数学2 対数関数 問題 71 解説

方針・初手
対数の性質を用いて関数を変形し、$t = \log_3 x$ (または $t = \log_{\frac{1}{3}} x$)と置き換えることで、変数 $t$ の2次関数の最大・最小問題に帰着させる。置き換えを行った際は、必ず新しい変数 $t$ の変域を確認することが重要である。
解法1
対数の底を $3$ にそろえる。底の変換公式より、
$$\log_{\frac{1}{3}} 9x = \frac{\log_3 9x}{\log_3 \frac{1}{3}} = \frac{\log_3 x + \log_3 9}{-1} = -(\log_3 x + 2)$$
$$\log_{\frac{1}{3}} \frac{x}{3} = \frac{\log_3 \frac{x}{3}}{\log_3 \frac{1}{3}} = \frac{\log_3 x - \log_3 3}{-1} = -(\log_3 x - 1)$$
これらを $f(x)$ の式に代入すると、
$$f(x) = \{ -(\log_3 x + 2) \} \cdot \{ -(\log_3 x - 1) \} = (\log_3 x + 2)(\log_3 x - 1)$$
ここで、$t = \log_3 x$ とおく。
$x$ のとりうる値の範囲は $\frac{1}{3} \leqq x \leqq 9$ であり、底 $3$ は $1$ より大きいため、各辺の底を $3$ とする対数をとって、
$$\log_3 \frac{1}{3} \leqq \log_3 x \leqq \log_3 9$$
すなわち、
$$-1 \leqq t \leqq 2$$
となる。$f(x)$ を $t$ で表した関数を $g(t)$ とすると、
$$g(t) = (t + 2)(t - 1) = t^2 + t - 2$$
これを平方完成すると、
$$g(t) = \left( t + \frac{1}{2} \right)^2 - \frac{9}{4}$$
この2次関数のグラフは下に凸の放物線であり、軸は直線 $t = -\frac{1}{2}$ である。変域 $-1 \leqq t \leqq 2$ における最大値と最小値を調べる。
最小値は頂点においてとり、$t = -\frac{1}{2}$ のとき、最小値は $-\frac{9}{4}$ である。
このとき、$\log_3 x = -\frac{1}{2}$ より、
$$x = 3^{-\frac{1}{2}} = \frac{1}{\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{3}}{3}$$
最大値は軸から遠い方の端点である $t = 2$ のときにとり、
$$g(2) = 2^2 + 2 - 2 = 4$$
このとき、$\log_3 x = 2$ より、
$$x = 3^2 = 9$$
以上より、$x = 9$ のとき最大値 $4$ をとり、$x = \frac{\sqrt{3}}{3}$ のとき最小値 $-\frac{9}{4}$ をとる。
解法2
底を $\frac{1}{3}$ のまま計算を進める方針をとる。
$$\log_{\frac{1}{3}} 9x = \log_{\frac{1}{3}} 9 + \log_{\frac{1}{3}} x = -2 + \log_{\frac{1}{3}} x$$
$$\log_{\frac{1}{3}} \frac{x}{3} = \log_{\frac{1}{3}} x - \log_{\frac{1}{3}} 3 = \log_{\frac{1}{3}} x - (-1) = \log_{\frac{1}{3}} x + 1$$
したがって、$f(x)$ は以下のように変形できる。
$$f(x) = (\log_{\frac{1}{3}} x - 2)(\log_{\frac{1}{3}} x + 1)$$
ここで、$s = \log_{\frac{1}{3}} x$ とおく。
$x$ のとりうる値の範囲は $\frac{1}{3} \leqq x \leqq 9$ であり、底 $\frac{1}{3}$ は $1$ より小さいため、各辺の底を $\frac{1}{3}$ とする対数をとると大小関係が逆転し、
$$\log_{\frac{1}{3}} \frac{1}{3} \geqq \log_{\frac{1}{3}} x \geqq \log_{\frac{1}{3}} 9$$
すなわち、
$$1 \geqq s \geqq -2$$
順番を整理して、
$$-2 \leqq s \leqq 1$$
となる。$f(x)$ を $s$ で表した関数を $h(s)$ とすると、
$$h(s) = (s - 2)(s + 1) = s^2 - s - 2$$
これを平方完成すると、
$$h(s) = \left( s - \frac{1}{2} \right)^2 - \frac{9}{4}$$
変域 $-2 \leqq s \leqq 1$ における2次関数の最大値と最小値を調べる。グラフは下に凸の放物線であり、軸は直線 $s = \frac{1}{2}$ である。
最小値は頂点においてとり、$s = \frac{1}{2}$ のとき、最小値は $-\frac{9}{4}$ である。
このとき、$\log_{\frac{1}{3}} x = \frac{1}{2}$ より、
$$x = \left(\frac{1}{3}\right)^{\frac{1}{2}} = \frac{1}{\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{3}}{3}$$
最大値は軸から遠い方の端点である $s = -2$ のときにとり、
$$h(-2) = (-2)^2 - (-2) - 2 = 4 + 2 - 2 = 4$$
このとき、$\log_{\frac{1}{3}} x = -2$ より、
$$x = \left(\frac{1}{3}\right)^{-2} = 3^2 = 9$$
以上より、$x = 9$ のとき最大値 $4$ をとり、$x = \frac{\sqrt{3}}{3}$ のとき最小値 $-\frac{9}{4}$ をとる。
解説
対数関数の積の形をした関数の最大・最小を求める典型的な問題である。対数の性質 $\log_a MN = \log_a M + \log_a N$ や $\log_a \frac{M}{N} = \log_a M - \log_a N$ を用いて式を展開し、$t = \log_a x$ と置換することで2次関数の問題に帰着させる。
解法1のように底を $1$ より大きい整数(ここでは $3$)に変換してから解く方針は、変域を求める際に不等号の向きが変わらないためミスが少なく、推奨される手法である。解法2のように底が $1$ より小さいまま置換を行う場合は、不等号の向きが逆転することに十分注意する必要がある。
答え
オ:$9$
カ:$4$
キ:$\frac{\sqrt{3}}{3}$ (または $\frac{1}{\sqrt{3}}$)
ク:$-\frac{9}{4}$
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