数学2 円と直線 問題 16 解説

方針・初手
- (1) 円外の点から引いた2本の接線の接点を通る直線(極線)の方程式を利用するか、図形的性質から原点、点 $\mathrm{P}$、求める中点の位置関係に着目する。
- (2) 接線の方程式を傾き $m$ を用いて表し、原点からの距離が $1$ になるという条件から $m$ の2次方程式を作る。解と係数の関係を利用して中点 $\mathrm{M}$ の $y$ 座標を $x_0, y_0$ で表す。その後、軌跡の式と直線の式の交点を求め、定積分で面積を計算する。
解法1
(1)
円 $C: x^2 + y^2 = 1$ の外部の点 $\mathrm{P}(x_0, y_0)$ から引いた接線の接点を $\mathrm{A}(x_1, y_1), \mathrm{B}(x_2, y_2)$ とする。 接線 $\ell_1, \ell_2$ の方程式はそれぞれ $x_1 x + y_1 y = 1, \ x_2 x + y_2 y = 1$ である。
これらが点 $\mathrm{P}(x_0, y_0)$ を通るから、以下の式が成り立つ。
$$x_1 x_0 + y_1 y_0 = 1$$
$$x_2 x_0 + y_2 y_0 = 1$$
これは、2点 $\mathrm{A}, \mathrm{B}$ が直線 $x_0 x + y_0 y = 1$ 上にあることを示している。 したがって、2つの接点を結ぶ直線 $\mathrm{AB}$ の方程式は $x_0 x + y_0 y = 1$ である。
線分 $\mathrm{AB}$ の中点を $\mathrm{N}$ とすると、$\mathrm{N}$ は原点 $\mathrm{O}$ から直線 $\mathrm{AB}$ に下ろした垂線の足である。 直線 $\mathrm{ON}$ は $\mathrm{AB}$ に垂直で原点を通るため、その方程式は $y_0 x - x_0 y = 0$ となる。
直線 $\mathrm{AB}$ と直線 $\mathrm{ON}$ の交点が $\mathrm{N}$ である。 $y_0 x = x_0 y$ より、実数 $k$ を用いて $x = k x_0, \ y = k y_0$ とおける。 これを直線 $\mathrm{AB}$ の方程式に代入すると、
$$x_0(k x_0) + y_0(k y_0) = 1$$
$$k(x_0^2 + y_0^2) = 1$$
点 $\mathrm{P}$ は円 $C$ の外部にあるため $x_0^2 + y_0^2 > 1$ であり、$k = \frac{1}{x_0^2 + y_0^2}$ と定まる。 よって、中点の座標は $\left( \frac{x_0}{x_0^2 + y_0^2}, \frac{y_0}{x_0^2 + y_0^2} \right)$ である。
(2)
点 $\mathrm{P}(x_0, y_0)$ を通り、傾き $m$ の直線の方程式は $y = m(x - x_0) + y_0$、すなわち $mx - y - mx_0 + y_0 = 0$ とおける。 この直線が円 $C$ に接するとき、原点 $(0, 0)$ と直線の距離が $1$ となるから、
$$\frac{|-mx_0 + y_0|}{\sqrt{m^2 + (-1)^2}} = 1$$
両辺は正であるため2乗して整理する。
$$(-mx_0 + y_0)^2 = m^2 + 1$$
$$(x_0^2 - 1)m^2 - 2x_0 y_0 m + (y_0^2 - 1) = 0$$
直線 $\ell_1, \ell_2$ は $y$ 軸に平行でないため、それぞれの傾き $m_1, m_2$ は実数として存在し、上の2次方程式の異なる2つの実数解となる。このとき $x_0^2 - 1 \neq 0$ すなわち $x_0 \neq \pm 1$ である。 解と係数の関係より、以下が成り立つ。
$$m_1 + m_2 = \frac{2x_0 y_0}{x_0^2 - 1}$$
直線 $\ell_1, \ell_2$ の $y$ 切片をそれぞれ $q, r$ とすると、直線の方程式より $q = -m_1 x_0 + y_0, \ r = -m_2 x_0 + y_0$ である。 これらが $y$ 軸との交点 $\mathrm{Q}, \mathrm{R}$ の $y$ 座標となる。 線分 $\mathrm{QR}$ の中点 $\mathrm{M}$ の $y$ 座標を $y_M$ とすると、
$$y_M = \frac{q + r}{2} = \frac{-x_0(m_1 + m_2) + 2y_0}{2}$$
ここに先ほどの解と係数の関係を代入する。
$$y_M = \frac{1}{2} \left( -x_0 \cdot \frac{2x_0 y_0}{x_0^2 - 1} + 2y_0 \right) = \frac{-x_0^2 y_0 + y_0(x_0^2 - 1)}{x_0^2 - 1} = \frac{-y_0}{x_0^2 - 1}$$
問題の条件より $y_M = 2$ であるから、
$$\frac{-y_0}{x_0^2 - 1} = 2$$
$$-y_0 = 2(x_0^2 - 1)$$
$$y_0 = -2x_0^2 + 2$$
よって、点 $\mathrm{P}(x, y)$ の描く曲線は $y = -2x^2 + 2$ である。 この曲線と直線 $y = \frac{1}{\sqrt{3}}x + 1$ の交点の $x$ 座標を求める。
$$-2x^2 + 2 = \frac{1}{\sqrt{3}}x + 1$$
$$2\sqrt{3}x^2 + x - \sqrt{3} = 0$$
解の公式より、
$$x = \frac{-1 \pm \sqrt{1^2 - 4 \cdot 2\sqrt{3} \cdot (-\sqrt{3})}}{2 \cdot 2\sqrt{3}} = \frac{-1 \pm \sqrt{25}}{4\sqrt{3}} = \frac{-1 \pm 5}{4\sqrt{3}}$$
よって、$x = -\frac{\sqrt{3}}{2}, \frac{1}{\sqrt{3}}$ である。 この区間 $-\frac{\sqrt{3}}{2} < x < \frac{1}{\sqrt{3}}$ において、$x^2 < \frac{3}{4}$ であり、点 $\mathrm{P}$ が円の外部にある条件 $x^2 + y^2 > 1$ (すなわち $x^2 + (-2x^2 + 2)^2 - 1 = (x^2 - 1)(4x^2 - 3) > 0$)を満たすため、確かに曲線は円の外部に存在する。 求める面積 $S$ は、上にある放物線から下にある直線を引いて定積分すればよい。
$$S = \int_{-\frac{\sqrt{3}}{2}}^{\frac{1}{\sqrt{3}}} \left( (-2x^2 + 2) - \left( \frac{1}{\sqrt{3}}x + 1 \right) \right) dx$$
$$S = \int_{-\frac{\sqrt{3}}{2}}^{\frac{1}{\sqrt{3}}} \left( -2x^2 - \frac{1}{\sqrt{3}}x + 1 \right) dx$$
交点を $\alpha = -\frac{\sqrt{3}}{2}, \beta = \frac{1}{\sqrt{3}}$ とすると、被積分関数は $-2(x - \alpha)(x - \beta)$ と因数分解できるため、$\frac{1}{6}$ 公式を利用する。
$$S = \int_{\alpha}^{\beta} -2(x - \alpha)(x - \beta) dx = \frac{2}{6}(\beta - \alpha)^3$$
$$\beta - \alpha = \frac{1}{\sqrt{3}} - \left( -\frac{\sqrt{3}}{2} \right) = \frac{2 + 3}{2\sqrt{3}} = \frac{5}{2\sqrt{3}}$$
よって、面積 $S$ は、
$$S = \frac{1}{3} \left( \frac{5}{2\sqrt{3}} \right)^3 = \frac{1}{3} \cdot \frac{125}{24\sqrt{3}} = \frac{125}{72\sqrt{3}} = \frac{125\sqrt{3}}{216}$$
解法2
(1) の図形的な別解
円 $C: x^2 + y^2 = 1$ の中心を $\mathrm{O}$ とする。点 $\mathrm{P}(x_0, y_0)$ から引いた接線の接点を $\mathrm{A}, \mathrm{B}$ とし、線分 $\mathrm{AB}$ の中点を $\mathrm{N}$ とする。 直線 $\mathrm{OP}$ は線分 $\mathrm{AB}$ の垂直二等分線となるため、点 $\mathrm{N}$ は線分 $\mathrm{OP}$ 上にある。
$\triangle \mathrm{OAP}$ は $\angle \mathrm{OAP} = 90^\circ$ の直角三角形であり、$\mathrm{AN} \perp \mathrm{OP}$ であるから、相似関係 $\triangle \mathrm{OAN} \sim \triangle \mathrm{OPA}$ が成り立つ。 したがって、$\mathrm{ON} : \mathrm{OA} = \mathrm{OA} : \mathrm{OP}$ より、$\mathrm{OA}^2 = \mathrm{ON} \cdot \mathrm{OP}$ である。
ここで、$\mathrm{OA} = 1, \ \mathrm{OP} = \sqrt{x_0^2 + y_0^2}$ であるから、
$$\mathrm{ON} = \frac{1}{\sqrt{x_0^2 + y_0^2}}$$
ベクトル $\overrightarrow{\mathrm{ON}}$ は $\overrightarrow{\mathrm{OP}}$ と同じ向きであり、その大きさの比は $\frac{\mathrm{ON}}{\mathrm{OP}}$ であるから、
$$\overrightarrow{\mathrm{ON}} = \frac{\mathrm{ON}}{\mathrm{OP}} \overrightarrow{\mathrm{OP}} = \frac{\frac{1}{\sqrt{x_0^2 + y_0^2}}}{\sqrt{x_0^2 + y_0^2}} \overrightarrow{\mathrm{OP}} = \frac{1}{x_0^2 + y_0^2} (x_0, y_0)$$
よって、中点 $\mathrm{N}$ の座標は $\left( \frac{x_0}{x_0^2 + y_0^2}, \frac{y_0}{x_0^2 + y_0^2} \right)$ である。
解説
- (1) は「極線」の方程式を利用すると計算が非常にスムーズに進む。点 $(x_0, y_0)$ から円 $x^2+y^2=r^2$ に引いた2つの接点を通る直線の方程式は $x_0 x + y_0 y = r^2$ となることは、知識として覚えておくと強力な武器になる。解法2で示した図形的な相似を用いるアプローチも直感的で有力である。
- (2) は接線に関する定石である「点と直線の距離の公式」を用いて傾きについての2次方程式を立て、「解と係数の関係」に持ち込む処理がポイントである。軌跡を求めた後は、定積分において $\frac{1}{6}$ 公式を利用して計算量を減らすことが受験上の基本テクニックとなる。
答え
(1) $\left( \frac{x_0}{x_0^2 + y_0^2}, \frac{y_0}{x_0^2 + y_0^2} \right)$
(2) $\frac{125\sqrt{3}}{216}$
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