数学2 対数関数 問題 58 解説

方針・初手
対数方程式を解くにあたり、まずは真数条件を確認する。その後、対数の性質を用いて式を展開し、$t = \log_{\frac{1}{10}} x$ とおくことで、$t$ についての2次方程式に帰着させる。さらに、「$x$ が $\sqrt{10}$ より大きい」という条件を $t$ の変域の条件に変換し、2次方程式の解の配置問題(判別式、軸の位置、端点の符号)として処理する。
解法1
対数の真数条件より、$x > 0$ かつ $ax > 0$ である。 方程式が $x > \sqrt{10} > 0$ なる解をもつためには、$a > 0$ でなければならない。
与えられた方程式の第1項を展開すると、
$$\left( \log_{\frac{1}{10}} a + \log_{\frac{1}{10}} x \right)^2 + \log_{\frac{1}{10}} x + \frac{1}{4} = 0$$
ここで、$t = \log_{\frac{1}{10}} x$ とおく。
底が $\frac{1}{10}$ であり、$0 < \frac{1}{10} < 1$ であるから、$x > \sqrt{10}$ のとき、
$$\log_{\frac{1}{10}} x < \log_{\frac{1}{10}} \sqrt{10}$$
$$t < \log_{10^{-1}} 10^{\frac{1}{2}}$$
$$t < -\frac{1}{2}$$
となる。したがって、与えられた方程式が条件を満たすのは、$t$ についての2次方程式
$$\left( \log_{\frac{1}{10}} a + t \right)^2 + t + \frac{1}{4} = 0$$
が実数解をもち、そのすべての解が $t < -\frac{1}{2}$ を満たすときである。
$A = \log_{\frac{1}{10}} a$ とおき、この2次方程式を展開して $t$ について整理する。
$$t^2 + 2At + A^2 + t + \frac{1}{4} = 0$$
$$t^2 + (2A + 1)t + A^2 + \frac{1}{4} = 0$$
この左辺を $f(t)$ とおく。 $f(t) = 0$ が実数解をもち、それらがすべて $-\frac{1}{2}$ より小さくなる条件は、判別式を $D$ とすると、以下の3つを同時に満たすことである。
(1) $D \ge 0$
(2) 放物線 $y = f(t)$ の軸が $t < -\frac{1}{2}$ にある
(3) $f\left(-\frac{1}{2}\right) > 0$
(1) について、
$$D = (2A + 1)^2 - 4\left(A^2 + \frac{1}{4}\right)$$
$$= 4A^2 + 4A + 1 - 4A^2 - 1 = 4A$$
であるから、$4A \ge 0$ より $A \ge 0$ となる。
(2) について、$f(t)$ を平方完成すると、
$$f(t) = \left( t + \frac{2A + 1}{2} \right)^2 - \frac{(2A + 1)^2}{4} + A^2 + \frac{1}{4}$$
軸は直線 $t = -A - \frac{1}{2}$ であるから、
$$-A - \frac{1}{2} < -\frac{1}{2}$$
これを解いて、$A > 0$ となる。
(3) について、
$$f\left(-\frac{1}{2}\right) = \left(-\frac{1}{2}\right)^2 + (2A + 1)\left(-\frac{1}{2}\right) + A^2 + \frac{1}{4}$$
$$= \frac{1}{4} - A - \frac{1}{2} + A^2 + \frac{1}{4}$$
$$= A^2 - A$$
であるから、$A^2 - A > 0$ より $A(A - 1) > 0$ となり、
$$A < 0 \quad \text{または} \quad A > 1$$
となる。
(1)、(2)、(3) の共通範囲を求めると、
$$A > 1$$
となる。ここで $A = \log_{\frac{1}{10}} a$ を戻すと、
$$\log_{\frac{1}{10}} a > 1$$
$$\log_{\frac{1}{10}} a > \log_{\frac{1}{10}} \frac{1}{10}$$
底 $\frac{1}{10}$ は1より小さいから、不等号の向きが逆転し、
$$0 < a < \frac{1}{10}$$
となる。これは真数条件 $a > 0$ を満たしている。
解説
対数を含む方程式を、変数変換によって2次方程式の解の配置問題に帰着させる典型的な問題である。文字で置き換えた際に、元の変数の条件($x > \sqrt{10}$)を新しい変数($t$)の条件に正しく書き換えることが重要となる。対数の底が $1$ より小さい場合は、大小関係の不等号が逆転することに注意しなければならない。また、真数条件の確認を忘れないようにする。
答え
$0 < a < \frac{1}{10}$
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