数学2 対数関数 問題 76 解説

方針・初手
(1) については、指数に文字が含まれる等式の扱いがテーマです。各辺を $=K$ とおいて $a, b, ab$ について解くか、各辺の対数をとることで変数の関係式を導きます。
(2) は不定方程式の典型問題です。両辺に $5mn$ をかけて分母を払い、因数分解の形 $(m-a)(n-b)=k$ を作ることを目指します。
(3) は (1) および (2) の誘導を活かす問題です。(1) の結果を適用するための条件(指数が0でないこと)と、(2) の結果を適用するための条件($m>n$)を、与えられた $1 < a < b$ などの条件から丁寧に確認していく必要があります。
解法1
(1)
$a^x = b^y = (ab)^z = K$ とおく。
$1 < a < b$ より $a > 1$ であり、また $x \neq 0$ であるから、$a^x \neq 1$ かつ $a^x > 0$ である。 したがって、$K \neq 1$ かつ $K > 0$ である。
$a^x = K$ より $a = K^{\frac{1}{x}}$ $b^y = K$ より $b = K^{\frac{1}{y}}$ $(ab)^z = K$ より $ab = K^{\frac{1}{z}}$
前の2式の辺々をかけると、
$$ab = K^{\frac{1}{x}} \cdot K^{\frac{1}{y}} = K^{\frac{1}{x} + \frac{1}{y}}$$
となる。これと $ab = K^{\frac{1}{z}}$ を比較すると、
$$K^{\frac{1}{x} + \frac{1}{y}} = K^{\frac{1}{z}}$$
$K > 0, K \neq 1$ であるから、両辺の指数を比較して、
$$\frac{1}{x} + \frac{1}{y} = \frac{1}{z}$$
が成り立つ(証明終)。
(2)
与式 $\frac{1}{m} + \frac{1}{n} = \frac{1}{5}$ の両辺に $5mn$ をかけると、
$$5n + 5m = mn$$
整理して、
$$mn - 5m - 5n = 0$$
両辺に $25$ を加えて因数分解すると、
$$(m - 5)(n - 5) = 25$$
となる。
$m, n$ は $m > n$ をみたす自然数であるから、$m \geqq 2$ かつ $n \geqq 1$ であり、
$$m - 5 > n - 5 \geqq -4$$
を満たす。 積が $25$ となる整数の組 $(m-5, n-5)$ のうち、この条件を満たすのは、
$$(m - 5, n - 5) = (25, 1)$$
のみである($(-1, -25)$ は $n-5 \geqq -4$ を満たさないため不適)。 したがって、
$$m = 30, \quad n = 6$$
となる。
(3)
$m, n$ は自然数であるから、当然 $m \neq 0, n \neq 0$ であり、$5 \neq 0$ でもある。 したがって、与えられた等式 $a^m = b^n = (ab)^5$ に対して (1) の結果を適用することができ、
$$\frac{1}{m} + \frac{1}{n} = \frac{1}{5}$$
が成り立つ。
また、$1 < a < b$ であるから、$a > 1$ かつ $a < b$ である。 各辺を $n$ 乗($n$ は自然数より $n > 0$)すると、
$$a^n < b^n$$
ここで、条件 $a^m = b^n$ を用いると、
$$a^n < a^m$$
となる。底 $a$ について $a > 1$ であるから、指数の大小関係はそのまま保たれ、
$$n < m$$
が成り立つ。
以上より、$m, n$ は $m > n$ をみたす自然数であり、かつ $\frac{1}{m} + \frac{1}{n} = \frac{1}{5}$ を満たすため、(2) の条件と完全に一致する。 よって、(2) の結果より
$$m = 30, \quad n = 6$$
である。
これを $a^m = b^n$ に代入すると、
$$a^{30} = b^6$$
$1 < b$ より $b > 0$ であるから、両辺を $\frac{1}{6}$ 乗して、
$$b = (a^{30})^{\frac{1}{6}} = a^5$$
となる。
解法2
(1) の別解
$a^x = b^y = (ab)^z$ の各辺について、底を $a$ とする対数をとる。 ($1 < a < b$ より $a > 0$ かつ $a \neq 1$ であるため、底を $a$ とすることができる)
$$\log_a a^x = \log_a b^y = \log_a (ab)^z$$
対数の性質を用いて整理すると、
$$x = y \log_a b = z (\log_a a + \log_a b)$$
すなわち、
$$x = y \log_a b = z (1 + \log_a b)$$
となる。
ここで、$y \neq 0$ であるから、$x = y \log_a b$ の両辺を $y$ で割ると、
$$\log_a b = \frac{x}{y}$$
これを $x = z (1 + \log_a b)$ に代入すると、
$$x = z \left( 1 + \frac{x}{y} \right)$$
$x, z$ は $0$ でない実数であるから、両辺を $xz$ で割って、
$$\frac{1}{z} = \frac{1}{x} \left( 1 + \frac{x}{y} \right)$$
展開して整理すると、
$$\frac{1}{z} = \frac{1}{x} + \frac{1}{y}$$
となり、題意は示された(証明終)。
解説
前問の結果を次問の前提条件として活用していく、標準的かつ美しい流れを持った誘導問題です。
(1) では、等式が連なった形 $A=B=C$ を見たときに $=K$ とおいて各文字について解く手法(解法1)か、対数をとって指数を前に下ろす手法(解法2)のいずれも頻出の定石です。どちらを選ぶにせよ、底が1ではないことや、割る数が0ではないことの確認を怠らないようにしましょう。
(2) は分数型の不定方程式における定石通り、分母を払って $( \ ) \times ( \ ) = 整数$ の形を作ります。大小関係や正負の条件を用いて、候補をすばやく絞り込むのがポイントです。
(3) は (1) と (2) の融合ですが、「(2) を使うためには $m>n$ を示す必要がある」という点に気付けるかが鍵となります。与えられた $1 < a < b$ という一見すると地味な条件が、底を揃えた不等式評価を通じて $m>n$ の論証に活きてくる構成になっています。
答え
(1) 略(解法に記載)
(2) $m = 30, n = 6$
(3) $b = a^5$
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