トップ 基礎問題 数学2 指数対数 対数関数 問題 77

数学2 対数関数 問題 77 解説

数学2 対数関数 問題 77 解説

方針・初手

対数の定義(底の条件・真数条件)を確認し、方程式を指数を用いた形に直す。指数関数は多項式関数(一次式)よりも増加のスピードが圧倒的に速いため、$x$ や $y$ がある程度以上大きくなると等式が成立しなくなる。小さい値を個別に調べ、大きくなった部分は数学的帰納法などを用いて不等式評価し、解が存在しないことを示す。

解法1

与えられた方程式は

$$\log_y(6x+y) = x$$

対数の底の条件より $y > 0$ かつ $y \neq 1$ である。$y$ は正の整数であるから $y \ge 2$ となる。 また、真数条件 $6x+y > 0$ は、$x \ge 1, y \ge 2$ において常に満たされる。

対数の定義より、与式は次のように変形できる。

$$y^x = 6x + y$$

$$y^x - y = 6x \quad \cdots \text{①}$$

方程式①について、$x$ の値で場合分けして調べる。

(i) $x = 1$ のとき

①は $y - y = 6$ すなわち $0 = 6$ となり、これを満たす $y$ は存在しない。

(ii) $x = 2$ のとき

①は $y^2 - y = 12$ となる。

$$y^2 - y - 12 = 0$$

$$(y-4)(y+3) = 0$$

$y \ge 2$ より $y = 4$ を得る。これは①を満たす。

(iii) $x \ge 3$ かつ $y \ge 3$ のとき

$y \ge 3$ であるから、①の左辺について $y^x - y \ge 3^x - 3$ が成り立つ。 ここで、$x \ge 3$ の整数に対して $3^x > 6x + 3$ が成り立つことを、数学的帰納法で示す。

[1] $x = 3$ のとき (左辺) $= 3^3 = 27$、(右辺) $= 6 \cdot 3 + 3 = 21$ となり成り立つ。

[2] $x = k$ ($k \ge 3$) のとき、$3^k > 6k + 3$ が成り立つと仮定する。 $x = k+1$ のとき

$$3^{k+1} = 3 \cdot 3^k > 3(6k + 3) = 18k + 9$$

ここで、

$$(18k + 9) - \{6(k+1) + 3\} = 18k + 9 - 6k - 9 = 12k$$

$k \ge 3$ より $12k > 0$ であるから、

$$18k + 9 > 6(k+1) + 3$$

よって $3^{k+1} > 6(k+1) + 3$ となり、$x = k+1$ のときも成り立つ。

[1], [2] より、$x \ge 3$ のすべての整数で $3^x - 3 > 6x$ が示された。 したがって、$y^x - y \ge 3^x - 3 > 6x$ となり、①を満たす解は存在しない。

(iv) $x \ge 3$ かつ $y = 2$ のとき

①は $2^x - 2 = 6x$ となり、両辺を2で割って $2^{x-1} - 1 = 3x$ となる。

$x=3$ のとき、左辺 $= 3$、右辺 $= 9$ で不適。 $x=4$ のとき、左辺 $= 7$、右辺 $= 12$ で不適。 $x=5$ のとき、左辺 $= 15$、右辺 $= 15$ となり、等式が成立する。したがって $x=5$ は解である。

$x \ge 6$ のとき、$2^{x-1} > 3x + 1$ が成り立つことを、数学的帰納法で示す。

[1] $x = 6$ のとき (左辺) $= 2^5 = 32$、(右辺) $= 3 \cdot 6 + 1 = 19$ となり成り立つ。

[2] $x = k$ ($k \ge 6$) のとき、$2^{k-1} > 3k + 1$ が成り立つと仮定する。 $x = k+1$ のとき

$$2^k = 2 \cdot 2^{k-1} > 2(3k + 1) = 6k + 2$$

ここで、

$$(6k + 2) - \{3(k+1) + 1\} = 6k + 2 - 3k - 4 = 3k - 2$$

$k \ge 6$ より $3k - 2 > 0$ であるから、

$$6k + 2 > 3(k+1) + 1$$

よって $2^k > 3(k+1) + 1$ となり、$x = k+1$ のときも成り立つ。

[1], [2] より、$x \ge 6$ のすべての整数で $2^{x-1} - 1 > 3x$ が示された。 したがって、$x \ge 6$ では等式を満たす解は存在しない。

以上 (i)〜(iv) より、方程式を満たす正の整数 $x, y$ の組は $(2, 4), (5, 2)$ のみである。

解説

「指数関数は多項式関数より速く増加する」という性質を数式で厳密に評価する典型問題である。対数方程式を指数方程式に変形し、$y^x - y = 6x$ を得るのが第一歩である。 その後、どこかで値の大小が逆転することを見越し、小さい値をしらみつぶしに調べ、大きな値については数学的帰納法(あるいは階差をとる手法や二項定理)を用いて不等式を証明して「解が存在しない」ことを示す論証力が求められる。 ここでは $x$ について場合分けを行ったが、$y$ の値($y=2, y=3, y \ge 4$ など)に着目して場合分けを進めても同様に解くことができる。

答え

$$(x, y) = (2, 4), (5, 2)$$

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