数学2 円 問題 3 解説

方針・初手
円が領域 $D$ ($y \geqq x^2$)に含まれるための条件を立式する。円の方程式を用いて $x^2$ を消去し、$y$ についての不等式が円上のすべての点の $y$ 座標の範囲で常に成り立つ条件に帰着させる。与えられた範囲での2次関数の最小値が $0$ 以上になる条件を考え、中心の $y$ 座標を順次求めていく。
解法1
(1)
円 $C_1$ の中心は $y$ 軸上にあり、原点を通るため、その中心を $(0, a_1)$ ($a_1 > 0$)とおける。 $C_1$ の方程式は以下のようになる。
$$x^2 + (y - a_1)^2 = a_1^2$$
これを $x^2$ について解くと次のようになる。
$$x^2 = a_1^2 - (y - a_1)^2 = 2a_1 y - y^2$$
円 $C_1$ が領域 $D$ ($y \geqq x^2$)に含まれるための条件は、円 $C_1$ 上のすべての点において $y \geqq x^2$ が成り立つことである。
$$y \geqq 2a_1 y - y^2$$
$$y^2 + (1 - 2a_1)y \geqq 0$$
$$y \{ y + (1 - 2a_1) \} \geqq 0$$
円 $C_1$ 上の点の $y$ 座標の取り得る範囲は $0 \leqq y \leqq 2a_1$ である。この範囲のすべての $y$ について上の不等式が成り立つ必要がある。 $y=0$ のときは常に等号が成り立つ。$0 < y \leqq 2a_1$ においては、両辺を $y$ で割ることができる。
$$y + 1 - 2a_1 \geqq 0$$
これが $0 < y \leqq 2a_1$ で常に成り立つための条件は、$y$ が $0$ に限りなく近づく場合を考え、次を満たすことである。
$$1 - 2a_1 \geqq 0$$
$$a_1 \leqq \frac{1}{2}$$
$C_1$ は最も半径が大きい円であるから、最大値をとって $a_1 = \frac{1}{2}$ である。
(2)
$n \geqq 2$ のとき、円 $C_n$ は円 $C_{n-1}$ の上部で外接し、$y$ 軸上に中心をもつ。 $b_{n-1} = a_1 + a_2 + \cdots + a_{n-1}$ は、円 $C_1, \dots, C_{n-1}$ の直径の総和の半分に等しい。 $C_1$ の下端は原点であるから、$C_{n-1}$ の上端の $y$ 座標は、直径の総和である $2(a_1 + a_2 + \cdots + a_{n-1}) = 2b_{n-1}$ となる。 したがって、円 $C_n$ の下端は点 $(0, 2b_{n-1})$ であり、中心の座標は $(0, 2b_{n-1} + a_n)$ である。 これより、$C_n$ の方程式は以下のようになる。
$$x^2 + \{ y - (2b_{n-1} + a_n) \}^2 = a_n^2$$
円 $C_n$ が領域 $D$ に含まれる条件は、円 $C_n$ 上のすべての点において $y \geqq x^2$ が成り立つことである。
$$x^2 = a_n^2 - \{ y - (2b_{n-1} + a_n) \}^2 \leqq y$$
ここで、$t = y - 2b_{n-1}$ とおきかえる。円 $C_n$ 上の点の $y$ 座標の範囲は $2b_{n-1} \leqq y \leqq 2b_{n-1} + 2a_n$ であるから、$t$ の範囲は $0 \leqq t \leqq 2a_n$ となる。不等式は次のように変形できる。
$$a_n^2 - (t - a_n)^2 \leqq t + 2b_{n-1}$$
$$a_n^2 - (t^2 - 2a_n t + a_n^2) \leqq t + 2b_{n-1}$$
$$t^2 + (1 - 2a_n)t + 2b_{n-1} \geqq 0$$
この不等式が $0 \leqq t \leqq 2a_n$ の範囲で常に成り立つための $a_n$ の最大値を求める。 左辺を $f(t)$ とおき、平方完成する。
$$f(t) = \left( t - \frac{2a_n - 1}{2} \right)^2 - \frac{(2a_n - 1)^2}{4} + 2b_{n-1}$$
放物線 $v = f(t)$ の軸は $t = \frac{2a_n - 1}{2}$ である。ここで、(1) より $b_{n-1} \geqq a_1 = \frac{1}{2}$ であることに注意し、軸の位置で場合分けを行う。
(i) 軸が区間の左側にあるとき($\frac{2a_n - 1}{2} < 0$ すなわち $a_n < \frac{1}{2}$)
区間 $0 \leqq t \leqq 2a_n$ において $f(t)$ は単調増加である。最小値は $t=0$ のときであり、次のようになる。
$$f(0) = 2b_{n-1} \geqq 2 \cdot \frac{1}{2} = 1 > 0$$
したがって、この範囲の $a_n$ に対して不等式は常に成り立つ。
(ii) 軸が区間内にあるとき($0 \leqq \frac{2a_n - 1}{2} \leqq 2a_n$ すなわち $a_n \geqq \frac{1}{2}$)
最小値は頂点の値をとるため、これが $0$ 以上であればよい。
$$- \frac{(2a_n - 1)^2}{4} + 2b_{n-1} \geqq 0$$
$$(2a_n - 1)^2 \leqq 8b_{n-1}$$
条件 $a_n \geqq \frac{1}{2}$ より $2a_n - 1 \geqq 0$ であるから、次のように整理できる。
$$2a_n - 1 \leqq 2\sqrt{2b_{n-1}}$$
$$a_n \leqq \sqrt{2b_{n-1}} + \frac{1}{2}$$
$b_{n-1} \geqq \frac{1}{2}$ より $\sqrt{2b_{n-1}} + \frac{1}{2} \geqq 1 + \frac{1}{2} = \frac{3}{2}$ となり、これは場合分けの条件 $a_n \geqq \frac{1}{2}$ を満たしている。
(i)、(ii) より、条件を満たす最大の $a_n$ は以下の式で表される。
$$a_n = \sqrt{2b_{n-1}} + \frac{1}{2}$$
(3)
(2) の結果と $a_n = b_n - b_{n-1}$ ($n \geqq 2$) の関係を用いる。
$$b_n - b_{n-1} = \sqrt{2b_{n-1}} + \frac{1}{2}$$
$$b_n = b_{n-1} + \sqrt{2b_{n-1}} + \frac{1}{2}$$
両辺を $2$ 倍して整理する。
$$2b_n = 2b_{n-1} + 2\sqrt{2b_{n-1}} + 1$$
$$2b_n = (\sqrt{2b_{n-1}} + 1)^2$$
$b_n > 0$ であるから、両辺の正の平方根をとることができる。
$$\sqrt{2b_n} = \sqrt{2b_{n-1}} + 1$$
この式は、数列 $\{\sqrt{2b_n}\}$ が公差 $1$ の等差数列であることを示している。 初項は $\sqrt{2b_1} = \sqrt{2a_1} = \sqrt{2 \cdot \frac{1}{2}} = 1$ である。 したがって、一般項は次のように求まる。
$$\sqrt{2b_n} = 1 + (n - 1) \cdot 1 = n$$
両辺を $2$ 乗して $b_n$ を求める。
$$2b_n = n^2$$
$$b_n = \frac{n^2}{2}$$
これを利用して $a_n$ を求める。$n \geqq 2$ のとき、以下のようになる。
$$a_n = b_n - b_{n-1} = \frac{n^2}{2} - \frac{(n-1)^2}{2} = \frac{2n - 1}{2}$$
この式に $n=1$ を代入すると $\frac{2 \cdot 1 - 1}{2} = \frac{1}{2}$ となり、$a_1 = \frac{1}{2}$ と一致する。 よって、すべての自然数 $n$ について成り立つ。
$$a_n = \frac{2n - 1}{2}$$
解説
放物線と円が接する条件を考える問題である。判別式 $D=0$ だけで安易に処理すると、接点が円の領域外になるような虚偽の解を拾う恐れがある。円上の点がすべて不等式を満たす条件に帰着させ、2次関数の最大・最小問題として処理するのが安全かつ確実な手法である。特に、変数の取り得る範囲(隠れた定義域)が存在するため、軸の位置による場合分けを怠らないようにしたい。 (3) の漸化式は、そのままでは解きにくい形をしているが、定数項をうまくまとめることで、両辺を平方の形に持ち込める。平方完成の要領で式を変形し、等差数列を見出す発想が鍵となる。
答え
(1) $a_1 = \frac{1}{2}$
(2) $a_n = \sqrt{2b_{n-1}} + \frac{1}{2}$
(3) $a_n = \frac{2n - 1}{2}$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





