トップ 基礎問題 数学2 指数対数 対数関数 問題 14

数学2 対数関数 問題 14 解説

数学2 対数関数 問題 14 解説

方針・初手

(1) は複数の文字を含む式の因数分解の基本である「1つの文字について整理する」方針をとる。因数分解した結果の各因数の符号を調べることで、不等式を証明する。

(2) は対数の底が揃っていないため、底の変換公式を用いて底を統一する。底を1より大きい定数で統一し、(1) で証明した不等式を利用できる形に式変形していく。

解法1

(1)

与式の左辺を $x$ について整理し、因数分解する。

$$xy^2 - x^2y + yz^2 - y^2z + zx^2 - z^2x$$

$$= -(y - z)x^2 + (y^2 - z^2)x - yz(y - z)$$

$$= -(y - z)x^2 + (y - z)(y + z)x - yz(y - z)$$

$$= -(y - z) \{ x^2 - (y + z)x + yz \}$$

$$= -(y - z)(x - y)(x - z)$$

$$= (x - y)(y - z)(z - x)$$

条件 $x < y < z$ より、各因数の符号は以下のようになる。

$$x - y < 0, \quad y - z < 0, \quad z - x > 0$$

したがって、負の数が2つ、正の数が1つの積となるため、次が成り立つ。

$$(x - y)(y - z)(z - x) > 0$$

よって、不等式 $xy^2 - x^2y + yz^2 - y^2z + zx^2 - z^2x > 0$ が成り立つことが示された。

(2)

1より大きい任意の定数 $p$($p > 1$)を底として、対数の底の変換を行う。

条件 $1 < a < b < c$ において、底 $p$ の対数をとると、底が1より大きいため大小関係は保存され、次のようになる。

$$0 < \log_p a < \log_p b < \log_p c$$

ここで、$x = \log_p a$、$y = \log_p b$、$z = \log_p c$ とおくと、上の関係式から次が成り立つ。

$$0 < x < y < z$$

次に、与式の左辺に対して底の変換公式を適用する。

$$\log_a \frac{c}{b} + \log_b \frac{a}{c} + \log_c \frac{b}{a}$$

$$= \frac{\log_p c - \log_p b}{\log_p a} + \frac{\log_p a - \log_p c}{\log_p b} + \frac{\log_p b - \log_p a}{\log_p c}$$

これを $x, y, z$ を用いて書き換えると、以下のようになる。

$$\frac{z - y}{x} + \frac{x - z}{y} + \frac{y - x}{z}$$

この式を通分して整理する。

$$\frac{yz(z - y) + zx(x - z) + xy(y - x)}{xyz}$$

$$= \frac{yz^2 - y^2z + zx^2 - z^2x + xy^2 - x^2y}{xyz}$$

分子は (1) で与えられた不等式の左辺と全く同じ式である。したがって、(1) の結果を利用して因数分解すると、次の形になる。

$$\frac{(x - y)(y - z)(z - x)}{xyz}$$

ここで、$0 < x < y < z$ であるから、分母と分子の符号を調べる。

分母について、$x > 0$、$y > 0$、$z > 0$ であるから、次が成り立つ。

$$xyz > 0$$

分子について、(1) と同様に $x - y < 0$、$y - z < 0$、$z - x > 0$ であるから、次が成り立つ。

$$(x - y)(y - z)(z - x) > 0$$

分母も分子も正であるため、全体としても正となる。

$$\frac{(x - y)(y - z)(z - x)}{xyz} > 0$$

以上により、不等式 $\log_a \frac{c}{b} + \log_b \frac{a}{c} + \log_c \frac{b}{a} > 0$ が成り立つことが示された。

解説

(1) は複数の文字が含まれる多項式の因数分解の典型問題である。各文字について次数が同じ(この場合はすべて2次)であるため、どれか1つの文字に着目して降べきの順に整理することが基本である。今回は $x$ について整理した。また、この式が $x, y, z$ の交代式(任意の2つの文字を入れ替えると符号が反転する式)であることから、$(x - y)(y - z)(z - x)$ を因数に持つことを見抜いて変形することもできる。

(2)(1) が誘導となっていることに気づけるかが鍵となる。対数の和の不等式であるが、底がバラバラであるため、まずは底の変換公式を用いて底を統一する。その際、底として「1より大きい定数」を選び、文字で置き換えることで (1) の形がそのまま現れる。与えられた条件 $1 < a < b < c$ から、置き換えた文字の正負や大小関係を正確に把握することが重要である。

答え

(1) 与えられた不等式が成り立つことを示した。(証明は解法1を参照)

(2) 与えられた不等式が成り立つことを示した。(証明は解法1を参照)

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