数学2 対数関数 問題 25 解説

方針・初手
不等式に含まれる対数の底が $x$ と $y$ の2種類混在しているため、まずは底を統一します。右辺に $\log_x 2$ や $\log_y 2$ があることから、底を $2$ にそろえるのが見通しを良くするコツです。その後、$\log_2 x = X$、$\log_2 y = Y$ と置き換えて代数的な不等式に帰着させ、因数分解を用いて $X$ と $Y$ の満たすべき条件を絞り込みます。最後にその条件を $x, y$ 平面上の領域として解釈します。
解法1
問題の条件より、$x > 0, x \neq 1$ および $y > 0, y \neq 1$ である。 底の変換公式を用いて、与えられた不等式の対数の底をすべて $2$ に統一する。
$$\frac{\log_2 y}{\log_2 x} + \frac{\log_2 x}{\log_2 y} > 2 + \frac{1}{\log_2 x} \cdot \frac{1}{\log_2 y}$$
ここで、$X = \log_2 x$、$Y = \log_2 y$ とおく。 底と真数の条件より、$x \neq 1, y \neq 1$ であるから、$X \neq 0, Y \neq 0$ である。 不等式は次のように書き換えられる。
$$\frac{Y}{X} + \frac{X}{Y} > 2 + \frac{1}{XY}$$
両辺を通分して整理する。
$$\frac{X^2 + Y^2}{XY} > \frac{2XY + 1}{XY}$$
移項して分子をまとめる。
$$\frac{X^2 - 2XY + Y^2 - 1}{XY} > 0$$
分子は平方の形を用いて因数分解できる。
$$\frac{(X - Y)^2 - 1}{XY} > 0$$
$$\frac{(X - Y - 1)(X - Y + 1)}{XY} > 0$$
この不等式が成り立つのは、分子と分母が同符号のときであるから、次の (i) または (ii) の場合が考えられる。
(i) $(X - Y - 1)(X - Y + 1) > 0$ かつ $XY > 0$ の場合
$(X - Y - 1)(X - Y + 1) > 0$ より、$X - Y < -1$ または $X - Y > 1$ となる。 これを $X, Y$ を元の対数に戻して変形すると、
$$\log_2 x - \log_2 y < -1 \quad \text{または} \quad \log_2 x - \log_2 y > 1$$
$$\log_2 \frac{x}{y} < -1 \quad \text{または} \quad \log_2 \frac{x}{y} > 1$$
底 $2$ は $1$ より大きいので、大小関係はそのままとなり、
$$\frac{x}{y} < \frac{1}{2} \quad \text{または} \quad \frac{x}{y} > 2$$
$y > 0$ であるから、両辺に $y$ を掛けて、
$$y > 2x \quad \text{または} \quad y < \frac{1}{2}x$$
また、$XY > 0$ より、$\log_2 x \cdot \log_2 y > 0$ となる。これは $X$ と $Y$ が同符号であることを意味するので、
$$(x > 1 \text{ かつ } y > 1) \quad \text{または} \quad (0 < x < 1 \text{ かつ } 0 < y < 1)$$
(ii) $(X - Y - 1)(X - Y + 1) < 0$ かつ $XY < 0$ の場合
$(X - Y - 1)(X - Y + 1) < 0$ より、$-1 < X - Y < 1$ となる。 先ほどと同様に対数に戻して変形すると、
$$-1 < \log_2 \frac{x}{y} < 1$$
$$\frac{1}{2} < \frac{x}{y} < 2$$
$y > 0$ より、これを $y$ について解くと、
$$\frac{1}{2}x < y < 2x$$
また、$XY < 0$ より、$\log_2 x \cdot \log_2 y < 0$ となる。これは $X$ と $Y$ が異符号であることを意味するので、
$$(x > 1 \text{ かつ } 0 < y < 1) \quad \text{または} \quad (0 < x < 1 \text{ かつ } y > 1)$$
以上の (i)、(ii) の条件をまとめると、求める $x, y$ の組の範囲は、これらの連立不等式を満たす領域となる。
解説
対数不等式において、底の統一から置換、因数分解を経て場合分けに持ち込むという、基本的な手法の組み合わせを問う良問です。分母に文字を含む不等式 $\frac{A}{B} > 0$ を解く際、安易に分母を払うのではなく、「$A$ と $B$ が同符号である」として場合分けを行うか、両辺に正であることが確定している $B^2$ を掛けるアプローチを取るのが確実です。本解説では同符号・異符号での場合分けを採用しました。領域を図示する際は、境界線の交点(たとえば $(1, 2)$ や $(1, 1/2)$ など)を正確に把握し、開領域であることを明記する点に注意が必要です。
答え
求める $(x, y)$ の範囲は、次のいずれかの連立不等式を満たす領域である。
- $x > 1$ かつ $y > 1$ かつ $\left( y > 2x \text{ または } y < \frac{1}{2}x \right)$
- $0 < x < 1$ かつ $0 < y < 1$ かつ $\left( y > 2x \text{ または } y < \frac{1}{2}x \right)$
- $x > 1$ かつ $0 < y < 1$ かつ $\frac{1}{2}x < y < 2x$
- $0 < x < 1$ かつ $y > 1$ かつ $\frac{1}{2}x < y < 2x$
図示すると、直線 $y = 2x$、$y = \frac{1}{2}x$、$x = 1$、$y = 1$ および $x$ 軸、$y$ 軸を境界とする領域のうち、上記条件を満たす部分となる。なお、境界線はいずれも含まない。
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