{1+a} \leqq x \leqq 1 + \sqrt{1+a}$ となる。 $a > 0$ より $\sqrt{1+a} > 1$ だから $1 - \sqrt{1+a} < 0, 1 + \sqrt{1+a} > 2$ である。 条件①との共通範囲をとると、

$$1 - \sqrt{1+a} \leqq x < 0, \quad 2 < x \leqq 1 + \sqrt{1+a}$$

(ii) $\frac{1}{2} < a < 1$ のとき 底 $2a > 1$ であり、真数 $2 > 1$ だから $\log_{2a} 2 > 0$ である。 したがって、$\log_a X - 1 \leqq 0$ すなわち $\log_a X \leqq \log_a a$ となる。 底 $0 < a < 1$ より不等号の向きが逆転し、$X \geqq a$ を得る。 $x^2 - 2x - a \geqq 0$ を解くと、$x \leqq 1 - \sqrt{1+a}$ または $1 + \sqrt{1+a} \leqq x$ となる。 これは条件①を常に満たす。よって、

$$x \leqq 1 - \sqrt{1+a}, \quad 1 + \sqrt{1+a} \leqq x$$

(iii) $0 < a < \frac{1}{2}$ のとき 底 $0 < 2a < 1$ であり、真数 $2 > 1$ だから $\log_{2a} 2 < 0$ である。 したがって、$\log_a X - 1 \geqq 0$ すなわち $\log_a X \geqq \log_a a$ となる。 底 $0 < a < 1$ より不等号の向きが逆転し、$X \leqq a$ を得る。 以降は (i) と同様の計算により、

$$1 - \sqrt{1+a} \leqq x < 0, \quad 2 < x \leqq 1 + \sqrt{1+a}$$

解法2

真数条件は解法1と同様であり、$X = x^2 - 2x$ とおいて $X > 0$ とする。 不等式の両辺の底を自然対数 $e$ ($e > 1$)に揃える。

$$\frac{\ln X}{\ln a} \leqq \frac{\ln 2X}{\ln 2a}$$

$$\frac{\ln X}{\ln a} - \frac{\ln 2 + \ln X}{\ln 2a} \leqq 0$$

通分して分子を整理する。

$$\begin{aligned} \frac{\ln 2a \ln X - \ln a (\ln 2 + \ln X)}{\ln a \ln 2a} &\leqq 0 \\ \frac{(\ln 2a - \ln a) \ln X - \ln 2 \ln a}{\ln a \ln 2a} &\leqq 0 \\ \frac{\ln 2 \cdot \ln X - \ln 2 \ln a}{\ln a \ln 2a} &\leqq 0 \\ \frac{\ln 2 (\ln X - \ln a)}{\ln a \ln 2a} &\leqq 0 \end{aligned}$$

$\ln 2 > 0$ であるから、両辺を $\ln 2$ で割って次を得る。

$$\frac{\ln X - \ln a}{\ln a \ln 2a} \leqq 0$$

分母の符号によって場合分けを行う。

(i) $\ln a \ln 2a > 0$ のとき $\ln a > 0$ かつ $\ln 2a > 0$、または $\ln a < 0$ かつ $\ln 2a < 0$ である。 前者は $a > 1$ かつ $a > \frac{1}{2}$ より $a > 1$ となる。 後者は $0 < a < 1$ かつ $0 < a < \frac{1}{2}$ より $0 < a < \frac{1}{2}$ となる。 このとき、不等式は $\ln X - \ln a \leqq 0$ すなわち $X \leqq a$ となる。 以降の計算は解法1と同様である。

(ii) $\ln a \ln 2a < 0$ のとき $\ln a > 0$ かつ $\ln 2a < 0$ は、$a > 1$ かつ $a < \frac{1}{2}$ となり不適である。 $\ln a < 0$ かつ $\ln 2a > 0$ は、$0 < a < 1$ かつ $a > \frac{1}{2}$ より $\frac{1}{2} < a < 1$ となる。 このとき、不等式は $\ln X - \ln a \geqq 0$ すなわち $X \geqq a$ となる。 以降の計算は解法1と同様である。

解説

対数不等式の問題では、まず真数条件を書き出しておくことが必須である。 本問のように底に文字が含まれる場合、底が1より大きいか小さいかによって大小関係が逆転するため、慎重な場合分けが要求される。 解法1のように底を $a$ に揃える方法が標準的だが、解法2のように自然対数(または常用対数)に揃えることで、底による大小関係の逆転を意識することなく、最終的な符号判定(分母分子の正負)に場合分けを集約させることができる。この手法は計算ミスを減らし、見通しを良くする実戦的なテクニックである。

答え

$a > 1$ または $0 < a < \frac{1}{2}$ のとき

$$1 - \sqrt{1+a} \leqq x < 0, \quad 2 < x \leqq 1 + \sqrt{1+a}$$

$\frac{1}{2} < a < 1$ のとき

$$x \leqq 1 - \sqrt{1+a}, \quad 1 + \sqrt{1+a} \leqq x$$

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