数学2 円 問題 5 解説

方針・初手
定点通過については、与えられた方程式を $a$ についての恒等式と見なして係数を比較する。$a$ について整理し、各部分が $0$ になるような $x, y$ の条件を求める。 2円が接する条件については、2つの円の方程式から $x^2 + y^2$ の項を消去して共通接線の方程式を導き、その直線と円が接する条件(点と直線の距離公式)に帰着させるのが計算上見通しが良い。また、2円の中心間距離と半径の関係式を立てて解くこともできる。
解法1
アの計算
与えられた円の方程式を $a$ について整理する。
$$(2x - y + 5)a + (x^2 + y^2 - 5) = 0$$
これが任意の実数 $a$ に対して成り立つ条件は、以下の連立方程式を満たすことである。
$$\begin{cases} 2x - y + 5 = 0 \\ x^2 + y^2 - 5 = 0 \end{cases}$$
第1式より $y = 2x + 5$ である。これを第2式に代入する。
$$x^2 + (2x + 5)^2 - 5 = 0$$
$$5x^2 + 20x + 20 = 0$$
$$x^2 + 4x + 4 = 0$$
$$(x + 2)^2 = 0$$
よって $x = -2$ となる。このとき $y = 2 \cdot (-2) + 5 = 1$ である。 したがって、実数 $a$ の値によらず通る定点の座標は $(-2, 1)$ である。
イの計算
与えられた円を $C_1$、もう一方の円 $x^2 + y^2 = 1$ を $C_2$ とする。 これらの方程式はそれぞれ以下の通りである。
$$x^2 + y^2 + 2ax - ay - 5 + 5a = 0 \quad \cdots \text{①}$$
$$x^2 + y^2 = 1 \quad \cdots \text{②}$$
$C_1$ と $C_2$ が接するとき、①から②の辺々を引いて得られる直線は、2円の共通接線となる。
$$2ax - ay - 4 + 5a = 0$$
$a = 0$ のとき $-4 = 0$ となり矛盾するため、$a \neq 0$ である。 この式を $y$ について解くと、
$$y = 2x + 5 - \frac{4}{a}$$
となる。ここで $k = 5 - \frac{4}{a}$ とおくと、直線の方程式は $2x - y + k = 0$ と表せる。 この直線が円 $C_2$ に接する条件は、円 $C_2$ の中心 $(0,0)$ から直線までの距離が円 $C_2$ の半径 $1$ に等しくなることである。点と直線の距離公式より、
$$\frac{|2 \cdot 0 - 0 + k|}{\sqrt{2^2 + (-1)^2}} = 1$$
$$|k| = \sqrt{5}$$
したがって $k = \pm \sqrt{5}$ となる。$k$ を元に戻して $a$ について解く。
$$5 - \frac{4}{a} = \pm \sqrt{5}$$
$$\frac{4}{a} = 5 \mp \sqrt{5}$$
$$a = \frac{4}{5 \mp \sqrt{5}} = \frac{4(5 \pm \sqrt{5})}{(5 \mp \sqrt{5})(5 \pm \sqrt{5})} = \frac{4(5 \pm \sqrt{5})}{25 - 5} = \frac{5 \pm \sqrt{5}}{5} = 1 \pm \frac{\sqrt{5}}{5}$$
(複号同順) なお、このとき円 $C_1$ が点円(半径が $0$)になることはない。よって、求める $a$ の値は $1 \pm \frac{\sqrt{5}}{5}$ である。
ウの計算
円 $C_1$ の方程式を変形して中心座標を求める。
$$(x + a)^2 + \left(y - \frac{a}{2}\right)^2 = \frac{5}{4}(a - 2)^2$$
これより、円の中心の座標は $\left(-a, \frac{a}{2}\right)$ である。 求めた2つの $a$ の値を $a_1 = 1 + \frac{\sqrt{5}}{5}$、$a_2 = 1 - \frac{\sqrt{5}}{5}$ とし、それぞれに対する円の中心を $A_1\left(-a_1, \frac{a_1}{2}\right)$、$A_2\left(-a_2, \frac{a_2}{2}\right)$ とする。 求める中心間距離を $L$ とすると、
$$\begin{aligned} L &= \sqrt{(-a_1 + a_2)^2 + \left(\frac{a_1}{2} - \frac{a_2}{2}\right)^2} \\ &= \sqrt{(a_1 - a_2)^2 + \frac{1}{4}(a_1 - a_2)^2} \\ &= \sqrt{\frac{5}{4}(a_1 - a_2)^2} \\ &= \frac{\sqrt{5}}{2}|a_1 - a_2| \end{aligned}$$
ここで、$|a_1 - a_2| = \left|\left(1 + \frac{\sqrt{5}}{5}\right) - \left(1 - \frac{\sqrt{5}}{5}\right)\right| = \frac{2\sqrt{5}}{5}$ である。 これを代入して距離 $L$ を得る。
$$L = \frac{\sqrt{5}}{2} \cdot \frac{2\sqrt{5}}{5} = 1$$
解法2
イの計算の別解(中心間距離と半径の関係)
円 $C_1$ の方程式を変形すると、中心が $\left(-a, \frac{a}{2}\right)$、半径 $r_1 = \frac{\sqrt{5}}{2}|a-2|$ の円となる。 円 $C_2$ は中心 $(0,0)$、半径 $r_2 = 1$ である。 2円の中心間距離を $d$ とすると、
$$d = \sqrt{(-a)^2 + \left(\frac{a}{2}\right)^2} = \frac{\sqrt{5}}{2}|a|$$
2円が接する条件は $d = r_1 + r_2$ (外接)または $d = |r_1 - r_2|$ (内接)である。
(i) 外接する場合
$$\frac{\sqrt{5}}{2}|a| = \frac{\sqrt{5}}{2}|a-2| + 1$$
$$\sqrt{5}|a| - \sqrt{5}|a-2| = 2$$
絶対値を外すために場合分けを行う。 $a \ge 2$ のとき、$2\sqrt{5} = 2$ となり不適。 $0 \le a < 2$ のとき、$\sqrt{5}a - \sqrt{5}(2 - a) = 2$ より $2\sqrt{5}a = 2\sqrt{5} + 2$。よって $a = 1 + \frac{\sqrt{5}}{5}$ となり、これは $0 \le a < 2$ を満たす。 $a < 0$ のとき、$-2\sqrt{5} = 2$ となり不適。
(ii) 内接する場合
$$\frac{\sqrt{5}}{2}|a| = \left| \frac{\sqrt{5}}{2}|a-2| - 1 \right|$$
これを満たす条件は、以下のいずれかが成り立つことである。
$$\frac{\sqrt{5}}{2}|a-2| - \frac{\sqrt{5}}{2}|a| = 1 \quad \text{または} \quad \frac{\sqrt{5}}{2}|a| + \frac{\sqrt{5}}{2}|a-2| = 1$$
前者の式は $\sqrt{5}|a-2| - \sqrt{5}|a| = 2$ と変形でき、外接の場合と同様に $0 \le a < 2$ の範囲で解くと $a = 1 - \frac{\sqrt{5}}{5}$ を得る。これは条件を満たす。 後者の式は $\sqrt{5}(|a| + |a-2|) = 2$ となるが、左辺について $|a| + |a-2| \ge 2$ であるため、$\sqrt{5}(|a| + |a-2|) \ge 2\sqrt{5} > 2$ となり、これを満たす実数 $a$ は存在しない。
以上より、求める $a$ の値は $1 \pm \frac{\sqrt{5}}{5}$ である。
解説
図形と方程式の分野における典型問題の組み合わせである。 「実数 $a$ がどんな値をとっても」という表現からは、$a$ についての恒等式として処理する方針が定石である。 2円が接する条件については、中心間距離と半径の和・差を比較する幾何学的なアプローチ(解法2)が王道であるが、文字を含む場合は絶対値の処理が煩雑になりやすい。本問のように2円の方程式を引き算して共通接線を導出する手法(解法1)を用いると、計算量を大幅に削減でき、ミスも防ぎやすくなる。計算の工夫が解答時間や正確性に直結する良い例題である。
答え
ア:$(-2, 1)$
イ:$1 \pm \frac{\sqrt{5}}{5}$
ウ:$1$
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