数学2 円と直線 問題 12 解説

方針・初手
(1) 直線の方程式をパラメータ $a$ について整理し、$a$ についての恒等式として扱うことで定点の座標を求める。
(2) 円の式を標準形に変形し、中心の座標と半径を求める。円と直線の共有点の個数は、円の中心と直線の距離 $d$ と円の半径 $r$ の大小関係を比較することで判定する。
(3) 直線が円から切り取る線分(弦)の長さの問題では、円の中心から弦に下ろした垂線、円の半径、弦の半分を3辺とする直角三角形に着目し、三平方の定理を用いるのが定石である。
解法1
(1)
直線 $l$ の方程式 $y = ax - 3a + 4$ を $a$ について整理する。
$$a(x - 3) - (y - 4) = 0$$
これが $a$ の値に関係なく成り立つための条件は、以下の連立方程式を満たすことである。
$$\begin{cases} x - 3 = 0 \\ y - 4 = 0 \end{cases}$$
これを解いて、$x = 3, y = 4$ を得る。 よって、定点 $\mathrm{P}$ の座標は $(3, 4)$ である。
(2)
円 $C$ の方程式 $x^2 + y^2 - 2x - 2y = 0$ を変形する。
$$(x - 1)^2 + (y - 1)^2 = 2$$
これより、円 $C$ は中心 $(1, 1)$、半径 $r = \sqrt{2}$ の円である。 円 $C$ の中心と直線 $l: ax - y - 3a + 4 = 0$ との距離 $d$ は、点と直線の距離の公式より以下のように表される。
$$d = \frac{|a \cdot 1 - 1 - 3a + 4|}{\sqrt{a^2 + (-1)^2}} = \frac{|-2a + 3|}{\sqrt{a^2 + 1}}$$
共有点の個数は、$d$ と $r$ の大小関係によって決まる。 境界となる $d = r$ のときの $a$ の値を求める。
$$\frac{|-2a + 3|}{\sqrt{a^2 + 1}} = \sqrt{2}$$
両辺は正であるから、2乗して整理する。
$$\frac{(-2a + 3)^2}{a^2 + 1} = 2$$
$$4a^2 - 12a + 9 = 2(a^2 + 1)$$
$$2a^2 - 12a + 7 = 0$$
これを解の公式を用いて解くと、以下のようになる。
$$a = \frac{-(-6) \pm \sqrt{(-6)^2 - 2 \cdot 7}}{2} = \frac{6 \pm \sqrt{22}}{2}$$
したがって、共有点の個数は以下のように場合分けされる。
(i) $d < r$ すなわち $2a^2 - 12a + 7 < 0$ のとき
$$\frac{6 - \sqrt{22}}{2} < a < \frac{6 + \sqrt{22}}{2}$$
このとき、直線は円と異なる2点で交わるため、共有点は2個である。
(ii) $d = r$ すなわち $2a^2 - 12a + 7 = 0$ のとき
$$a = \frac{6 \pm \sqrt{22}}{2}$$
このとき、直線は円に接するため、共有点は1個である。
(iii) $d > r$ すなわち $2a^2 - 12a + 7 > 0$ のとき
$$a < \frac{6 - \sqrt{22}}{2}, \quad \frac{6 + \sqrt{22}}{2} < a$$
このとき、直線と円は交わらないため、共有点は0個である。
(3)
円 $C$ が直線 $l$ によって切り取る線分(弦)の長さが 1 であるとする。 円の中心から弦に下ろした垂線の長さは $d$、弦の半分の長さは $\frac{1}{2}$、円の半径は $r = \sqrt{2}$ であるから、三平方の定理より以下の関係が成り立つ。
$$d^2 + \left( \frac{1}{2} \right)^2 = r^2$$
$r^2 = 2$ と、(2) で求めた $d^2 = \frac{(-2a + 3)^2}{a^2 + 1}$ を代入する。
$$\frac{4a^2 - 12a + 9}{a^2 + 1} + \frac{1}{4} = 2$$
$$\frac{4a^2 - 12a + 9}{a^2 + 1} = \frac{7}{4}$$
分母を払って整理する。
$$4(4a^2 - 12a + 9) = 7(a^2 + 1)$$
$$16a^2 - 48a + 36 = 7a^2 + 7$$
$$9a^2 - 48a + 29 = 0$$
これを解の公式を用いて解く。
$$a = \frac{-(-24) \pm \sqrt{(-24)^2 - 9 \cdot 29}}{9}$$
$$a = \frac{24 \pm \sqrt{576 - 261}}{9}$$
$$a = \frac{24 \pm \sqrt{315}}{9}$$
$\sqrt{315} = \sqrt{9 \times 35} = 3\sqrt{35}$ であるから、
$$a = \frac{24 \pm 3\sqrt{35}}{9} = \frac{8 \pm \sqrt{35}}{3}$$
これは弦の長さが存在するための前提条件である (2) の (i) の条件を満たしている。
解説
図形と方程式の分野における基本的な問題である。 (1) のように「定点を通る」という条件は、与えられた文字についての恒等式と見なすことで処理できる。 (2) と (3) においては、円と直線の位置関係を、中心と直線の距離 $d$ と半径 $r$ の大小関係で評価することが重要である。交点の座標を直接求めようとすると、複雑な方程式を解くことになり計算ミスの原因となるため避けるべきである。 (3) の弦の長さの条件も、円の幾何学的な性質(中心と弦の距離、弦の長さの半分、半径からなる直角三角形)を利用することで、方程式の計算に帰着させることができる。
答え
(1) $(3, 4)$
(2) $\frac{6 - \sqrt{22}}{2} < a < \frac{6 + \sqrt{22}}{2}$ のとき 2個、$a = \frac{6 \pm \sqrt{22}}{2}$ のとき 1個、$a < \frac{6 - \sqrt{22}}{2}, \frac{6 + \sqrt{22}}{2} < a$ のとき 0個
(3) $a = \frac{8 \pm \sqrt{35}}{3}$
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