数学2 対数関数 問題 78 解説

方針・初手
(1) は3次関数の微分をして極値を求める基本的な問題である。(2) は (1) で調べた関数を利用して3次不等式を解く。(3) は対数不等式の問題であり、(2) の結果から「底が $1$ より大きい」ことが確定することに着目する。真数条件を忘れずに確認する。
解法1
(1)
与えられた関数を $f(x) = 2x^3 - 9x^2 - 60x + 275$ とおく。これを $x$ で微分すると、
$$f'(x) = 6x^2 - 18x - 60 = 6(x^2 - 3x - 10) = 6(x - 5)(x + 2)$$
$f'(x) = 0$ となる $x$ の値は $x = -2, 5$ である。$f(x)$ の増減表は以下のようになる。
| $x$ | $\cdots$ | $-2$ | $\cdots$ | $5$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ |
| $f(x)$ | $\nearrow$ | 極大 | $\searrow$ | 極小 | $\nearrow$ |
ここで、極大値と極小値を計算する。
$$f(-2) = 2(-8) - 9(4) - 60(-2) + 275 = -16 - 36 + 120 + 275 = 343$$
$$f(5) = 2(125) - 9(25) - 60(5) + 275 = 250 - 225 - 300 + 275 = 0$$
よって、$x = -2$ で極大値 $343$ をとり、$x = 5$ で極小値 $0$ をとる。
(2)
与えられた不等式は以下の通りである。
$$2x^3 - 9x^2 - 60x + 276 > 1$$
これを整理すると、
$$2x^3 - 9x^2 - 60x + 275 > 0$$
左辺は (1) で定めた $f(x)$ に等しい。したがって、求める不等式は $f(x) > 0$ である。 (1) の増減表から $f(5) = 0$ であり、$x=5$ で極小となるため、$f(x)$ は $(x - 5)^2$ を因数にもつ。
$$f(x) = (x - 5)^2(2x + 11)$$
これより、不等式は次のように変形できる。
$$(x - 5)^2(2x + 11) > 0$$
$(x - 5)^2 \geqq 0$ であるから、この不等式が成り立つ条件は、$x - 5 \neq 0$ かつ $2x + 11 > 0$ である。
$$x \neq 5 \text{ かつ } x > -\frac{11}{2}$$
したがって、求める $x$ の範囲は $x > -\frac{11}{2}$ かつ $x \neq 5$ である。
(3)
対数不等式の底を $P = 2x^3 - 9x^2 - 60x + 276$ とおく。(2) より $P = f(x) + 1$ である。 (2) で求めた $x$ の範囲($x > -\frac{11}{2}$ かつ $x \neq 5$)においては、$f(x) > 0$ が成り立つため、
$$P = f(x) + 1 > 1$$
となる。底 $P$ が $1$ より大きいことが確定するため、与えられた対数不等式は真数同士の大小関係にそのまま帰着でき、不等号の向きは変わらない。
$$2x^2 - x - 1 > x^2 + x - 2 \quad \cdots \text{①}$$
また、対数の真数は正でなければならないため、真数条件を満たす必要がある。
$$2x^2 - x - 1 > 0 \quad \cdots \text{②}$$
$$x^2 + x - 2 > 0 \quad \cdots \text{③}$$
(※①かつ③が成り立てば自動的に②も成り立つが、ここでは全て確認する)
不等式①を解く。
$$x^2 - 2x + 1 > 0$$
$$(x - 1)^2 > 0$$
よって、$x \neq 1$ である。
不等式②を解く。
$$(2x + 1)(x - 1) > 0$$
よって、$x < -\frac{1}{2}$ または $1 < x$ である。
不等式③を解く。
$$(x + 2)(x - 1) > 0$$
よって、$x < -2$ または $1 < x$ である。
②と③の共通範囲(真数条件)は、$x < -2$ または $1 < x$ である。
これらと、問題の前提である (2) の範囲 $x > -\frac{11}{2}$ かつ $x \neq 5$ をあわせた共通範囲を求める。 考慮すべき条件は以下の通りである。
- $x > -\frac{11}{2}$ かつ $x \neq 5$
- $x < -2$ または $1 < x$
- $x \neq 1$ (真数条件からすでに満たされている)
数直線上でこれらの共通範囲をとると、
$$-\frac{11}{2} < x < -2, \quad 1 < x < 5, \quad 5 < x$$
となる。
解説
(1) と (2) の結果を利用して (3) につなげる典型的な誘導問題である。 (3) の対数不等式を解く際、最も重要なのは「底が $1$ より大きいか、$0$ と $1$ の間か」を判別することである。今回は (2) の結果から $f(x) > 0$ であり、底が $f(x) + 1$ と表せることから、底が $1$ より大きいことが自然に導かれる。 また、対数方程式・不等式を解く際は、必ず最初に真数条件(真数 $> 0$)を確認する癖をつけておくことが重要である。真数条件を忘れると、不適切な範囲まで解に含めてしまうため注意が必要である。
答え
(1) 極大値 $343$ ($x = -2$ のとき)、極小値 $0$ ($x = 5$ のとき)
(2) $x > -\frac{11}{2}$ かつ $x \neq 5$ (または $-\frac{11}{2} < x < 5, \ 5 < x$)
(3) $-\frac{11}{2} < x < -2, \quad 1 < x < 5, \quad 5 < x$
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