数学2 対数関数 問題 39 解説

方針・初手
対数の性質を用いて、与式を1つの対数にまとめる。底の $10$ は $1$ より大きいので、対数の値が最大になるのは真数の部分が最大になるときである。したがって、与えられた条件 $x+2y=8$ のもとで、真数部分の最大値を求める問題に帰着させる。条件式を用いて文字を消去し1変数関数の最大値を求める方法と、相加平均と相乗平均の大小関係を利用する方法がある。
解法1
条件 $x+2y=8$ より、$x = 8-2y$ である。
$x>0$ かつ $y>0$ であるから、$8-2y>0$ より $0<y<4$ である。
前半について、対数の性質より以下のように変形できる。
$$\log_{10} x + \log_{10} y = \log_{10} (xy)$$
底の $10$ は $1$ より大きいため、$xy$ が最大のとき与式も最大となる。$x$ を消去すると、
$$xy = (8-2y)y = -2(y-2)^2 + 8$$
$0<y<4$ の範囲において、これは $y=2$ のとき最大値 $8$ をとる。このとき $x = 8 - 2 \cdot 2 = 4$ である。
よって、$(x, y) = (4, 2)$ のとき、最大値は $\log_{10} 8 = 3 \log_{10} 2$ となる。
後半について、同様に対数をまとめると、
$$\log_{10} x + 2 \log_{10} y = \log_{10} (xy^2)$$
$xy^2$ が最大のとき、与式も最大となる。$y$ の関数として $f(y) = xy^2$ とおくと、
$$f(y) = (8-2y)y^2 = -2y^3 + 8y^2$$
これを $y$ で微分すると、
$$f'(y) = -6y^2 + 16y = -2y(3y-8)$$
$0<y<4$ の範囲において $f'(y) = 0$ となるのは $y = \frac{8}{3}$ のときである。増減表は以下のようになる。
$$\begin{array}{c|ccccc} y & (0) & \cdots & \frac{8}{3} & \cdots & (4) \\ \hline f'(y) & & + & 0 & - & \\ \hline f(y) & & \nearrow & \text{極大} & \searrow & \end{array}$$
したがって、$f(y)$ は $y = \frac{8}{3}$ で最大値をとる。このとき $x = 8 - 2 \cdot \frac{8}{3} = \frac{8}{3}$ である。
最大値は以下のようになる。
$$\log_{10} f\left(\frac{8}{3}\right) = \log_{10} \left( \frac{8}{3} \cdot \left(\frac{8}{3}\right)^2 \right) = \log_{10} \frac{512}{27} = 9 \log_{10} 2 - 3 \log_{10} 3$$
よって、$(x, y) = \left(\frac{8}{3}, \frac{8}{3}\right)$ のとき、最大値は $9 \log_{10} 2 - 3 \log_{10} 3$ となる。
解法2
相加平均と相乗平均の大小関係を用いて解く。
前半について、$x>0, 2y>0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より、
$$x + 2y \geqq 2\sqrt{x \cdot 2y} = 2\sqrt{2xy}$$
$x+2y=8$ を代入すると、
$$8 \geqq 2\sqrt{2xy}$$
$$\sqrt{2xy} \leqq 4$$
両辺は正であるから2乗して整理すると、$xy \leqq 8$ を得る。
等号が成立するのは $x = 2y$ のときである。$x+2y=8$ と連立して解くと、$(x, y) = (4, 2)$ となり $x>0, y>0$ を満たす。
したがって、$xy$ は $(x, y) = (4, 2)$ のとき最大値 $8$ をとる。このとき $\log_{10}(xy)$ の最大値は $\log_{10} 8 = 3 \log_{10} 2$ である。
後半について、$xy^2$ の最大値を考える。$x>0, y>0$ であるから、正の数 $x, y, y$ について3変数の相加平均と相乗平均の大小関係を用いると、
$$x + y + y \geqq 3\sqrt[3]{x \cdot y \cdot y} = 3\sqrt[3]{xy^2}$$
$x+2y=8$ を代入すると、
$$8 \geqq 3\sqrt[3]{xy^2}$$
$$\sqrt[3]{xy^2} \leqq \frac{8}{3}$$
両辺を3乗すると、$xy^2 \leqq \frac{512}{27}$ を得る。
等号が成立するのは $x = y = y$、すなわち $x = y$ のときである。$x+2y=8$ と連立して解くと、$(x, y) = \left(\frac{8}{3}, \frac{8}{3}\right)$ となり $x>0, y>0$ を満たす。
したがって、$xy^2$ は $(x, y) = \left(\frac{8}{3}, \frac{8}{3}\right)$ のとき最大値 $\frac{512}{27}$ をとる。このとき $\log_{10}(xy^2)$ の最大値は $\log_{10} \frac{512}{27} = 9 \log_{10} 2 - 3 \log_{10} 3$ である。
解説
条件式が1次式で、積の形の最大値を求める問題である。対数関数の性質から真数の最大化問題へと帰着させるのが第一歩となる。
解法1は、条件式を用いて変数を消去し、1変数関数として微分(または平方完成)により最大値を求める王道の手法である。変数を消去した際は、残った変数の定義域を確認することを忘れないようにしたい。
解法2は、相加平均と相乗平均の大小関係を用いるエレガントな手法である。特に後半の $\log_{10} x + 2\log_{10} y$ の真数 $xy^2$ に対して、条件式 $x+2y=8$ を $x+y+y=8$ と見なして3変数の相加平均・相乗平均に持ち込む工夫は、微分を回避できる強力な武器となるため習得しておきたい。
答え
[ア] $(4, 2)$
[イ] $3 \log_{10} 2$ (または $\log_{10} 8$)
[ウ] $\left(\frac{8}{3}, \frac{8}{3}\right)$
[エ] $9 \log_{10} 2 - 3 \log_{10} 3$ (または $\log_{10} \frac{512}{27}$)
自分の記録
誤りを報告
問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





