数学2 対数関数 問題 66 解説

方針・初手
(1) は微分可能な関数の差を評価する問題であるから、平均値の定理、または積分を用いた不等式評価のいずれかを選択する。
(2) は(1)の不等式を用いて、数列 $[f(n)]$ の値の種類を数える問題である。$f(n+1) - f(n)$ の大きさに着目し、$1$ より大きい区間と $1$ 未満の区間で、数列がどのように増加していくかを調べる。
解法1
(1)
関数 $f(t) = 100 \log t$ は $t > 0$ で連続かつ微分可能であり、$f'(t) = \frac{100}{t}$ である。 $x > 0$ に対して、区間 $[x, x+1]$ において平均値の定理を用いると、
$$\frac{f(x+1) - f(x)}{(x+1) - x} = f'(c)$$
を満たす $c$ が $x < c < x+1$ に存在する。 $f'(c) = \frac{100}{c}$ であり、$x < c < x+1$ の各辺は正であるから、逆数をとって
$$\frac{1}{x+1} < \frac{1}{c} < \frac{1}{x}$$
各辺に $100$ を掛けると、
$$\frac{100}{x+1} < \frac{100}{c} < \frac{100}{x}$$
したがって、
$$\frac{100}{x+1} < f(x+1) - f(x) < \frac{100}{x}$$
が成り立つ。
(2)
(1) の不等式において $x=n$ ($n$ は自然数) とすると、
$$\frac{100}{n+1} < f(n+1) - f(n) < \frac{100}{n}$$
となる。ここで、$n$ の値によって場合分けを行う。
(i) $1 \leqq n \leqq 99$ の場合
$\frac{100}{n+1} \geqq \frac{100}{100} = 1$ であるから、
$$f(n+1) - f(n) > 1$$
が成り立つ。 ここで、$f(n)$ を整数部分 $[f(n)]$ と小数部分 $\alpha$ ($0 \leqq \alpha < 1$) を用いて $f(n) = [f(n)] + \alpha$ と表すと、
$$f(n+1) > [f(n)] + \alpha + 1 \geqq [f(n)] + 1$$
$f(n+1) > [f(n)] + 1$ であり、$[f(n+1)]$ は $f(n+1)$ 以下の最大の整数であるから、
$$[f(n+1)] \geqq [f(n)] + 1$$
が成り立つ。すなわち、$n$ が $1$ から $99$ までの間、数列 $[f(n)]$ は狭義単調増加であり、値が重複することはない。 したがって、$[f(1)], [f(2)], \dots, [f(100)]$ の $100$ 個の値はすべて異なる。
(ii) $100 \leqq n \leqq 999$ の場合
$\frac{100}{n} \leqq \frac{100}{100} = 1$ であるから、
$$0 < f(n+1) - f(n) < 1$$
が成り立つ。これより、$f(n+1)$ と $f(n)$ の差は $1$ より小さい。 ここで、もし $[f(n+1)] - [f(n)] \geqq 2$ であると仮定すると、
$$f(n+1) \geqq [f(n+1)] \geqq [f(n)] + 2 > (f(n) - 1) + 2 = f(n) + 1$$
となり、$f(n+1) - f(n) > 1$ となって矛盾する。 また、$f(x)$ は単調増加であるから $[f(n+1)] \geqq [f(n)]$ である。 よって、$[f(n+1)] - [f(n)]$ は $0$ または $1$ のいずれかである。 これは、$n$ が $100$ から $1000$ までの間、数列 $[f(n)]$ は同じ値に留まるか、$1$ だけ増加しながら進むことを意味する。 したがって、数列 $[f(n)]$ は値が飛ぶことなく、$[f(100)]$ から $[f(1000)]$ までの間のすべての整数値を漏れなく取る。
(i), (ii) より、求める「異なるものの個数」は、$1 \leqq n \leqq 99$ における $99$ 個の異なる値と、$100 \leqq n \leqq 1000$ における整数の個数 $([f(1000)] - [f(100)] + 1)$ 個の和である。 ($[f(99)] < [f(100)]$ であるため、この2つの範囲で値が重複することはない)
ここで、$\log 10 = 2.3026$ として $[f(100)]$ と $[f(1000)]$ の値を計算する。
$$f(100) = 100 \log 100 = 200 \log 10 = 200 \times 2.3026 = 460.52$$
よって、$[f(100)] = 460$ である。
$$f(1000) = 100 \log 1000 = 300 \log 10 = 300 \times 2.3026 = 690.78$$
よって、$[f(1000)] = 690$ である。
したがって、求める個数は
$$99 + (690 - 460 + 1) = 330$$
となる。
解法2
(1) の別解
$x > 0$ とし、$t$ を $x \leqq t \leqq x+1$ を満たす実数とする。 この区間において、関数 $y = \frac{100}{t}$ は単調に減少するので、$x < t < x+1$ のとき、
$$\frac{100}{x+1} < \frac{100}{t} < \frac{100}{x}$$
が成り立つ。各辺を $t$ について $x$ から $x+1$ まで定積分すると、
$$\int_{x}^{x+1} \frac{100}{x+1} \,dt < \int_{x}^{x+1} \frac{100}{t} \,dt < \int_{x}^{x+1} \frac{100}{x} \,dt$$
計算すると、
$$\frac{100}{x+1} \big[ t \big]_{x}^{x+1} < \big[ 100 \log t \big]_{x}^{x+1} < \frac{100}{x} \big[ t \big]_{x}^{x+1}$$
$$\frac{100}{x+1} \cdot 1 < 100 \log (x+1) - 100 \log x < \frac{100}{x} \cdot 1$$
ここで、$f(x) = \log x^{100} = 100 \log x$ であるから、
$$\frac{100}{x+1} < f(x+1) - f(x) < \frac{100}{x}$$
が成り立つ。
※ (2) の解答は解法1と同様であるため省略する。
解説
本問は、関数の増分とガウス記号を組み合わせた整数問題の典型的な構成である。 (1)の不等式は、平均値の定理あるいは定積分によって容易に示すことができる。これを(2)でどう活かすかが鍵となる。
ガウス記号の列 $[f(n)]$ は、$f(n)$ の増加量(すなわち $f(n+1) - f(n)$)が $1$ より大きいときは数列の値が飛ぶことがあり、$1$ 未満のときは飛ぶことなくすべての整数値を網羅するという性質を持つ。 (1)の不等式から、その境界となるのが $\frac{100}{x} = 1$ すなわち $x = 100$ 付近であることを見抜ければ、場合分けの指針が立ち、迷いなく解き進めることができる。
答え
(1) 略(証明は解答を参照)
(2) $330$ 個
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